ベネズエラのマドゥロ大統領を拉致し、石油利権を強奪する強盗行為に主要国が容認したことが、トランプをますます増長させた。ヒトラーが独裁者になったのも欧州の主要国がヒトラーのチェコソロバキアへの侵攻を見逃したことも原因のひとつだ。国際社会がそうした蛮行に明確な主張しなかった付けが、より大きな問題を引き起こし、最後には取り返しのつかない大戦へと繋がった。
日本もつまるところ、米軍の駒となり、戦闘の最前線に送り込まれることになるのだろう。米国の犠牲は最小に同盟国の犠牲は最大になる。高市首相の安保3文書改定や憲法改正などが実現すれば、米軍の傘下にはいり、前線で自衛隊員に犠牲を強いることになる。
独裁者トランプになにも言わず、ただ追随しているだけでは、日本も米国と同じ国とみなされるだけである。米国連大使は国連も国際法を踏み躙り、米国が国連の代りを務めると言う。このような国と同盟関係を結んでいることは恥ずべきことであり、即解消すべきだ。米国追随は戦争に引きずり込まれるだけであり、百害あって一利なしである。
トランプはこうしたシオニストたちに囲まれており、トランプに有無を言わせず、かれらの言われるままに行動したのだろう。ユダヤの権力者や大富豪が金の力でトランプ政権を支配している。トランプはトランプで国民に奉仕するのではなく、私腹を肥やすことに大統領職を利用しているのだ。「トランプ氏の2期目の初年度に40億ドルがトランプ家の金庫に流入したが、これには暗号通貨事業からの8億6,700万ドルも含まれている」。「米国政府は、正当な権力を装った私利私欲のマネーロンダリング組織へと急速に変貌しつつある」(John&Nisha Whitehead、「Fool‘s Gold」、LewRockwell、2026年2月26日)。米国の政治は腐り崩壊している。
中間選挙が近づき、トランプは現実の経済問題から国民の目を逸らすためにも戦争に踏み切った。2月24日の一般教書演説でトランプは「今は米国の黄金時代だ。経済の活況はかつてないほどだ」とぶった。ところが、最近の米世論調査によれば、「経済は活況を呈している」に68%が同意していないのだ。
事実はどうなのだろうか。昨年第4四半期の米実質GDPは前年比2.2%と前期より0.1%p低下した。個人消費支出が前年比2.2%、前期比0.4%p低下し、2023年第2四半期以来2年半ぶりの低い伸びとなったからだ。個人消費支出がGDPの69.2%を占めているため、米国経済は個人消費支出次第なのである。特に、自動車などの耐久消費財が不振であり、前年比0.1%減少したことがGDPに大きく影響した。耐久消費財が前年割れになるのは2022年第4四半期以来3年ぶりであり、耐久消費財の伸び率鈍化はトランプ政権以降4四半期連続である。それだけトランプ政権の経済政策は、経済を活性化するとは期待されていず、むしろ先行きをより不安に捉えているのだ。
関税を弄び、世界経済をトランプが攪乱させているが、米国にとって関税が国民の暮しに貢献しているのだろうか。個人消費支出が低迷しているように、関税はむしろ個人消費支出を抑制している。関税を引き上げることによって国は収入が増えるけれども、家計は関税により、モノの値上がりを負担することになり、支出にはマイナスに働く。関税収入の増加に見合った所得税などの減税措置が行われたのだろうか。そうであれば個人消費支出が悪くなることはないのだが。
BEAによれば、2025年の米政府の関税収入は2,651億ドル、2024年(836億ドル)の3.2倍に急増した。だが、個人税は減少したのではなく8.1%増加した。そして政府の歳入総額は6.5%増加したが、2024年の伸びとほぼ同じであり、関税の影響は現われていない。歳出は6.1%と歳入の伸びを少し下回ったが、歳出が2.35兆ドル歳入を上回り2024年の-2.36兆ドル並みの歳入不足となった。関税が増加したとはいえ、歳出(10.6兆ドル)の2.5%にすぎず、これで歳出と歳入を均衡させることはできない。歳出超過額2.35兆ドルは新型コロナで歳出が急増した2020年、2021年を除けば過去最大であり、10年前に比べれば2.8倍に拡大している。米国はこの不足の大半を国債(日本円で365兆円)で調達せざるを得ない。国債売りによって、利回りはなかなか下がりにくいことになる。
関税を貿易の視点からみておこう。関税を高くすれば輸入は減少し、貿易赤字は減少するはずだ。だが、2025年のモノの輸出は2.7%増加したが、輸入も2.5%と2024年の5.7%から低下したものの、バランスはマイナス1.12兆ドル、2024年よりも拡大し、過去最大を更新した。関税の引き上げでは輸入を抑えることは難しいのだ。
1999年から2025年の26年間にモノの輸入は3.18倍に増加したが、飲食物等4.91倍、資本財3.81倍、消費財3.3倍など必需品の輸入は平均の伸びよりも高い。こうした製商品の輸入に関税を掛けたとしても、米国で生産されていたとしても、とてもすべての需要を賄うことはできない。また生産されていない製商品もあり、そうしたモノは輸入せざるを得ない。米生産能力の長期的な低下が、輸入にますます頼る経済に変えてきたのである。
これは雇用からも明らかであり、1998年から2024年の26年間にフルタイム雇用者は1.23倍増加したが、製造業雇用者数は0.71倍と大幅に減少している。一方、資産運用2.21倍、不動産1.45倍、コンピューターシステムデザイン2.37倍、ヘルスケア等1.84倍などもの作りではない分野の雇用の増加が顕著である。こうした雇用の変化は給与によって決まって来る。給与の低い産業から給与の高い産業へ雇用が流れていくからだ。
同期間のフルタイム雇用者の平均賃金・俸給は2024年、85,361ドルだった。1998年から2.4倍に増加したが、製造業は2.25倍と平均を下回り、平均を上回っているのは金融、専門職、情報、不動産などであり、なかでも証券会社296,353ドル、情報処理サービス268,044ドルは平均の3倍以上の高給を得ている。これでは地味な低賃金の企業へ雇用が向かわないのは当然である。
昨年第4四半期の米実質GDPは2.2%と伸び悩んでいるが、今年1月の米消費者物価は前年比2.4%と日本1.5%やユーロ圏1.7%よりも高い。関税によって米輸入物価は押し上げられているはずだが、1月は前年比横ばいと落ち着いている。米CPIを押し上げているのはウエイトの大きい住居であり、これだけで1.1%p引き上げている。経済の動きは弱いのだが、住居費が高く、物価がなかなか下がらないことが、米消費者の購買意欲を弱くしているようだ。
ChatGPTが2022年11月30日にリリースされてから、AI産業が華々しく登場したけれども、BLSの雇用統計によれば、「コンピューターシステムデザインと関連産業」の雇用はChatGPTがリリースされた4カ月後の2023年3月がピークとなり、今年1月は238万人とピークから10.3万人減少した。同期間、非農業部門雇用者数は349.3万人増であり、AI産業は短期間に飽和状態に陥ったのかもしれない。
IT、AI産業のバブルが弾けることになれば、米国経済は一気に奈落の底へ落ちることになる。トランプの支離滅裂な政策により米国民と経済は痛めつけられている。関税で米国経済は活力を取り戻すのではなく、活力を削いでしまう。国家を私服を肥やすために利用した付けは必ず払わされる。殺人を犯すことをなんとも思わない狂人独裁者を、檻に閉じ込めることができるのは、米国民だけだ。独裁者を生んだのは米国民だから、引きずり下ろすこともできるはずである。