週末値では7月第2週以降、13週連続で日経平均株価は16,000円台で引けている。年金マネーが買い、日銀が買っても売買代金(委託)の約7割を占める外人が売り越したのでは上値は重い。外人が売り越しているのは、円ドル相場と企業業績への不安があるからだ。米国経済は思うような成長軌道に乗れず、利上げすれば経済成長はより緩慢になるだろう。だから、FRBはなかなか利上げに動けないのだ。
2016-10-10
2016-10-02
8月の米個人消費支出は前年比3.6%増加したが、『家計調査』によれば日本の消費支出(二人以上の世帯)は前年比5.1%減少した。米国の消費支出は前年比3%台で推移しており、日本にとっては羨ましいほどの伸びである。それでもFRBは利上げを先送りしている。FRBが利上げできないのは、ウォール街に気を使っているからだ。米国民のことなど少しも考えていない。利上げの株式や住宅への打撃が怖いのである。
2016-09-25
21日発表の日銀の総括的検証によれば、「経済・物価の好転をもたらし、物価の持続的下落という意味でのデフレではなくなった」と量的・質的金融緩和を評価している。年度ベースで消費者物価指数(総合)をみると、2012年度まで4年連続のマイナスから2013年度は前年比0.9%と5年ぶりに上昇した。
2016-09-18
為替・株式市場参加者は日米の金融政策を控え、神経質になっているが、米国については8月の小売売上高や鉱工業生産はいずれも前月比マイナスとなり、実体経済の基調は弱く、FRBの予想GDP達成は難しく、9月だけでなく11月、12月のFOMCでも利上げは見送られるだろう。日銀の黒田総裁はまだ金融緩和策があると強気の姿勢を保っているが、これまで実施してきた政策でなにが金融緩和しているというのだろうか。
2016-09-11
経済指標や米金融当局者の発言により為替、株式は揺れている。数日で利上げ観測ががらりと変わるという目まぐるしい状態にある。米利上げがいつ実施されるかということが、依然、市場参加者の関心事なのである。だが、FRBの経済予測と現実の数値を照らし合わせてみれば、そう簡単に、FRBが利上げに踏み切るとは考えにくい。
2016-07-17
先週の日経平均株価は前週比9.2%と2009年12月第1週以来約6年半ぶりの急騰だ。参議院選で与党が大勝したことが影響したと考えられるが、それだけではこれだけの値上がりを説明することはできない。2014年12月14日に行われた衆議院選後の週間値上がり率は2.0%にすぎなかった。自公が3分の2を獲得し、圧勝したけれども、それほどの上昇ではなかった。円ドル相場などは1円も動かなかった。
2016-07-11
NYダウは過去最高値近辺まで上昇し、国債利回りは最高最低を更新した。企業収益の前年割れや設備投資の不振など米実体経済はもたついているにもかかわらず、金融経済は活況を呈している。FRBの利上げが完全に頓挫したことが、このような齟齬を引き起こしているのだ。米株式と国債相場は完全に金融政策によって形成された砂上の楼閣だ。砂上の楼閣を維持するには現状の金融政策を踏襲するしかない。
2016-07-04
イギリスのEU離脱が決まってから、FRBの利上げ観測は霧散してしまった。その結果、商品市況は勢いを取り戻しているが、なかでも金と銀は昨年末比26.3%、41.9%それぞれ上昇している。国債利回りも低下し続けており、主要国では過去最低を更新した。週末値では米国の利回りも約4年ぶりに最低を更新、まさに異常な債券相場となっている。
2016-06-26
6月23日、イギリスのEU残留見通しから円安ドル高にぶれていたため、24日、離脱が濃厚になるにつれて、円が急伸し、一時1ドル=99.00円まで上昇した。その後は行き過ぎの反動があらわれ102円台で取引を終えた。それでも前日から約4円も上昇したのだ。相場はまさにジェットコースターのように激しく揺れた。