2013-04-28
曽我 純

3週間ほど東京を離れている間に、日本の株価と円ドル相場は様変わりしていた。こうなったのは、日銀が予想を上回る金融政策の変更をしたからである。市場参加者の大半の思い以上の内容となったため、株式買いと同時に円売りドル買いが殺到した。言うまでもなく、株式相場を主導したのは外人であり、4月第2週の買い越し額は1.5兆円を超え、過去にない勢いとなった。ただ、第3週は小幅だが279億円売り越した。

2013-03-31
曽我 純

2012年度末の日経平均株価は07年度末以来5年ぶりの高値で引けた。月間では昨年8月以降8ヵ月連続高となり、その間3,702円も上昇した。衆議院の解散が決まった昨年11月16日を境に値上りの勢いは増した。円ドル相場も月間では昨年10月以降6ヵ月連続の円安ドル高となり、09年7月以来3年8ヵ月ぶりの円安である。

2013-03-24
曽我 純

日経平均株価は昨年11月第2週を底に上がり続け、3月第2週までに約3,800円も値上りした。先週、安倍首相のイエスマンである黒田氏が日銀総裁に就任したが、今回の上昇過程で株式は週間で最大の値下がりとなった。日本の実体を直視しない成長信奉者のこのコンビは日本を危険な経済状態に陥れようとしている。金融緩和、脱デフレを念仏のように唱えることで信者は増加し、内閣支持率は上昇している。

2013-03-17
曽我 純

NYダウは週末、値下がりしたが、14日まで10営業日連続高となり、過去最高値を8日連続で更新した。2月の非農業部門雇用者が前月比23.6万人増加したことが株式の高値買いを支えている。が、1月分の非農業部門雇用者の下方修正は気にかけない。

2013-03-09
曽我 純

米国の雇用が順調に改善していることから、週末の為替相場はドル全面高となった。円ドル相場は96円台に上昇し、対ユーロでは3ヵ月ぶりの高値である。円ドル相場は昨年9月以降約18円も円安ドル高に振れ、2009年8月以来3年7ヵ月ぶりの円安だ。日米が金融緩和を唱え続けていることに、日米経済の回復テンポの差が加わったからである。

2013-03-03
曽我 純

日米共に株式・債券バブルが膨らんでいる。株式・債券バブルを先導しているのは言うまでもなく中央銀行である。さらに政権も加担している。NYダウは過去最高値に接近し、日経平均株価は08年9月以来の高値を付けた。日本国債の利回りは2003年6月以来の低い水準である。世界の金融史をふりかえってみても、今の日本の利回りほど低い利回りの時代はない。

2013-02-24
曽我 純

日米首脳会談の成果を安部首相は誇っているが、米国の報道機関の関心は極めて薄いものであった。安倍首相は「緊密な日米同盟が完全に復活をした」と力説したが、米国からすれば、日米関係はいままでと何も変わっていないと判断しているのだ。ことさら、成果を強調し、国内の支持を高めるパフォーマンスにすぎない。

2013-02-17
曽我 純

16日、G20が閉幕した。日本への名指しの非難はなかったものの、共同声明で「通貨の競争的な切り下げを回避する」、「競争力のために為替レートを目的とはせず」と表現され、いままでのように日本は過激な金融・為替に関する発言をすることはできなくなった。バーナンキFRB議長やラガドルIMF専務理事が日本を擁護したのは、米国も欧州も金融緩和では呉越同舟であり、薮蛇になるからだ。

2013-02-10
曽我 純

日経平均株価の連続高は12週で途絶えたが、TOPIXは先週も上昇し、13週連続高である。商いは異常に膨れ、7日の売買高は50億株(東証1部)を超えた。昨年の1日平均は20.9億株であるから倍以上に膨れていると言うことだ。過去最高の売買高は2007年の22.2億株であり、株式バブル期の1988年(10.2億株)の約2倍の規模に膨らんでいた。

2013-02-03
曽我 純

政府は1月29日、2013年度の一般会計予算案を決めた。総額92.6兆円、前年度予算比2.5%増である。主要経費別では公共事業費5.28兆円が15.6%と最も伸び率が高い。今年度補正予算でも5兆円弱の公共事業が計上されており、その大半は4-6月期に支出されるだろう。安倍首相は4-6月期のGDPをなんとしてでも好転させ、消費税率の引き上げを宣言したいのだ。