FAZの記事、「民主主義はゴミ」。たしかに欧州統合の政治的言辞は風に舞う灰のようなものになっているか。
先週も対ドルで円は過去最高値を更新し、週末としては初の75円台で引けた。FRBは2013年央までゼロ金利を継続することを決めているが、さらなる緩和策に踏み切るかもしれず、緊縮財政を強める欧州は利下げで景気を支えざるを得なくなる。こうした欧米の金融緩和強化への期待も円高の背景をなしていると考えられる。
ロバート・スキデルスキーの一文、「ブームは幻覚であった」が目に止まる。「世界経済は危機に瀕している。私たちがいま望みうる最良のものは、グローバル化の荒々しい土地からの管理された退却である。オルタナティブはユーロの崩壊、保護主義、そして戦争でさえある」と刺激的に語り始めている。
4-6月期のユーロ圏GDPは前期比0.2%増にとどまり、景気減速が明らかになった。欧州委員会の予測(9月15日発表)によると、7-9月期は前期と同じ0.2%の伸びを見込んでいるが、ユーロ圏経済の3割弱を占めるドイツの成長率を0.4%と高めに想定しており、ドイツ経済の行方がユーロ圏の鍵を握る。
週末、米国債利回りは2.0%を下回った。3ヵ月前と比べると1%超の低下だ。8月初めに米国債は格下げされたが、米国債の魅力は増し、利回りは急低下している。金融危機のさ中の08年12月末に2.06%まで低下したが、今回はそれを下回り、1941年以来70年ぶりの歴史的低水準を示現した。2%台でも十分低いのだが、それでも流動性を手放し、米債を入手させる原動力になっているのはなにか。