自民党などは物価対策を最優先課題に掲げているが、昨年12月のCPI(消費者物価指数)は前年比2.1%と前月よりも0.8%pも低下し、2024年1月以来約2年ぶりの低い伸びとなった。しかも、上昇した要因をみると食料だけで1.49%p引き上げており、これを除けば0.61%になる。
昨年11月のプライム加重平均利回りは2.05%(日本取引所グループの『統計月報』)であった。同6月の2.42%から低下しており、現状の株式配当利回りはさらに低下していることは間違いない。一方、10年債利回りは上昇し続けており、先週末には2.185%へと1997年以来約29年ぶりの高い水準となった。債券利回りが株式配当利回りを完全に上回り、株式の優位性は消えてしまった。
政策金利を米国は下げ、日本は上げた。だが、僅かの0.25%pだ。これっぽっちの金利操作で、なにがかわるのだろうか。中央銀行は0.25%pについて、長い議論を交わす。よほど中央銀行の人たちは暇なのだろう。暇つぶしのために、ああでもないこうでもないとさも重要な事案であるかのように振舞っているのだ。まさに時間と金の無駄使いである。
前回、日本の一人当たり名目GDP(ドル建て)は先進国のなかでは最低であることを指摘した。ピークは2012年であり、2024年はそれを33.9%も下回っているのだ。これだけデジタル技術が急成長しても、日本経済の生産性は低下するという異例の事態となっている。生産性の低下は65歳以上の高齢者の増加と生産年齢人口の減少が関係していると思う。
日本の10年債利回りは急騰しており、前週末には1.95%と2006年5月以来約19年ぶりの高水準だ。債券利回りが2%に接近していながらも日経平均株価は5万円を超えたままだ。株式配当利回りとの格差も縮小してきており、株式の優位性は薄らいでいる。債券利回りの上昇は住宅ローン金利を引き上げる。30年超の長期では4%程度になり、昨年末から100bp超も上がり、不動産市況は逆風に晒されている。
前週末の日経平均株価は昨年末から26.0%上昇しており、3年連続高は確実である。世界の主要株式のなかでも最高の値上がりだ。日本株の上昇よりもさらに値上がりしているのは金と銀で61.1%、95.5%の高騰である。ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアに経済制裁を課し、世界第2位の金産出国で世界シェア8.5%のロシアの金が市場から排除されてしまった。
なぜ日本のマスコミは取るに足らぬ問題を繰り返し報道するのだろうか。熊が出てきて大変だというが、今年4月から10月末までに熊に襲われて亡くなったのは13人。昨年の交通事故死者数2,663人や殺人事件数880件に比べれば桁違いに少ない。あるいは新型コロナ感染症では今年1月から6月までに14,037人が命を落としている。
日本株は急騰している。財務省の『対内証券売買契約等の状況』によれば、今年10月の外人の株式・投資ファンド買越額は6.24兆円と2005年以降の統計(月間)以降では最大となった。9月28日~10月4日の買越額は2.47兆円、高市自民党総裁が誕生する前から外人は積極的に日本株を買っていた。10月第5週まで5週連続で買い越し、台湾有事問題がでた11月第1週は3,473億円売り越した。
高市首相の所信表明演説によれば、「何をするにしても、『強い経済』をつくることが必要」なのだ。『強い経済』をつくるためには、戦略的財政出動を行ない、所得を増やし、消費マインドを改善し、企業業績の拡大を図り、税収を増加させなければならない。だが、どのような財政出動をするのかは明らかではない。