2023-03-27
曽我 純

進行する円高ドル安

これから円高ドル安はさらに進行するだろう。先週、FRBは躊躇しながらも政策金利を0.25%ポイント引き上げ、4.75%―5.00%とした。だが、週末の米10年債利回りは今年1月の半ば以来の3.37%に低下し、政策金利を138ベイシスポイント(bp)下回る。一方、2年債は半月ほど前には5%を超えていたが、政策金利はほぼ上限に達したとの見立てから3.76%に急低下した。

2023-03-20
曽我 純

FRBはだれのためにあるのか

対ドルで円は前週比、2.4%高となり、2月10日以来の円高ドル安だ。ポンドは対ドルで1.2%上昇したが、ドルユーロは0.2%とほとんど変わらなかった。米銀の破綻や救済、欧州ではクレディスイスの行き詰まりで、円に逃避資金は流入した。欧米の10年債利回りが大幅に低下したことも、円の魅力を高めた。前号でも指摘したが、こうした事態を引き起こしたのは、FRBなのだ。

2023-03-13
曽我 純

FRBの蒔いた種

物価は思うように低下せず、景気も意外に底堅いなどで、米10年債利回りは今月2日、4%を超えたが、先週末の10日には3.70%に低下した。2月の非農業部門雇用者数は前月比31.1万人増と予想を上回り、賃金は前年比4.6%と前月の伸びを上回った。

2023-03-06
曽我 純

出生数減を食い止めるにはお金と時間が必要

岸田首相は1月23日、施政方針演説で『防衛力の抜本的強化』を力説した。『こども・子育て政策』も重要な課題と位置付けたが、具体策は提示されず、無策ぶりをさらけだした。「昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、我が国は、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況におかれています。

2023-02-19
曽我 純

過去30年間で雇用者所得は年率0.5%、これで経済の好循環始まるか

米政策金利の上限がこれまでの予想よりも高くなるとの見通しが強まり、米10年債利回りは上昇した。ただ、為替相場で変化があったのは円ドルであり、ユーロなどへの影響はわずかであった。円ドル相場は前週比2円74銭、1カ月比約6円もの円安である。日銀総裁が代わっても、現状の金融政策が継続されるとみられているのだ。

2023-02-13
曽我 純

低賃金の流れを止めることができるか

賃上げが官・民(大企業)で喧しく言われているが、大企業の従業員は18%(2021年度の『法人企業統計』、資本金10億円以上)にすぎず、多くの中小企業は大企業のお零れで糊口をしのいでおり、到底、大幅な賃上げはできない。大企業の従業員はすでに恵まれた賃金を取得しており、例え、彼らの賃金が上がったとしても、奢侈品は別としても、日常購入する商品が増加するわけではない。

2023-02-06
曽我 純

米国の雇用はどうなるのか

今年1月の米非農業部門雇用者数は前月比51.7万人と予想をはるかに上回り、労働市場が一層拡大していることがわかった。10年債利回りは上昇し、それによって株式は売られ、円は押し下げられた。失業率は3.4%と3カ月連続で低下したが、まだ低下するだろう。

2023-01-30
曽我 純

日米の政府支出・GDP比率と最悪の岸田政権

昨年第4四半期の米GDPが公表された。実質前期比0.7%、前年比では1.0%であり、昨年12月に示されたFOMCの2022年GDP予測(0.4~0.5%)を上回った。経済成長は予測より高いが、失業率とPCEinflationはいずれも予測を下回り、歴史的な低失業率でありながら物価は落ち着きつつある。

2023-01-23
曽我 純

米景気後退と株式の行方

2022年末の日経平均株価は前年比9.5%下落した。前年を下回るのは2018年以来4年ぶりである。2022年と2018年はNYダウも低下しており、米株の日本株への影響力は極めて大きい。2000年以降の日米の株価を比べてみると米株が下落しているときは、日本株もほぼ押していることが分かる。日本株は米株が強いか弱いかで決まると言っても過言ではない。

2023-01-16
曽我 純

日銀総裁は「もっともロマンティックで、もっとも現実離れした人間と化している」

日銀が大規模緩和策の副作用の点検を行うとの報道をうけ、円ドル相場は一気に127円台に突入した。昨年5月第4週以来の円高ドル安である。長期金利は一時上限の0.5%を超え、さらなる利上げを織り込む動きを見せている。債券先物は激しく売られ、昨年12月20日以降に売り建てていた玉にも巨額に利益が発生している。