イスラム組織ハマスのイスラエル襲撃によって、パレスチナは緊迫の度合いを強め、原油、金、米債が買われた。特に、商品相場はガザとイスラエルの紛争の行方に左右されることになるだろう。米債券高・利回り低下によって、株式への影響は限定的であった。だが、イスラエルがガザに侵攻、戦闘が拡大し、収拾がつかない事態になれば、その時は、原油価格は跳ね上がるだろう。
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週末、米10年債利回りは4.8%、前週末比23bp上昇したが、S&P500とナスダック総合は前週末を上回った。これほど債券利回りが急騰しているにもかかわらず、米株式は底堅い。S&P500の配当利回りは1.6%程度であり、債券利回りを320bpも下回っている。これだけの格差が出てくれば、株式は崩れてもおかしくない。
ドル独歩高だ。過去1カ月ではポンドやスイスフランの値下がり率が大きく、円はそれに次ぐ。9月末の米10年債利回りが4.57%、前月比47ベイシスポイント(bp)上昇したことが、ドル買いを促した。月末ベースでは、リーマンショック以前の2007年9月末以来、16年ぶりの高い利回りである。
FRBは21日、5.25%~5.50%に政策金利を据え置き、先行き引き上げを示唆した。一方、22日、日銀は短期金利マイナス、長期金利ゼロとする大規模金融緩和を維持すると表明した。だが、こうした金融政策が物価や雇用といった実体経済を良好な方向に誘導することができるだろうか。すでに、何度もこの問題について言及したけれども、夏季休暇後、再度取り上げることにする。
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週刊マーケットレター編集部
前週比、米10年債利回りは23ベイシスポイント(bp)上昇したが、対ドルで円は1.6%上昇した。イギリスやドイツの10年債利回りは米国以上に上昇したため、ポンドとユーロも強含んだが、円ほどではない。今月、FOMCが開催されるが、利上げ観測が強まっており、そうした観点からも円安ドル高に向かってもよいはずだ。債券安が株安を誘引し、さらにドルに波及、米相場はトリプル安となった。
FRBが目標に掲げている個人消費支出(PCE)物価指数は5月、前年比3.8%と前月よりも0.5%p低下し、FOMC予測範囲(3.0%~3.5%)に近づいてきた。エネルギー・食料を除くコア指数は前月比0.1%pの低下にとどまり、4.6%と予測(3.7%~4.2%)を0.4%p上回る。だが、この予測達成時期は今年第4四半期であり、それまでには予測範囲に収まるだろう。
6月のFOMCでは政策金利は5.00%~5.25%に据え置かれたけれども、年末までには5.4%~5.6%に引き上げると言う。21日の議会証言でもパウエル議長は利上げすることが「かなり正確な推測」だと発言した。だが、5月の米CPIは前年比4.0%、生産者物価指数PPIは1.1%まで低下してきており、持家の帰属家賃を除けば、CPIは2.0%となり、もはや物価は問題ではなくなったと言える。