2016-03-21
曽我 純

FOMC後の声明等により、利上げのペースが緩やかになることが示され、ドル安が進行した。週末、円は111円台で引け、週間で2円以上値上がりし、2014年10月以来の円高ドル安となった。ユーロに対してもドルは売られ、米政策金利の現状維持から、主要国の長短金利は低下した。超低金利政策の継続から米株式は上昇し、昨年末値を上回った。また、ドル安によって、商品市況は回復し、CRB指数も昨年末値を超えた。

2016-03-13
曽我 純

東日本大震災から5年過ぎた。今年度までの集中復興期間に26.3兆円もの巨費が投じられた。平均すれば毎年5兆円超の資金が支出されたということだ。2016年度一般会計の公共事業関係費は約6兆円だから、集中復興期間に投じられた資金がいかに巨額であったかがわかる。これだけの巨費が投じられたのだから、復旧は進み、経済はかなり良くなったのではないかと思われるのではないだろうか。

2016-03-06
曽我 純

世界的に株式は買い戻されているが、危うい相場から抜け出してはいない。原油価格が35ドル台まで回復したが、さらに上昇するのは難しいだろう。世界経済の動きは一段鈍くなってきているからだ。雇用統計などから米国経済は悪くはないという見方もあるが、基本的には米国経済の足取りは重く不安定な状態にある。

2016-02-28
曽我 純

日銀はホームページに相変わらず「2%の物価安定の目標」を掲げている。2%がなぜ「物価安定」なのだろうか。1月の消費者物価指数が公表されたが、総合指数と生鮮食品を除く指数は前年と同じであった。きわめて安定しているといえる。日銀は超安定している物価環境を崩したいのである。が、日銀が需要や供給をコントロールすることは不可能であるから、物価を引き上げたくても引き上げることはできないのである。

2016-02-21
曽我 純

日本の内需は弱く、外需も不振であり、景気は後退している。1月の輸出は前年比12.9%も減少し、輸出で支えられていた、企業業績の雲行きは怪しくなってきた。1月の電力需要によれば、総販売電力は前年比8.7%も減少し、電力は大幅な超過供給の状況下にある。大口電力需要も3.2%減少しており、製造業の生産減は顕著である。

2016-02-14
曽我 純

円の急騰、株の急落、まさに投機業者は我先に市場から逃れようとしている。投機業者に円買い・日本株売りの引き金を引かせたのは、黒田総裁のマイナス金利導入である。マイナス金利まで持ち出せば、これを上回る政策は出てこない。規模を拡大するのが関の山だ。これまでの日銀の政策が実体経済にそれなりの影響を与えていたならば、投機業者はさらに円売り・株買いに賭けただろうが、実体経済にみるべきところはない。

2016-02-07
曽我 純

2月3日のきさらぎ会の講演で、黒田日銀総裁は改めて「2%の「物価安定の目標」の実現のために、できることは何でもやる」と締めくくった。現状、ゼロ近辺にある物価ではなぜいけないのだろうか。まさに、理想的な物価状況下にありながら、理想をぶち壊そうとしている。が、日銀がいくら血眼になっても世界的な商品相場バブルの崩壊ではどうすることもできないのだが。

2016-02-01
曽我 純

日銀の黒田総裁は為替市場や株式市場を驚かすことばかり考えているのだろう。29日にはマイナス金利導入を発表した。相場は揺れたが、マイナス金利にしたからといって、実体経済にかかわる市井のひとびとの暮らしが良くなるわけではない。2013年4月以降、日銀は大規模な国債購入策を講じてきたが、家計の懐が一向に改善しないことをみれば明らかだ。

2016-01-24
曽我 純

21日、ECBのドラギ総裁が追加緩和策を示唆したことからユーロ安ドル高が進行、それにつれてドル建ての商品相場も持ち直した。原油価格も30ドル台に回復し、株式も買い戻された。ただ、商品相場の下降基調は変化しておらず、したがって、株式の戻しも一時的なものにとどまるだろう。商品相場が底入れできないのは、実体経済が弱いからだ。

2016-01-17
曽我 純

商品市況の値崩れによって、主要国の株式は売られ、債券は買われた。CRB指数は160を割り込み、2008年6月のピークの3分の1に崩落した。1980年以降では最低を更新しているが、どこまで下落するのだろうか。CRB指数を構成している19品目のひとつに原油が入っているが、WTIは30ドルを割り込み、2003年以来の安値を付けた。WTIは30ドルを割れたが、このあたりが下値になる根拠はなにもない。