2013-03-24
曽我 純

債券バブルが弾ける時期は近い

日経平均株価は昨年11月第2週を底に上がり続け、3月第2週までに約3,800円も値上りした。先週、安倍首相のイエスマンである黒田氏が日銀総裁に就任したが、今回の上昇過程で株式は週間で最大の値下がりとなった。日本の実体を直視しない成長信奉者のこのコンビは日本を危険な経済状態に陥れようとしている。金融緩和、脱デフレを念仏のように唱えることで信者は増加し、内閣支持率は上昇している。

2013-03-17
曽我 純

安倍首相と日銀のお伽噺

NYダウは週末、値下がりしたが、14日まで10営業日連続高となり、過去最高値を8日連続で更新した。2月の非農業部門雇用者が前月比23.6万人増加したことが株式の高値買いを支えている。が、1月分の非農業部門雇用者の下方修正は気にかけない。

2013-03-09
曽我 純

「円安株高」から「円安株安」へ

米国の雇用が順調に改善していることから、週末の為替相場はドル全面高となった。円ドル相場は96円台に上昇し、対ユーロでは3ヵ月ぶりの高値である。円ドル相場は昨年9月以降約18円も円安ドル高に振れ、2009年8月以来3年7ヵ月ぶりの円安だ。日米が金融緩和を唱え続けていることに、日米経済の回復テンポの差が加わったからである。

2013-03-03
曽我 純

株式・債券バブル膨らむ

日米共に株式・債券バブルが膨らんでいる。株式・債券バブルを先導しているのは言うまでもなく中央銀行である。さらに政権も加担している。NYダウは過去最高値に接近し、日経平均株価は08年9月以来の高値を付けた。日本国債の利回りは2003年6月以来の低い水準である。世界の金融史をふりかえってみても、今の日本の利回りほど低い利回りの時代はない。

2013-02-24
曽我 純

3兆ドルを突破したFRBの資産

日米首脳会談の成果を安部首相は誇っているが、米国の報道機関の関心は極めて薄いものであった。安倍首相は「緊密な日米同盟が完全に復活をした」と力説したが、米国からすれば、日米関係はいままでと何も変わっていないと判断しているのだ。ことさら、成果を強調し、国内の支持を高めるパフォーマンスにすぎない。

2013-02-17
曽我 純

昨年10-12月期のGDP、公的支出拡大するが3期連続のマイナス

16日、G20が閉幕した。日本への名指しの非難はなかったものの、共同声明で「通貨の競争的な切り下げを回避する」、「競争力のために為替レートを目的とはせず」と表現され、いままでのように日本は過激な金融・為替に関する発言をすることはできなくなった。バーナンキFRB議長やラガドルIMF専務理事が日本を擁護したのは、米国も欧州も金融緩和では呉越同舟であり、薮蛇になるからだ。

2013-02-10
曽我 純

金融緩和の呪いはいつまで持つか

日経平均株価の連続高は12週で途絶えたが、TOPIXは先週も上昇し、13週連続高である。商いは異常に膨れ、7日の売買高は50億株(東証1部)を超えた。昨年の1日平均は20.9億株であるから倍以上に膨れていると言うことだ。過去最高の売買高は2007年の22.2億株であり、株式バブル期の1988年(10.2億株)の約2倍の規模に膨らんでいた。

2013-02-03
曽我 純

公共事業、金だけで進捗するか

政府は1月29日、2013年度の一般会計予算案を決めた。総額92.6兆円、前年度予算比2.5%増である。主要経費別では公共事業費5.28兆円が15.6%と最も伸び率が高い。今年度補正予算でも5兆円弱の公共事業が計上されており、その大半は4-6月期に支出されるだろう。安倍首相は4-6月期のGDPをなんとしてでも好転させ、消費税率の引き上げを宣言したいのだ。

2013-02-03
曽我 純

弄ばれる中央銀行

円安・株高が止まらない。NYダウは1万4,000ドル台を回復し、過去最高値に接近した。日銀とFRBがゼロ金利を際限なく続け、国債を無制限に買い進めることによるバブル相場である。日本はバブルが弾けてから24年目だが、1995年以降、政策金利はほぼゼロ近辺かゼロで推移してきた。2000年以降は国債を積極的に買い入れてきた。

2013-01-27
曽我 純

まやかしの政府・日銀の『共同声明』

11週連続の円安・株高だ。これほどの連続株高は1971年以来約42年ぶりである。1971年といえば米ニクソン大統領がドルと金の交換停止を発表(8月)し、為替が変動相場制に移行した年である。その年の株高はニクソンショックで中断したものの、ただちに回復し、年間で日経平均株価は36.5%も上昇した。第1次オイルショックで景気後退に陥る前の高成長経済を背景にした株高であった。