7月12日、東京は4度目の非常事態宣言下に入る。非常事態宣言を出したり引っ込めたりを繰り返す。頻繁に非常事態宣言を出せば、非常事態宣言ではなくなる。言葉だけで、実際にはなにの効果ももたらさない。舌の根の乾かぬうちに平気で非常事態宣言を発するような、その場限りの取り繕いといった政治姿勢が菅首相の特徴と言える。しかも、言葉の伝える機能など無視してしまった。
2021-07-12
2021-07-05
円ドル相場は1年4カ月ぶりに1ドル=111円台を付けた。米国経済が日本経済よりも強く、FRBの金融政策も予想よりも早く引き上げられるだろうとの見方が共有されつつあるからだ。利上げ観測が強まっているにもかかわらず、米株式は過去最高値を更新、とどまるところを知らない。株式関係者は、利上げは行われるものの、時期については、FOMCの予測のように2023年と楽観視しているのだろう。
2021-06-28
米国では新型コロナによる死者が60万人を超えているが、経済回復力はどの国よりも強い。大規模な財政政策に加え、ゼロ金利が功を奏しているのだろう。急速な景気回復に伴い物価の上昇が危惧されているが、FRBは一時的な現象だとみている。6月17日発表のFOMC経済予測によれば、2021年のPCE inflationは3月予測の2.2%~2.3%から3.1%~3.5%へと引き上げられた。
2021-06-21
世論調査によれば、五輪に反対・延期の意見を表明しているが、世論など見向きもせず、政府は五輪を開催するという。しかも観客を入れてだ。専門家が、無観客が望ましいと提言しても政府は耳を貸さない。専門家も東京都の再拡大を危惧しているが、国内だけではなく、海外の動向も考慮して提言すべきだ。海外でも感染者数と死亡が拡大している国があり、世界の死亡数は増加に転じている。
2021-06-07
6月4日、厚生労働省が『2020年人口動態統計月報年計の概要』を発表した。昨年の出生数は84万832人、前年比2万4,407減と5年連続のマイナスとなり、明治32年以降では最低を更新した。50年前の1970年の出生数は193万人、100年前の1920年は202万人であった。一方、新型コロナ禍でありながら、死亡数は137万2,648人と前年よりも8,445人減少した。
2021-05-31
4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年比3.6%と前月の2.4%から1.4ポイントも上昇した。食品・エネルギーを除くコアも3.1%、前月よりも1.2ポイントも高くなり、1992年7月以来約29年ぶりの高い伸びだ。しかし、公表当日の米債利回りはやや低下し、株式や金は上昇した。
2021-05-24
米国では新型コロナの死亡が60万人に近づいているが、今年1-3月期の実質GDPは前期比1.6%と3四半期連続のプラス、前年比でも0.4%と昨年1-3月期以来4四半期ぶりのプラス成長となった。片や、新型コロナの死亡が1.2万人の日本の実質GDPは前期比1.3%減と昨年4-6月期以来3四半期ぶりのマイナスだ。
2021-05-17
あらゆる情報媒体が新型コロナ関連のニュースを、大本営のように発表している。感染状況とワクチンに関する報道の垂れ流しである。右から左へ伝えるだけで、主義主張はほとんどない。感染者や死亡の情報がそれほど重要であるならば、物事には必ず表と裏があるのだからワクチンについても両面からの報道が求められるはずだ。
2021-05-10
緊急事態宣言を出す前に、政府はどれだけ真剣に現状を分析しているのだろうか。4都府県に限定し、期間は17日間という短期間では、大半の人が感染者数を減少させることは無理だと結論付けるだろう。7日、菅首相は宣言の延長を表明したが、期間は5月末までの20日間、新たに愛知県と福岡県が加わり、6都府県に広げた。
2021-05-03
3月28日のFOMC声明によれば、FRBはFFレートのゼロ水準を維持し、月1,400億ドルの債券購入を続けるという。最大の理由は雇用の最大化が達成されていないからだ。非農業部門雇用は拡大しているとはいえ、新型コロナ以前の水準を大幅に下回っている。雇用をより完全雇用の水準に回復させるまでゼロ金利政策は続行されるだろう。