2022-10-31
曽我 純

国葬や旧統一教会などで岸田内閣支持率は急低下、これを食い止めるために、政府は28日、『物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策』を閣議決定した。総合経済対策の財政支出は39兆円ほどだと言う。なんというばらまき政治、まさに衆愚政治を地で行くのだ。岸田首相の唱える「新しい資本主義」は思想や理念なき、単なるバラマキ主義なのである。

2022-10-25
曽我 純

政府・日銀の介入によって10週連続の円安ドル高は免れたが、介入の効果は一時的だ。円安ドル高がいつまでも続くわけではなく、向こう数カ月で反転することも考えられる。新聞などの一面に為替や物価が躍り出てきているときが、クライマックスを示唆しているようにも思える。政府・日銀も何らかの手を打たねばと介入に踏み切ったのだが、彼らも、本気で、円安ドル高を食い止めることができるなどとは思っていないはずだ。

2022-10-17
曽我 純

円安ドル高が止まらない。先週は3円超値下がりし、これで9週連続の円安ドル高だ。対ドルで主要通貨はほぼ下落し、ドル独歩高だが、円の値下がりが最大である。EUや英国などは金融引き締めに転換しているが、日本は超金融緩和を貫いているからだ。一方、円は安くなったが、ゼロ金利を継続しているため、欧米に比べて株式の下落率は小幅である。

2022-10-10
曽我 純

先週の岸田首相の所信表明演説は、「日本経済の再生が最優先の課題です」と力説する。だが、長期的に停滞している日本経済を再生などできるのだろうか。今まで何回「再生」を口にしたことか。よほど思い切った切開手術でもしなければ、活力のない腑抜けの日本経済を再生などできまい。岸田首相は「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」を実行すれば再生できると言う。

2022-10-03
曽我 純

8月第3週以降7週連続の円安ドル高だ。米政策金利は3%まで引き上げられたが、年末には4%を超えるだろう。こうした先行きの利上げが確かになっていることから、米10年債利回りは週末3.82%まで上昇し、FFレートを超えた。日米の10年債利回り格差は3.57%pへと一層拡大し、そのことが円売りドル買いに拍車を掛けている。

2022-09-26
曽我 純

22日、政府・日銀が円買いドル売り介入したことによって、急速に進んでいた円安ドル高は、いったんは止まったが、長続きはしないだろう。投機の矛先は円から今度はポンドに向かった。23日の一日でポンドは3.6%も急落し、1985年以来37年ぶりのポンド安ドル高となった。

2022-09-19
曽我 純

対ドルで円は急落している。昨年末と先週末値を比較すると24.2%の円安だ。次に下落率が大きいのはポンドの15.7%であり、ユーロは11.9%である。昨年末から9月12日までの名目ドル実効相場(BIS統計)は10.9%上昇している。ユーロ圏のインフレ率は8月、前年比9.1%と米国よりも高く、貿易収支は赤字であり、しかもエネルギーで経済が痛めつけられているわりにはそれほど売られていない。

2022-07-18
曽我 純

ドイツのエネルギーの生命線である「ノルドストリーム1」が11日、完全停止したことやFRBの大幅利上げ観測などがユーロを一時パリティ以下に押し下げた。それにつれて円の対ドル相場も前週比2円45銭も下落した。「ノルドストリーム1」は定期保守点検が終わる22日に供給されると言われているが、果たして、その通りになるだろうか。

2022-07-11
曽我 純

2021年度の税収は67兆円と2020年度を6.2兆円上回り、過去最高を更新した。主要な税がすべて前年度比プラスになったからだ。所得税は21.3兆円、前年度よりも2.2兆円増加し、1993年度以来28年ぶりである。所得税の過去最高は1991年度の26.7兆円だが、これに比べれば5.4兆円少ない。

2022-07-04
曽我 純

先週末、米10年債利回りは2.89%と6月7日以来の3.0%割れだ。6月の米消費者信頼感指数が前月の103.2から98.7へと低下、特に、期待指数は73.7から66.4へと7.3ポイントも落ち込んだ。さらに、6月のISM製造業が5月の56.1から53.0に低下したが、新規受注が55.1から49.2へと50を割り込み、景気への警戒感を強めた。景気減速の兆しに関心が集まれば、商品相場も軟化する。