2018-11-12
曽我 純

ドルが強い。対円では1年ぶり、対ユーロでは1年5ヵ月ぶりの高値である。米国の経済成長率が日本や欧州よりも高く、先行き、FRBは政策金利をさらに引き上げようとしているからだ。一層傲慢になったトランプ大統領が今後2年間も采配を振る。人種や宗教といった根本問題を持ち出し、民主主義を破壊する動きを強めているが、ドルは強い。ただ、経済が強いか弱いかだけがドルの価値を決定しているのである。

2018-11-05
曽我 純

7-9月期の米実質GDPは前年比3.0%増加したが、ユーロ圏GDPは1.7%に低下した。米EUの経済成長率格差の拡大から対ドルでユーロは売られ、昨年6月以来のドル高ユーロ安だ。昨年第4四半期の実質GDPの前年比伸び率はユーロ圏が米国を上回っていたが、今年第1四半期に逆転、第2四半期は0.7ポイント、第3四半期は1.3ポイント、米国がユーロ圏を上回った。

2018-10-22
曽我 純

円ドル相場は今月3日、114円台半ばまでの円安に振れていたが、米株の動揺などによって、112円台まで戻している。円高ドル安に伴い日本株も3週連続安だ。米国経済に金利上昇の影響が少しずつ現れている。9月の米小売売上高は2ヵ月連続の前月比0.1%と弱く、前年比では3.1%へと前月から大幅に鈍化した。しかも3.1%のうち0.9%は値上がりしているガソリンが寄与している。

2018-10-15
曽我 純

遅ればせながら株式関係者も実体経済に目を向けてきたようだ。トランプ大統領によって世界の政治・経済は掻き回されてきており、その影響が徐々に世界経済に現われてきている。IMFは9日、今年と来年の世界経済の成長率を3.7%と今年4月の予測からいずれも0.2ポイント下方修正した。ごたごたしている貿易問題や新興国の為替問題などが世界経済に悪影響していることは間違いない。

2018-10-08
曽我 純

10月3日、パウエルFRB議長が米国経済は「際立って好調」と述べたことから、米10年債利回りは前日比12ベイシスポイント(bp)も上昇した。週末には3.22%と一段上昇、週末値では2011年4月以来7年半ぶりの高い水準だ。米債券関係者もやっと米国経済の実態に目を向けるようになった。

2018-10-01
曽我 純

9月26日、FRBはFFレートを0.25%引き上げ、年2.0%~2.25%とした。今年に入り、これで3回、2015年の利上げからは8回目となる。いずれも上げ幅は0.25%と小刻みで、8回も利上げしているが、合計2.0%でしかない。過去の利上げ局面に比べれば、極めて緩やかであり、慎重な姿勢が窺える。

2018-09-24
曽我 純

米株式は過去最高値を更新した。米株高に日本株も連れ高し、日経平均株価は2週間で1,500円強値上がりした。米10年債利回りは3.0%を超えているが、NYダウは過去2週間で3.2%上昇し、株高債券安となっている。10年前のリーマン・ブラザーズの破綻など歯牙にもかけないといったところか。株式関係者は過去を顧みるようなことはしない。

2018-09-17
曽我 純

リーマン・ブラザーズが破綻してから9月15日で10年だ。米不動産バブル崩壊の経済への影響は大きく、2008年、2009年と2年連続、米実質GDPはマイナスとなった(2年連続は第1次石油危機以来)。2009年は名目も60年ぶりのマイナス。だが、2010年以降、2017年まで8年連続のプラス成長となり、米景気拡大は長期化している。

2018-09-09
曽我 純

休刊していた過去1ヵ月半、円ドル相場は平穏な動きだった。穏やかな円ドル相場を反映して日本株も大きな変化はなかった。一方、貿易戦争という不安要因を抱えながらも、米株は過去最高値を更新した。市場参加者は、「トランプ大統領は貿易戦争に勝つ」に賭けているのだろうか。

2018-07-15
曽我 純

7月12日、トランプ政権は2千億ドルの対中追加関税を課すと発表し、貿易戦争はエスカレートの様相を呈しているが、ドルは上昇、米株式も反発している。対中関税を高くすることにより、米国経済は活力を増すことになるのだろうか。巨額の対中赤字がトランプ大統領の癇に障り、貿易戦争を厭わない政策へと邁進している。保護貿易はナショナリズムの発露であり、そうした思想が蔓延することは危険だ。