お人好しの日本人
衆議院選挙は予想通り自民・公明で3分の2を維持する与党の大勝で終わった。安倍首相にとっては約700億円もの金を注ぎ込んで選挙をした甲斐があったことだろう。「アベノミクス」という魔術をつかい、国民を幻惑させ、勝利した。これで今後4年間、これまでの方針を強力に推進することができる。勢いづく安倍政権は日本をさらに右に大きく舵を切るだろう。
いつまで続く円安・株高
7月以降、円安ドル高が進んでいたが、9月は5円56銭、10月、2円70銭、11月、6円31銭と急激な円安となり、先週末の円ドル相場は6月末比、約20円も安くなった。政府と日銀の政策が奏功したことに、正反対の日米の景気と金融政策が円安ドル高に拍車を掛けたといえる。円安ドル高は即座に日本株買いに繋がり、外人主導により、日経平均株価は急騰し、あっという間に1万8,000円に近づいた。
12月の週刊マーケットレターは8日号より掲載いたします。
週刊マーケットレター(2014年10月27日週号、No.506)
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預金>貸出では国債購入策は無力
米株式が下落すれば、日本株はそれに輪を掛けて下落する。米株が売られれば、ドル不安が高じ、円が買われ、円高ドル安となる。円高ドル安になれば、円安ドル高で日本株は買われていたので、日本株は売られることになる。米国経済に比べて日本経済ははるかに見劣りするので、日本株の下落は米株よりも激しくなる。1万6,000円台に上昇していた日経平均株価は1ヵ月も経過しないうちに、1万4,000円台に急落した。
まやかしの景気判断
米非農業部門雇用者が前月比24.8千人増と予想を上回ったため、ドル独歩高は一段進んだ。特に、ユーロの下落は激しく、これに追随して円なども売られた。ユーロの大幅安により、商品市況も値崩れしていった。WTIはバレル90ドル割れとなり、昨年の4月以来の低い水準だし、金は1,200ドル割れで、昨年末を下回った。10月1日に大幅安となったNYダウは反発したが、米債券相場には影響しなかった。
ドル高と米株高は持続するか
週末値では7週連続の円安ドル高だ。ドル高ユーロ安の進行にともない対ドルで円も売られ、08年8月第4週以来の円安水準に下落した。ドル高ユーロ安が進んだのは、米国経済が拡大を続けている一方、欧州経済は冴えないからである。Markitが発表した9月のユーロ圏PMIは前月を下回り、Ifoの景況指数も9月まで5ヵ月連続で低下し、ドイツ経済が下降を示唆しているからだ。