変貌した資本主義経済に相応しい金融政策を望む
3月25日のSTOXX600は1カ月前と同じ水準まで戻している。株式はロシアのウクライナ侵攻を深刻に捉えていないようだ。これだけロシアに制裁を課しているけれども、ロシアから原油やガスは供給されており、欧州の市民生活に支障がでているわけではない。3月のユーロPMIも前月から1ポイント低下しただけであり、ユーロ圏経済は底堅く推移しているようだ。
実体経済を直視しないFRBの0.25%利上げ
ロシアのウクライナへの侵略は続いている。バイデン大統領はウクライナへの軍事支援を継続するだけで、戦争を終結させる方法を模索してはいない。むしろ、プーチンを「人殺しの独裁者」(3月17日)と非難し、戦争を煽っているようだ。世界のリーダーであるならば、侵攻を止める調停者としてロシアに積極的に関わっていくべきだ。武器を供給するだけでは、戦争が長引くだけで、終戦は遠のく。
80兆ドルの米株式と日本の人口減
ロシアのウクライナへの軍事侵攻後も株式はそれなりに値を保っている。3月11日の株価を2月23日と比較するとユーロSTOXX600が-5.9%と最も下落率が大きく、以下、TOPIX-4.3%、S&P500-0.5%となっており、米国はほぼ横ばいだ。ウクライナへのロシア侵略の影響の度合いを反映している。
大量の避難民でEUを攻めるプーチン
もともと上昇傾向にあった商品相場はロシアのウクライナへの軍事侵攻によって、相場は急騰している。ロシアが原油とガスの有力な輸出国であることから、先週末のWTIは23日比25.6%も値上がりし、バレル115ドルを超え、CRBも11.8%の上昇だ。ロシアの侵略が続く限り、原油を中心とした商品相場は高騰を続けるに違いない。
独裁に打勝つには民主主義の彫琢しかない
大量の核兵器を保有している独裁者であれば、意のままに行動することができる。このことがプーチン大統領のウクライナ侵攻で証明された。国連は戦争を阻止することはできないし、ましてやロシアへの制裁などでプーチン大統領が動じるはずがない。偏執狂のプーチン大統領にとっては、そのようなことは織り込み済みなのだ。
一事が万事のらりくらりの政府と企業
米国の物価は約40年ぶりの高い伸びとなり、インフレが心配されているが、日本の物価は落ち着いている。1月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.5%、前月比0.3ポイント低下した。生鮮食品を除くは0.2%、さらに生鮮食品とエネルギーを除くコアも-1.1%へといずれも前月から低下している。特に、コア指数は昨年4月から10カ月連続のマイナスとなり、マイナス幅は2011年3月以来約11年ぶりである。
続米国の物価高を探る
原油価格WTIは昨年12月第3週以降8週連続で上昇し、2014年9月第4週以来7年5カ月ぶりの高値だ。当面、原油価格はウクライナ情勢次第だといえるだろう。この原油高によって、米消費者物価指数(CPI)は今年1月、前年比7.5%と5カ月連続で上昇し、1982年2月以来約40年ぶりの高い伸びとなった。食品とエネルギーを除くコアも6.0%と1982年8月以来である。
原油高を招きロシアを強気にさせたFRB
原油価格WTIはバレル90ドルを突破した。2020年末比では90.3%、CRBも55.7%の急騰だ。ウクライナ情勢の先行きが不透明なことがエネルギー価格を押し上げている。ロシアが米国やEUとの対決姿勢の矛先を緩めない中、対話にも応じている。こうしたはっきりしない状況を作り出すことがWTIの続伸を支えているのだ。
FRBは投機家の守護神か
FRBは、昨年第4四半期の実質GDPが前年比5.5%の高い成長を示し、GDP物価指数が前年比5.8%も上昇しているにもかかわらず、25~26日開催のFOMCによれば、政策金利を据え置き、利上げは3月に実施するそうだ。
米国の物価高を探る
NYダウは6営業日連続安となり、ピーク比6.9%安、S&P500は4営業日連続だが、ピークからは8.3%安で、昨年10月13日以来の安値である。さらに値下がりしているのはナスダックで、ピーク比14.3%安、昨年6月3日以来約7カ月ぶりの低い水準である。米株安によって、日本株も売られ、TOPIXは昨年8月23日以来の安値だ。