2014-09-07
曽我 純

週末、S&P500は過去最高値を更新した。8月の非農業部門雇用者数が前月比14.2万人と予想にとどかず、昨年12月以来の低い伸びにとどまったが、ゼロ金利政策の長期化が期待できるとの株式関係者の楽観的見方が優勢になった。株式関係者にとっては、米雇用統計などどちらに転んでも株式に都合良く解釈できるのだ。8月末のS&P500は前年比22.7%、ナスダックは27.6%も上昇している。

2014-08-31
曽我 純

国債利回りは週末値、0.49%と0.5%を下回った。週末値で0.5%未満の経験は過去に一度あるだけだ。2003年6月第2週の0.445%だ。この過去最低をつけてから利回りは急騰、3ヵ月後には1.5%を超えた。だが、今回はそのような利回りの急騰はないだろう。消費税引き上げにより、日本経済は消費と生産が収縮しているからだ。

2014-08-24
曽我 純

7月の米景気先行指数や住宅関連指標が予想よりも強く、米国経済の拡大を示す一方、ユーロ圏の経済指標は景気の低迷をあらわし、ドル高ユーロ安が進んだ。週末値のドルユーロ相場は1.3244ドルと昨年9月第1週以来のドル高ユーロ安となった。FOMC議事録によると利上げはこれからの経済動向次第だと述べ、強めの経済指標が出てくることになれば、利上げ開始時期は早まる。

2014-08-17
曽我 純

4-6月期の実質GDPは前期比-1.7%と2012年10-12月期以来、6四半期ぶりのマイナスになった。下落率は2011年1-3月期以来だが、寄与度をみると、最終消費支出が今回の-3.1%に対して2011年1-3月期は-1.1%であり、消費税引き上げ後の1997年4-6月期(-1.9%)よりも大きく落ち込んでいることがわかる。

2014-08-10
曽我 純

週末、日経平均株価は約3%も急落し、6月17日以来の1万5,000円割れとなった。先月30日の高値からは5.5%の値下がりだ。8日、アジアや欧州の主要株価も下落したが、値下がり率は日経平均株価ほどではなかった。ウクライナの緊張や米オバマ大統領のイラク空爆承認により下落したというが、消費税引き上げによる日本経済の不振が露になってきていることが、急落を引き起こした主因だと思う。

2014-08-03
曽我 純

6月の経済統計が出揃い、今年度第1四半期の実体経済が明らかになった。やはり、消費税の引き上げによる反動減があらわれ、消費や生産は大きく落ち込み、日本経済は厳しい状況下にあることがわかった。1997年4月の引き上げのときよりも経済の悪化は深刻であり、不況は長期化するだろう。日本株は高止まりしているが、日本経済の先行きを考えれば、とうてい維持できる水準ではなく、大幅な下落は避けられないと思う。

2014-07-27
曽我 純

ドル高ユーロ安が続いている。今年3月半ばをピークにユーロは弱くなり、昨年11月以来のドル高ユーロ安である。マークイットのユーロPMIは7月、54.0と前月比1.2ポイント上昇したが、7月のIfo景気指数は108.0と前月比1.7ポイント低下し、今年2月をピークに軟調に推移している。今年第1四半期のユーロ圏住宅価格は前期比0.3%減と2四半期連続のマイナスになった。

2014-07-20
曽我 純

円ドル相場は小幅な変化にとどまっているが、ドルユーロ相場はドル高ユーロ安に向かいつつある。5月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比1.1%低下し、輸入は昨年11月以来の前年割れとなった。7月のZEW景気期待指数は27.1と2.7ポイント前月を下回り、これで昨年12月をピークに7ヵ月連続減だ。

2014-07-13
曽我 純

機械受注(船舶・電力を除く)が過去最大の減少をしたが、日経平均株価は前週比1.8%の低下にとどまった。実質の給与が大幅に前年を下回り、消費も落ち込んでいることが明らかになっているところへ、設備投資の冷え込みが加わってきた。輸出も昨年12月をピークに弱含みであり、伸びているのは公共事業だけである。特殊要因が剥げることにより年内、日本経済は沈んでいくだろう。

2014-07-06
曽我 純

やはり消費税率引き上げの経済に及ぼす影響は大きい。『短観』などの企業側の見通しは楽観的である。6月の大企業製造業の業況判断は3月比5ポイント悪化したが、先行きは改善するようだ。だが、消費支出の低下が止まらなければ、到底、業況が上向くことにはならない。国内でものやサービスが売れなければ、企業は稼働率を引き下げざるを得ない。稼働率の低下は原価率を悪化させ、収益率を低下させるだろう。