2019-10-28
曽我 純

円ドル相場は凪と言える状態だ。米株は過去最高値近くで推移し、それに連れて、日本株なども底堅い。円安ドル高ではないが株高である。米株がいつまで高値を維持できるかに、為替相場は掛かっている。米株が強ければ円高ドル安には進みにくい。一方、米株が軟調になれば、円高ドル安が進行するだろう。商品相場も米株との相関性があらわれている。

2019-10-14
曽我 純

米中通商交渉が、株式参加者にとっては当面の関心事となっている。交渉が良い方向に進めば株価は上がり、そうでなければ株価は下がる。通商交渉がうまくいけば、経済の最大の阻害要因が取り除かれることで、企業収益にも期待が持てるからだ。だが、米中貿易問題はトランプ大統領の胸先三寸で決まることから、行方はまったく読めない。まさに賭けなのである。

2019-09-30
曽我 純

福島第1原発の過酷事故で放射能を放出し、福島を非居住地域にしても、経営者は「無罪」となるなんとも納得しがたい判決が出たかと思うと、今度は、福島第1原発後から7年間、関電経営者は原発立地の高浜町元助役から3.2億円の金品を受け取っていたことが明らかになった。電力会社はどこまで社会的な通念が欠落しているのか、また、一般の常識から掛け離れた組織であり経営者なのかを改めて思い知らされた。

2019-09-23
曽我 純

FRBは予想通り0.25%の小幅な利下げをし、それに対してトランプ大統領はパウエル議長とFRBを非難した。7月に続いて連続の引き下げだが、実体経済にいかほどの効果を及ぼすのだろうか。NYダウは週間では値を下げた。為替への影響もほとんどなく、静かな利下げであった。今後の金融政策については、経済の動向次第であり、実質GDPが2.0%程度で成長するようであれば、利下げはしない方針。

2019-09-09
曽我 純

7月の『景気動向指数』によれば、先行指数は93.6(2015=100)と前月比横ばい、一致指数は0.3%増の99.8であった。先行指数は2017年11月、一致指数は2017年12月をピークに低下しており、ピークからの下げ率は先行指数では9.0%に達しており、水準としては2011年4月以来、8年3ヵ月ぶりの低さである。消費税率の引き上げが迫っているにもかかわらず、先行指数は一向に上向かない。

2019-09-02
曽我 純

7月末、FRBは政策金利を0.25%下げ年2.00%~2.25%としたが、8月に入り、米国債(10年債)利回りは低下ピッチを速め、8月末は1.50%と1ヵ月で50ベイシスポイントも低下した。米債の利回り低下に連れて、世界的に国債利回りは低下している。かつては2桁であったギリシャも米国並みとなり、イタリアやスペインは0.99%、0.10%と米国を下回っている。

2019-07-22
曽我 純

米株が頭打ちになり、円高ドル安となれば、日本株は売られる。7月第2週の外人は85億円(東証1部)の売り越しだった。米株は過去最高値を更新したが、日本株に対して外人は慎重である。利下げ期待が米株の推進力なだけに、織り込んでしまえば、出尽くし感が漂うだけなのかも。

2019-07-15
曽我 純

前週に続き、米株式は過去最高値を更新した(S&P500は昨年末から20.5%上昇したが、TOPIXは5.5%にとどまる)。トランプ大統領の執拗なFRBとパウエルFRB議長への攻撃が利下げを確実なものにしたからだ。後の関心は、利下げ幅が0.25%か0.5%のどちらになるかくらい。

2019-07-08
曽我 純

米株式は過去最高値を更新した。6月の米雇用統計によれば、非農業部門雇用者は前月比22.4万人増と5月の7.2万人増から回復し、大幅な利下げ観測は後退した。だが、米景気関連の指標は、先行きの不透明感を示している。6月の製造業ISMは51.7と3ヵ月連続で低下し、今年1月から8.7%もの低下だ。

2019-07-01
曽我 純

米株式・債券は次回FOMCでの利下げを織り込んでしまっているため、凪の状態にある。0.5%引き下げられれば相場は反応するだろうが、そこまでの思い切りはFRBにはない。先週、トランプ大統領はFRBを「何をしているのか分かっていない」、パウエルFRB議長を「良い仕事をしていない」と激しく攻撃した。7月の利下げが小幅であれば、トランプ大統領のフラストレーションは高まるだろう。