2011-10-17
ロバート・スキデルスキーの一文、「ブームは幻覚であった」が目に止まる。「世界経済は危機に瀕している。私たちがいま望みうる最良のものは、グローバル化の荒々しい土地からの管理された退却である。オルタナティブはユーロの崩壊、保護主義、そして戦争でさえある」と刺激的に語り始めている。
ロバート・スキデルスキーの一文、「ブームは幻覚であった」が目に止まる。「世界経済は危機に瀕している。私たちがいま望みうる最良のものは、グローバル化の荒々しい土地からの管理された退却である。オルタナティブはユーロの崩壊、保護主義、そして戦争でさえある」と刺激的に語り始めている。
4-6月期のユーロ圏GDPは前期比0.2%増にとどまり、景気減速が明らかになった。欧州委員会の予測(9月15日発表)によると、7-9月期は前期と同じ0.2%の伸びを見込んでいるが、ユーロ圏経済の3割弱を占めるドイツの成長率を0.4%と高めに想定しており、ドイツ経済の行方がユーロ圏の鍵を握る。
週末、米国債利回りは2.0%を下回った。3ヵ月前と比べると1%超の低下だ。8月初めに米国債は格下げされたが、米国債の魅力は増し、利回りは急低下している。金融危機のさ中の08年12月末に2.06%まで低下したが、今回はそれを下回り、1941年以来70年ぶりの歴史的低水準を示現した。2%台でも十分低いのだが、それでも流動性を手放し、米債を入手させる原動力になっているのはなにか。
米国経済の足取りはやはり重い。6月の非農業部門雇用者は前月比1.8万人と2ヵ月連続の低い伸びとなり、失業率は9.2%と3ヵ月連続の上昇、失業者は1,408万人に増加した。高失業率は過去に経験ないほど長期化し、失業期間も27週以上が628.9万人と昨年12月以来の高い水準となるなど、雇用問題は米国経済に突き刺さったままである。