企業の甘い見通しと集団的自衛権
やはり消費税率引き上げの経済に及ぼす影響は大きい。『短観』などの企業側の見通しは楽観的である。6月の大企業製造業の業況判断は3月比5ポイント悪化したが、先行きは改善するようだ。だが、消費支出の低下が止まらなければ、到底、業況が上向くことにはならない。国内でものやサービスが売れなければ、企業は稼働率を引き下げざるを得ない。稼働率の低下は原価率を悪化させ、収益率を低下させるだろう。
FRBを危惧させる消費支出
円ドル相場は膠着状態にある。日本経済は財政・金融政策により成長しつつあり、米国経済も緩やかに回復しつつあるという評価が一般的だが、実際は、先行き不安で満ちている。だから、円ドル相場もどちらに傾けることもできないのである。日米経済は良くなっているとはいえ日米の国債利回りは低下傾向にあり、日米の利回り格差は過去3ヵ月ほぼ2%である。
資本主義経済の矛盾拡大
米国経済の伸びは緩やかで、企業利益の前年比伸び率は一桁だが、NYダウは過去最高を更新している。これは偏に、金融政策の御蔭だ。ゼロ金利が長期化すること、それだけで株式は上昇すると市場参加者の多くが思っているからだ。まさに美人投票だけで動くマネーゲームなのである。
再定義
下記エコノミストの記事は、イノベーションによって激変するビジネス・シーンで、前に向かってラッシュするのではなく、伝統的なビジネスが自己を再定義することで繁栄している事実を教えてくれている。
「伝統的産業によっては破壊的なイノベーションの時代に繁栄している」と。
Schumpeter: Second wind | The Economist
企業は太り、国は細る
2012年12月16日の総選挙で圧勝した自民党安倍政権はこれまでにない強権を振りかざし、「戦前レジーム」へ驀進している。要は強いもの勝ちの世界を構築したいのだ。2012年12月の比例代表制の自民党得票数は1、662万票、有権者総数の16.4%にすぎない。小選挙区比例代表並立制に以降してから最低の得票数なのである。小選挙区でも2,564万票であり、前回得票数を下回っている。
顔色を窺いながらのECBの利下げ
6月5日、ECBは政策金利等を引き下げた。かなり前から利下げを仄めかしており、意外性はまったくなかった。金融政策の変更が必要であれば、市場参加者の機嫌など気にすることなく実行しなければならないのだが、ECBにはそうした気概などさらさらないのだろう。まったく意志決定能力に欠ける。これでは利下げをする意味などない。
今週6月2日号の週刊マーケットレターはお休みします。
画餅に帰す日銀の金融政策
政府の僕に成り下がった日銀は、金融機関からがむしゃらに国債を購入し続けている。こうした国債購入によって金融機関には現金が入ってくるが、金融機関は非金融機関にこの大半を貸すことができず、日銀にそのまま預けているのだ。5月20日時点の日銀の国債保有額は208.2兆円、1年前から72.6兆円も増加した。1年間で72.6兆円ものかねが日銀から民間金融機関に流れた。
日本を内と外から破壊する安倍首相
原発が一旦大事故を起こせば、処置に何十年間もかかり、そのコストは天文学的となる。原発を動かせば核廃物がでる。これの管理に何万年、何十万年も要する。地震の巣の日本列島では、いつ福島原発のような事故が起こるかだれもわからない。だとすれば、原発は即廃止すべきとなる。だが、安倍首相は再稼動させるという。憲法9条を都合のよいように解釈し、集団的自衛権つまり参戦を可能にしたいという。