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GDP2次速報によれば、今年第1四半期の実質GDPは前期比0.5%減少した。昨年第4四半期は0.1%、同第3四半期は-0.9%であるから、日本経済は景気後退期にあると判断してよい。特に、消費は不振であり、家計最終消費支出(持家の帰属家賃除く、CH)は-0.9%と昨年第2四半期から4四半期連続のマイナスだ。
6月5日発表の厚生労働省の『2023年人口動態統計月報年計(概数)』によれば、2023年の出生数は72.7万人と前年比5.6%減少し、死亡数は157.5万人、同0.4%増加した。2023年までの過去10年間で出生数は29.4%減、2013年までの同8.3%減に比べれば、異常な減り方だ。
日本の10年債利回りが上昇し続けている。米国も利下げが遠のき利回りは高止まりし、こうした債券利回りの上昇が株式の魅力を奪っている。債券安と株安で現金保有比率は上昇しているはずだ。米株の勢いが弱まれば、商品市況も元気がなくなる。株や債券を売却した資金は、どこに向かっているのだろうか。米財務省証券(TB)3カ月物は5.39%だから、当面、これで凌ぐしかないのかも。
日本の10年債利回りが1%を突破しても円安ドル高は止まらない。昨年末から11.3%の円安ドル高だが、ドルユーロは同1.7%のユーロ安にとどまっており、ポンドドルは変わらずである。円独歩安と言える状況だ。10年債利回りの日米格差は昨年末の326bpから346bpへと拡大しており、こうした利回り格差がこれからも続くという観測が円安ドル高傾向を支えている。
NYダウは終値で初めて4万ドルを超えた。それでも昨年末比の上昇率は6.1%と日経平均株価の15.9%を大幅に下回る。S&P500やナスダック総合はいずれも11.2%の値上がりだが、DAXより伸びは低い。米10年債利回りが上昇すれば下押し、低下すれば上伸する分かりやすい米株相場だ。
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米国経済の好調さが裏付けられた。3月の非農業部門雇用者は前月比30.3万人と前月の27万人を上回り、昨年5月以来の拡大となった。これで今年第1四半期の米GDPは前期以上に伸びるだろう。非農業部門雇用は前年比1.9%と依然高い伸びを維持しており、新型コロナ以前の伸びを上回っている。3月の労働参加率は62.7%と新型コロナ以前の63.3%を下回っており、雇用が逼迫するような状況ではない。
米国経済は好調だ。3月のミシガン大学消費者信頼感指数は2021年7月以来2年8カ月ぶりの高い水準に戻り、2月の米個人消費支出(PCE)も前年比4.9%と前月を0.4%p上回った。米国経済のエンジンであるPCEが拡大していれば、米国経済に大きな問題は生じないだろう。雇用が拡大し、それにつれて賃金が伸び、さらにPCEの増加に繋がっている。
19日、日銀は無担保コールレートをマイナス0.1%から0~0.1%にした。日銀は「賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、・・・2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した」。だが、高々0.1~0.2%ほどの引き上げである。この程度の微調整でなにが変わるのだろうか。