新型コロナウイルスは予想以上に経済に悪影響を及ぼしている。世界の工場である中国の生産の停滞は自動車を始めとする部品供給の流れを止め、世界的に生産を麻痺させつつある。日本を取り上げてみても、工場の一部は生産をストップせざるを得なくなり、観光客も大幅に減少、国内でも移動を控えるといった事態が起こっている。
2020-02-24
2020-02-17
S&P500とナスダック総合は週末、過去最高値を更新し、実効ドル相場は約2ヵ月ぶりの高値を付けた。先週は少し戻したが、ドル高によりドル表示の商品相場は直近高値から大幅に下落している。ドル高が持続すれば、商品市況は軟調に推移するだろう。円の対ドル相場は小動きで、円安というほどではないが、ユーロは弱く、週末値では2017年4月第3週以来、約2年10ヵ月ぶりの安値である。
2020-02-10
米雇用統計によれば、1月の非農業部門雇用者は前月比22.5万人増加しており、米国経済は引き続き拡大を続けていることが裏付けられた。2009年6月の景気の谷から拡大は10年7ヵ月目に入っており、2001年3月を山とする120ヵ月の景気拡大期を超え、最長を更新中である。戦後最長の景気拡大過程、しかも最終局面に近いにもかかわらず、物価は極めて安定しており、過熱感はない。
2020-02-03
米株が売られれば、円は強くなり、商品市況は悪化する。WTIは1ヵ月で15.6%、銅は9.8%それぞれ下落した。金は4.3%値上がりしたが、CRB指数は前月比8.3%低下した。新型コロナウイルスの深刻化も影響しているが、世界経済の成長鈍化にもかかわらず、株式や商品が買われ過ぎていた矛盾が解消に向かっていると理解すべきだ。
2020-01-27
前週比、NYダウは7週間ぶりに下落した。新型コロナウイルスの拡散によるなどと言われているが、要は上がりすぎなのだ。株式参加者は上昇の波に付いていっているだけで、売買の確たる根拠などはない。だから、少しの不安材料に反応してしまう。主要国中央銀行による超金融緩和策による株高演出も限界にきているようだ。
2020-01-20
米中貿易協議の合意を好感し、米株式は過去最高値を更新、それに連れて、主要国の株式も堅調に推移した。米株との相関性が高い日本株も昨年は前年比18.2%上昇した。2018年はマイナス12.1%であったが、2012年から2017年までは6年連続の続伸であった。
2020-01-13
今年は一触即発の事態で幕が開けた。戦争には至っていないけれども、これからもいざこざは続き、大規模な紛争が起こるかもしれない。原因はトランプ大統領のイランのソレイマニ司令官の殺害であり、イラクという米国外での暗殺である。危険な人物は殺害するという最大の暴力行為をトランプ大統領は是認しているのだ。ロシアがイギリスで暗殺行為をしているのと同じことである。
2019-12-23
18日、米下院本会議はトランプ大統領の弾劾訴追決議案を可決した。同日、トランプ大統領はミシガン州で2時間ものとりとめのない演説でがなりたて、50回もツイートしたというではないか。SNS依存症といえるが、全体的に正常な域からはみでていると言わざるを得ない。上院は共和党が押さえているため罷免されることはないが、トランプ大統領は精神的に打撃を受けているようだ。
2019-12-16
日経平均株価は2万4,000円を超えた。2018年9月以来約1年2ヵ月ぶりである。トランプ大統領の対中通商交渉合意という演出による株高である。これで日経平均株価も昨年末から20.0%上昇し、NYダウ(20.6%)と同じ上げ幅となった。S&P500やナスダック総合は26.4、%31.6%それぞれ上昇しており、NYダウを上回っている。
2019-12-09
『法人企業統計』によれば、今年7-9月期の大企業の業績は減収減益だった。売上高と営業利益は2四半期連続の前年割れだ。なかでも製造業の営業利益は23.5%減とマイナス幅が大きく、これで5四半期連続の減益である。昨年秋以降、輸出が減少し、内需も振るわないことが製造業を苦しめている。もともと国内需要は低調であり、外需への依存度が高いだけに、外需が弱くなるととたんに経営は厳しくなる。