2023-12-11
曽我 純

植田日銀総裁の発言で円高ドル安に拍車がかかった。ゼロ金利の解除が視野に入ってきたと思わせたからだ。未だに、このような思惑で相場が激しく動くのである。1990年代半ば頃からほぼゼロ金利を続けてきたが、日本経済の足取りにそれほどの変化はない。30年近く、同じことをやってきて、事態が好転しないことは、金融政策では日本経済を良くすることはできないのだ、と言うことだ。

2023-12-04
曽我 純

米10年債利回りは先週末、4.19%へと急低下し、今年8月末以来約3カ月ぶりの低い水準だ。週間で27bp低下し、これにつられてドイツやイギリスの利回りも同様に急落したが、日本だけは7bpの低下にとどまった。米債券利回りの急低下によって、円ドル相場は週間、1.8%の円高となり、今年9月11日以来約3カ月ぶりの円高ドル安だ。

2023-11-27
曽我 純

米10年債利回りは実体経済に概ね合致しているため、これからは大幅な変動はなく、円ドル相場も1ドル=150円前後で推移し、その後、円高ドル安に向かうだろう。昨年末比、日経平均株価は28.9%もの予想外の上昇となっている。ナスダック総合は36.2%も急騰しているが、NYダウは6.8%にとどまり、FT100は0.5%とほぼ横ばいだ。

2023-11-20
曽我 純

米10年債利回りは急低下している。10月末比では50bp低下、これに欧州の債券も追随し、軒並み債券は買われた。先月末から日本の債券利回りも20bp低下したが、水準が1%未満であるため、円ドル相場は大きく反応していない。それでも米国の物価は着実に沈静化に向かっており、ドル高はピークアウトした。

2023-11-13
曽我 純

円安ドル高の進行が株価を押し上げている。先週末の日経平均株価は昨年末を24.8%上回っており、主要株価指数のなかではナスダック総合(31.8%)に次ぐ高い伸びを示している。NYダウは3.4%にとどまり、S&P500は15.0%の上昇である。米国の政策金利や10年債利回りは現状がほぼピークであり、金利面でも株式を強気にしている。

2023-11-06
曽我 純

米債券利回りの急低下によって、円ドル相場は149円台に戻した。米10年債利回りの5%超えは行き過ぎだ。2023年第3四半期までの過去20年間の米名目GDPは年率4.44%であるから、10年債利回りはこの水準の近くで推移していくはずだ。今後の長期期待経済成長率が4.44%から上下にぶれると予想されれば、中心から離れることになろう。強い期待の下では5%、弱い期待下では4%に向かうことになる。

2023-10-29
編集部

30日のマーケットレターはお休みいたします。
11月6日号からの掲載となります。

2023-10-23
曽我 純

9月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.7%と前月と変わらなかった。ただ、ウエイトの大きい住居の寄与度が2.5%pあり、これを除けば1.2%である。住居のうち持家の帰属家賃だけで1.8%p引き上げており、これを除外すれば1.9%となり、米国の物価は実質的には落ち着いているのである。こうした物価情勢であるにもかかわらず、依然、物価上昇懸念が燻ぶり続け、何かにつけ、相場の材料にされている。

2023-10-16
曽我 純

イスラム組織ハマスのイスラエル襲撃によって、パレスチナは緊迫の度合いを強め、原油、金、米債が買われた。特に、商品相場はガザとイスラエルの紛争の行方に左右されることになるだろう。米債券高・利回り低下によって、株式への影響は限定的であった。だが、イスラエルがガザに侵攻、戦闘が拡大し、収拾がつかない事態になれば、その時は、原油価格は跳ね上がるだろう。

2023-10-09
曽我 純

週末、米10年債利回りは4.8%、前週末比23bp上昇したが、S&P500とナスダック総合は前週末を上回った。これほど債券利回りが急騰しているにもかかわらず、米株式は底堅い。S&P500の配当利回りは1.6%程度であり、債券利回りを320bpも下回っている。これだけの格差が出てくれば、株式は崩れてもおかしくない。