2023-04-09
曽我 純

黒田日銀総裁が8日付で退任した。7日の記者会見で、大規模な金融緩和をやってきたことは正しく、大規模緩和がなければ、経済は現状のような姿にはならなかっただろう、という発言が目立った。2%の物価目標にどのような根拠があり、この目標を達成することで日本経済はどのようになるのか、といった根本的問題は最後まで聞くことはできなかった。

2023-04-03
曽我 純

2月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年比5.0%と1月よりも0.3%ポイント(p)低下した。ただ、食品・エネルギーを除いたコア指数は4.6%と0.1%pの低下にとどまった。3月のFOMCのPCEコア予測(第4四半期、前年比3.5%~3.9%)を0.7%p上回っている。

2023-03-27
曽我 純

これから円高ドル安はさらに進行するだろう。先週、FRBは躊躇しながらも政策金利を0.25%ポイント引き上げ、4.75%―5.00%とした。だが、週末の米10年債利回りは今年1月の半ば以来の3.37%に低下し、政策金利を138ベイシスポイント(bp)下回る。一方、2年債は半月ほど前には5%を超えていたが、政策金利はほぼ上限に達したとの見立てから3.76%に急低下した。

2023-03-20
曽我 純

対ドルで円は前週比、2.4%高となり、2月10日以来の円高ドル安だ。ポンドは対ドルで1.2%上昇したが、ドルユーロは0.2%とほとんど変わらなかった。米銀の破綻や救済、欧州ではクレディスイスの行き詰まりで、円に逃避資金は流入した。欧米の10年債利回りが大幅に低下したことも、円の魅力を高めた。前号でも指摘したが、こうした事態を引き起こしたのは、FRBなのだ。

2023-03-13
曽我 純

物価は思うように低下せず、景気も意外に底堅いなどで、米10年債利回りは今月2日、4%を超えたが、先週末の10日には3.70%に低下した。2月の非農業部門雇用者数は前月比31.1万人増と予想を上回り、賃金は前年比4.6%と前月の伸びを上回った。

2023-03-06
曽我 純

岸田首相は1月23日、施政方針演説で『防衛力の抜本的強化』を力説した。『こども・子育て政策』も重要な課題と位置付けたが、具体策は提示されず、無策ぶりをさらけだした。「昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、我が国は、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況におかれています。

2023-02-19
曽我 純

米政策金利の上限がこれまでの予想よりも高くなるとの見通しが強まり、米10年債利回りは上昇した。ただ、為替相場で変化があったのは円ドルであり、ユーロなどへの影響はわずかであった。円ドル相場は前週比2円74銭、1カ月比約6円もの円安である。日銀総裁が代わっても、現状の金融政策が継続されるとみられているのだ。

2023-02-13
曽我 純

賃上げが官・民(大企業)で喧しく言われているが、大企業の従業員は18%(2021年度の『法人企業統計』、資本金10億円以上)にすぎず、多くの中小企業は大企業のお零れで糊口をしのいでおり、到底、大幅な賃上げはできない。大企業の従業員はすでに恵まれた賃金を取得しており、例え、彼らの賃金が上がったとしても、奢侈品は別としても、日常購入する商品が増加するわけではない。

2023-02-06
曽我 純

今年1月の米非農業部門雇用者数は前月比51.7万人と予想をはるかに上回り、労働市場が一層拡大していることがわかった。10年債利回りは上昇し、それによって株式は売られ、円は押し下げられた。失業率は3.4%と3カ月連続で低下したが、まだ低下するだろう。

2023-01-30
曽我 純

昨年第4四半期の米GDPが公表された。実質前期比0.7%、前年比では1.0%であり、昨年12月に示されたFOMCの2022年GDP予測(0.4~0.5%)を上回った。経済成長は予測より高いが、失業率とPCEinflationはいずれも予測を下回り、歴史的な低失業率でありながら物価は落ち着きつつある。