2015-10-06
曽我 純

世界経済を端的に表しているのは商品市況だ。代表的指標のCRBは200を割り込み、月末値では、9月は2002年2月以来13年7ヵ月ぶりの低い水準を示している。1980年代以降ではほぼ最低のところにあるといってよい。原油などのエネルギーを始め、銅やアルミの金属、農産物等ほぼすべてが急落し、底値を摸索している状態である。なぜ下落しているのかといえば、需給が緩み、買い手優位になっているからである。

2015-09-13
曽我 純

株価の乱高下に伴い東証1部の売買代金は急増している。急落した8月25日には5兆円弱に達した。昨年の1日当たり売買金額(2.36兆円)を今年は大幅に上回りそうだ。売買が活発なことは売買回転率(代金)も高く、7月は年率126%と売買代金が平均時価総額を上回っている。8月の東証1部総売買代金の61.5%を外人が占め、個人は17.4%、自己は13.4%と続く。

2015-09-06
曽我 純

株価下落の要因に中国の景気の悪化を挙げているが、中国の共産党独裁政治の統計には信憑性など欠片もなく、中国経済を槍玉にするのは間違っている(日本の株式市場も市場とは言えたものではなく、中国と五十歩百歩といったところか)。株価急落の主因は主要国のゼロ金利などの金融政策に求めるべきだ。長期間、金利をゼロに釘付けしていることから、金融経済だけが、その恩恵に浴し、不当な利益を懐にいれることができた。

2015-07-20
曽我 純

7月16日、戦争関連の11法案が衆議院を通過した。法案は日本国憲法9条や第十章の97条、98条、99条から逸脱した憲法違反である。憲法をまったくなんとも思わない人間が総理大臣の地位にいるのだ。日本は法冶国家ではなくなってしまった。

2015-07-12
曽我 純

インチキ賭博と言っても可笑しくない中国株式に翻弄され、日経平均株価は週末値では5月第2週以来2ヵ月ぶりの20,000万円割れとなった。昨年10月以降の日本株の値上りは円安ドル高に加えて、中国株急騰の影響も大きかった。いくらインチキをしてもバブルとなればそれなりの反動減は避けられまい。日本の株式もそれなりに国家と日銀が関与した相場になっていることから、対岸の火事と見過ごすわけにはいかない。

2015-07-05
曽我 純

6月末、5月のユーロ圏失業率が公表されたが、全体では11.1%と前月比横ばいであった。低下しているとはいえ、ピークから約1ポイントの低下にとどまり、金融危機以前の水準よりもはるかに高い。一方、米国は6月、5.3%となり、ピークから約5ポイントも低下し、2桁のユーロ圏とは対照的である。

2015-06-28
曽我 純

日経平均株価は24日、ITバブル期の2000年4月の高値を超え、1996年12月以来、約18年半ぶりの高値を付けた。米株式が足踏みし、円安も抑えられている状況下で日本の株式だけが、高値を更新している。週末の日経平均株価は昨年末比18.6%と主要国では最大の伸びだ。次がDAXの17.2%と日経平均株価に近い伸びだが、米株などは数%にとどまる。

2015-06-21
曽我 純

FRBは利上げに極めて慎重である。雇用やインフレ率に相当な自信が持てない限り、利上げはしないとFOMCの声明で表明。米失業率は5月、5.5%だが、20歳以上では5.0%、黒人は10.2%と高いが、白人は4.7%、学歴別では、大学卒以上は2.7%と相当低い。

2015-06-15
曽我 純

NYダウは頭打ちになってきている。米国経済の成長ペースは緩やかであり、企業利益も高い伸びは期待できない。株価が高水準を維持できているのはゼロ金利等によるもので、実体経済を反映したものではない。国債等の償還資金を再投資していることからFRBのバランスシートは10日、4.46兆ドルと高原状態を続けており、ピークからの減少額はわずかだ。

2015-06-07
曽我 純

対ドルで円は2002年5月以来約13年ぶりの安値を付けた。米雇用統計が予想を上回る好調を示し、数ヵ月後には利上げが行われる見通しが強まったからだ。これでほぼ米利上げは為替相場に織り込まれたと思う。米国の雇用は順調に改善しているが、経済全体をみれば緩やかな回復にとどまっており、雇用統計が示すほど良くない。