6月15日、金融政策の現状維持と「運用姿勢は引き続き緩和的」という内容のFOMC声明を発表した翌日の16日、日銀も現状維持を打ち出した。日銀の金融政策発表後、円ドル相場は1ドル=106円台から103円台に円は急騰した。同時に日経平均株価は急落した。発表を待ち伏せしていた投機筋が仕掛け、それに数多の投機業者が追随したのだろう。2012年秋以降の円安ドル高は2015年7月まで3年弱続いた。
2016-06-19
2016-06-12
イギリスの世論調査でEU離脱が留残を上回ったことから、ポンドやユーロは売られ、欧州株式は崩れた。円ドル相場は大きく変化しなかったため、円ユーロ相場は週末、1ユーロ=120.3円と2013年1月以来3年半ぶりの円高ユーロ安となった。円ドル相場は106円台を2週連続で維持しており、一段の円高に向かいそうな気配である。
2016-06-06
5月の米雇用統計が予想を大幅に下回り、円は急騰した。3月の経常収支が3兆円近くに達し、4月の日本の消費者物価指数(総合)が前年比-0.3%と日米の物価格差が拡大していることなどから、基本的には円高ドル安の流れにあった。そこに、非農業部門雇用者が前月比3.8万人増、しかも3月、4月も下方修正され、6月利上げが後退、円高に火が付いた。
2016-05-29
G7首脳会議開催の意義などあるのだろうかという印象を今回強く思った。親睦会のようなものなのだろうか。現実の課題に対して積極的に取り組む姿勢などないからだ。みなそれぞれの国の事情があり、合意を得ることは難しく、難問は当たり障りのない宣言で逃れる。議長を務めた安倍首相は、世界経済を自分に都合よく解釈し、消費税引き上げ延期の理由づくりに精を出した。
2016-05-22
今年1-3月期のGDPが公表されたが、名目GDPは前年比0.8%と2四半期連続の成長率低下である。しかも閏年により前年よりも1日多かったが、この伸びなのである。閏年により前年比1%程度上乗せされているので、実際の成長率は前年をやや下回ることになり、実際はマイナスなのだ。閏年であったにもかかわらず、民間最終消費支出は前年比1.0%減と2四半期連続のマイナスであった。
2016-05-15
日本経済が金融政策では良くならないのは、構造的要因が強く働き消費の低迷が続いているからだ。だが、構造的要因によって消費支出が増加しないだけでなく、これには分配が大きく影響している。日本には企業規模別や男女間の賃金格差がもともとあったけれども、労働者派遣法(1986年)が成立してからは、正規・非正規の賃金格差が著しく開き、低賃金労働者の割合が高まった。
2016-05-08
岡山の備前から帰ってきたが、円ドル相場や日経平均株価は1ヵ月前に比べて大きな変化はない。変わったところは商品相場であり、WTIの前月比18.3%増などにより、CRB指数は前月比7.8%も上昇した。市場参加者が、米国経済の足取りが依然重く、FRBが利上げになかなか踏み切れないと予想しているからだ。商品相場のマネーゲームにまた火が付いた。
2016-04-03
イエレンFRB議長の金融調整は慎重に進めることが妥当だという講演によって、ドルは売られ、NYダウは年初来高値を更新した。3月の非農業部門雇用者が前月比21.5万人増と拡大し続けていることも、株価を押し上げた。ゼロに近い超低金利下で雇用も改善していれば、株式にとっては好環境である。さらに物価も2月PCEは前年比1.0%と安定しており、米国経済はかなり理想的な状態にあるといってよいだろう。
2016-03-27
2月の消費者物価指数(総合)は前年比0.3%上昇した。生鮮食品を除けば横ばいである。3月の東京都区部消費者物価指数(総合)は前年比0.1%、生鮮食品を除くは同0.3%それぞれ下落した。2015年度の東京都区部消費者物価指数(総合)は前年比0.1%と前年度の2.6%から大幅にダウンした。食品・エネルギーを除くでも2014年度の1.9%から2015年度には0.4%に低下した。