2021-06-28
曽我 純

307兆ドルに膨らんだ米金融経済

米国では新型コロナによる死者が60万人を超えているが、経済回復力はどの国よりも強い。大規模な財政政策に加え、ゼロ金利が功を奏しているのだろう。急速な景気回復に伴い物価の上昇が危惧されているが、FRBは一時的な現象だとみている。6月17日発表のFOMC経済予測によれば、2021年のPCE inflationは3月予測の2.2%~2.3%から3.1%~3.5%へと引き上げられた。

2021-06-21
曽我 純

政府の「骨太方針」で日本はますます細る

世論調査によれば、五輪に反対・延期の意見を表明しているが、世論など見向きもせず、政府は五輪を開催するという。しかも観客を入れてだ。専門家が、無観客が望ましいと提言しても政府は耳を貸さない。専門家も東京都の再拡大を危惧しているが、国内だけではなく、海外の動向も考慮して提言すべきだ。海外でも感染者数と死亡が拡大している国があり、世界の死亡数は増加に転じている。

2021-06-07
曽我 純

出生、死亡と新型コロナ

6月4日、厚生労働省が『2020年人口動態統計月報年計の概要』を発表した。昨年の出生数は84万832人、前年比2万4,407減と5年連続のマイナスとなり、明治32年以降では最低を更新した。50年前の1970年の出生数は193万人、100年前の1920年は202万人であった。一方、新型コロナ禍でありながら、死亡数は137万2,648人と前年よりも8,445人減少した。

2021-05-31
曽我 純

物価とマネタリーベース

4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年比3.6%と前月の2.4%から1.4ポイントも上昇した。食品・エネルギーを除くコアも3.1%、前月よりも1.2ポイントも高くなり、1992年7月以来約29年ぶりの高い伸びだ。しかし、公表当日の米債利回りはやや低下し、株式や金は上昇した。

2021-05-24
曽我 純

どうすれば家計消費を喚起できるのか

米国では新型コロナの死亡が60万人に近づいているが、今年1-3月期の実質GDPは前期比1.6%と3四半期連続のプラス、前年比でも0.4%と昨年1-3月期以来4四半期ぶりのプラス成長となった。片や、新型コロナの死亡が1.2万人の日本の実質GDPは前期比1.3%減と昨年4-6月期以来3四半期ぶりのマイナスだ。

2021-05-17
曽我 純

新型コロナとワクチン報道への疑問

あらゆる情報媒体が新型コロナ関連のニュースを、大本営のように発表している。感染状況とワクチンに関する報道の垂れ流しである。右から左へ伝えるだけで、主義主張はほとんどない。感染者や死亡の情報がそれほど重要であるならば、物事には必ず表と裏があるのだからワクチンについても両面からの報道が求められるはずだ。

2021-05-10
曽我 純

愚行を繰り返す新型コロナ対策と消費・GDP比53.5%

緊急事態宣言を出す前に、政府はどれだけ真剣に現状を分析しているのだろうか。4都府県に限定し、期間は17日間という短期間では、大半の人が感染者数を減少させることは無理だと結論付けるだろう。7日、菅首相は宣言の延長を表明したが、期間は5月末までの20日間、新たに愛知県と福岡県が加わり、6都府県に広げた。

2021-05-03
曽我 純

米国経済の回復持続には賃金の伸びが不可欠

3月28日のFOMC声明によれば、FRBはFFレートのゼロ水準を維持し、月1,400億ドルの債券購入を続けるという。最大の理由は雇用の最大化が達成されていないからだ。非農業部門雇用は拡大しているとはいえ、新型コロナ以前の水準を大幅に下回っている。雇用をより完全雇用の水準に回復させるまでゼロ金利政策は続行されるだろう。

2021-04-26
曽我 純

国民の命よりもオリンピックが大事な菅首相

政府は23日、3度目の緊急事態宣言を4都府県に出した。期間は今月25日から来月の11日までのたったの17日間である。過去2回の緊急事態の期間に比べれば相当短い。報道によれば、5月17日ごろにIOCのトーマス・バッハ会長の来日が予定されているからだと言われている。

2021-04-12
曽我 純

新型コロナや雇用統計からは分からない日米経済の違い

3月の米失業率は前月比0.2ポイント減の6.0%と昨年4月の14.8%をピークに低下しつつある。だが、新型コロナ以前の水準に比べると2.5ポイントも高い。労働参加率は低く、非労働力人口は前年よりも340万人多い。失業率は白人の5.4%に対して、黒人やヒスパニックは9.6%、7.9%と高く、学歴別でも大卒は3.7%だが、高卒などでは3ポイント以上も高い。