2021-04-05
曽我 純

変容する資本主義経済とIT

3月11日、1.9兆ドルの新型コロナ追加経済対策法案が成立したばかりだが、先月末、バイデン米大統領は2兆ドルのインフラ計画を発表した。今月半ばにはその第2弾を打ち出すという。こうした大規模な財政出動によって、米国経済の足取りがより強くなるとみられ、ドルは買われ、対円では1カ月で約4円上昇した。

2021-03-29
曽我 純

(続2)悲しいかな、FRBも日銀も盲目なのだ

日銀は3月19日の金融政策決定会合後、『より効果的で持続的な金融緩和について』を公表した。コロナ関連への貸付に金利を0.2%、0.1%上乗せする、長期金利の変動幅を±0.1%から±0.25%にする、ETFの買い入れの上限は年12兆円に据え置き、TOPIX型に限定することにより、金融緩和を継続し、2%の「物価安定の目標」を実現したいそうだ。

2021-03-22
曽我 純

(続)悲しいかな、FRBも日銀も盲目なのだ

17日のFOMC声明によれば、「委員会は2%をやや上回る程度のインフレ率の達成を目指す」、「2%をやや超えるような軌道に乗るまで、この目標誘導レンジを維持することが適切だと予想する」という。新たに発表された経済予測によれば、今年のPCE物価指数(エネルギー・食品を除くコア、第4四半期の前年比)の伸びは2.0%~2.3%であり、今年1月の1.5%とは大きな開きがある。

2021-03-15
曽我 純

悲しいかな、FRBも日銀も盲目なのだ

2020年6月以来、10カ月ぶりに109円まで円安ドル高は進行した。過去1カ月ではドルユーロ相場もドル高ユーロ安だが、円ドルほどではない。米国経済の回復力が最も強く、次が欧州で日本の回復は一番遅いとの予想がドル高の背景。バイデン大統領は11日、1.9兆ドルの新型コロナ追加経済対策法案に署名し、成立した。直ちに、現金給付が約1億6,000万世帯に支給される。

2021-03-08
曽我 純

感染を再拡大させるオリンピック

円ドル相場は円安ドル高傾向を強めている。過去1カ月で3円もの円安ドル高だ。同様に、ユーロやスイスフランも対ドルで安くなっている。足元の米経済が日欧よりも良いだけでなく、新型コロナ経済対策が上院を通過し、今月中には1,400ドルの給付金が支給される見通しとなり、先行きの景気にも自信が持てるからだろう。2月の米非農業部門雇用者は前月比37.9万人増と予想を上回り、米国経済の回復を裏付けている。

2021-03-01
曽我 純

硬直的金融政策の弊害

米国の国債利回りが上昇している。1カ月で利回りは37ベイシスポイント(bp)上昇し、2020年2月以来約1年ぶりの高い水準である。米長短金利差は1.25%と1ヵ月前よりも39bp開き、イールドカーブの傾きはきつくなった。日本やドイツと米国の国債利回り格差は拡大し、ドルは強含んでいる。米国債利回りの上昇は主要国に波及しており、債券は軒並み値下がりしている状況にある。

2021-02-22
曽我 純

金融政策は株高を維持できるか

新型コロナの感染者や死亡が依然多いにもかかわらず、米国経済は日本や欧州に比べて強い。1月の米小売売上高は前月比5.3%、前年比でも5.8%伸びた。1月の住宅着工件数は前月比-6.0%と減少したが、許可件数は前月比10.4%、前年比22.5%も急増しており、住宅はブームといえる。過熱感は中古住宅販売にはっきりと表れている。

2021-02-15
曽我 純

行き詰まった日本の男中心社会

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言に端を発して、沸き起こった男性中心社会や男女不平等の問題は、日本社会に深く根を下ろし、日本経済の停滞要因のひとつに挙げることができるだろう。女性を補助労働と位置付けて、軽視し、職場での教育などもおざなりしてきた付けが回ってきているのだ。対等に処遇するというごく当たり前のことが、今もって、一部にとどまっているのである。

2021-02-08
曽我 純

昨年の勤労者世帯の貯蓄率38.7%に急上昇

新型コロナ経済対策やワクチンへの期待から米国債利回りは上昇しつつある。ただ、短期金利は過去最低水準にあり、長短金利差は拡大している。実際、資金需要は弱く、期待だけで利回りは上昇しているようだ。米債利回りの上昇につれて、主要国の国債利回りも上昇している。実体経済の違いが為替相場に表れており、対円、対ユーロでドルは強い。

2021-02-01
曽我 純

米株の投機化と給付金の結末

米株式の賭博化が加速している。これもIT技術の為せる技といえるだろう。投資アプリの株式取引手数料は「ただ」なので投資アプリ取引業者の顧客は瞬く間に全米に拡大したようだ。FRBのゼロ金利政策により、預金の利息はほとんどなく、株式市場に個人が雪崩れ込んでいる。