ワクチン禍でないと説明できない超過死亡の長期化

投稿者 曽我純, 12月18日 午前8:43, 2023年

13日公表のFOMC経済予測により、週末、米債券利回りは3.91%に急落、前週比31bpも低下し、7月第4週末以来約5カ月ぶりの4%割れとなった。一方、NYダウは昨年1月以来約2年ぶりに過去最高値を更新した。来年、FFレートは4.4~4.9%に引き下げられるとFOMCで予測されたからだ。先週の米債券相場はFFレートのこうした引き下げ期待を完全に織り込んだ。今年第3四半期までの過去10年間の名目GDPは年率5.01%であり、債券利回りはこれを大幅に上回っているからだ。過去20年間でも年率4.45%の成長をしている。いずれにせよ、3%台は行き過ぎであり、4%台半ばが適切な水準だと思う。

FFレートを上げたから、物価が下がったのではなく、金利の過度の引き上げは、むしろ経済に副作用をもたらす。我々の体の体温が上がれば、いつまでも高温が続くことはなく、自然に、熱は引いていくのである。それと同じように、よほどの悪性でない限り、放っておいても物価は下がっていくのである。そもそも、今回の物価は貨幣が原因で起こったのではなく、パンデミックで降って湧いたのであり、金融引き締めをすれば逆に、物価を引き上げることになるのだ。

すでに、11月の米CPIは前年比3.1%に低下しており、しかも帰属家賃を除けば1.37%にすぎず、物価高よりも低物価が気掛かりになりそうな状況なのである。帰属家賃を含んだ住居(ウエイト34.967%)は11月、前年比6.5%と3月の8.2%をピークに低下しているが、緩やかであり、これがCPIの低下を妨げている。だが、11月の米生産者物価指数(PPI)は前年比0.9%に低下し、輸入物価指数も11月、前年比-1.4%とマイナスが続いていることを勘案するならば、CPIも低下傾向を辿ることは間違いない。

14日、ECBは政策金利を据え置いたが、ユーロ圏のHICPは2.4%に低下し、米国や日本(3.3%)よりも低い。10月のユーロ圏PPIは前年比-9.4%と前年を大幅に下回っており、これがHICPを一段低下させるだろう。経済の体温が低下していることは、小売売上高や鉱工業生産にもはっきりあらわれている。10月のユーロ圏小売売上高と鉱工業生産は1.2%、6.6%それぞれ前年を下回っており、特に、製造業は弱い。だが、ユーロ圏ではHICPは2.4%だが、ベルギーの-0.7%からスロバキアの6.9%までばらばらなのだ。これほどの違いがあるにもかかわらず、同じ政策金利4.5%を適用しているのである。デフレの国に4.5%の高い金利を課せば、デフレはますます深刻なるだろう。物価にこれだけの格差がありながら、一律の金融政策でやっていけるのであれば、金融政策などあってなきがごとしだ。

それぞれの中央銀行の予測に市場参加者が惑わされることが問題なのである。中央銀行も投機家も同じ経済統計を見ており、情報格差はないはずだ。それにもかかわらず、FOMCの予測によって相場は攪乱する。投機家の予測能力が劣っているから、時には買い上がり、時には売りたたいたりせざるをえなくなるのだ。投機家は目先のことしか見ず、長期の視点が欠けている。GDPやCPIや雇用など統計は月次や四半期ではぶれが大きい時もある。だから、10年、20年の長期の推移を頭の中に入れて置かねば、短期の統計に振り回される。結局、売り買いを頻繁に繰り返すだけで、成果は一向に上がらないことになる。

物価や雇用統計は株式や債券価格に影響を及ぼすけれども、我々の命には関係するものではない。厚生労働省が『人口動態統計』なるものを毎月発表している。その内容は出生や死亡を調べ、自然減を測定し、死亡の原因などを詳しく捉えることを主眼にしている。

1899年以降の年次の死亡数(1944~1946年の3年の統計なし)をみると、スペイン風邪が猛威を振るった1918年の死亡数は前年比29.3万人増の149.3万人に跳ね上がった。しかし、その翌年の1919年の死亡数は前年よりも21.1万人減少し、スペイン風邪の流行は1年ほどで過ぎ去ったのである。スペイン風邪が落ち着いたと思ったら、1920年には流行性感冒に見舞われ、死亡数は前年比14.0万人増に拡大した。その後、死亡数は120万人前後で推移していたが、戦後、1955年頃にかけて死亡数は急激に減少し、70万人前後となり、1980年代の始めまでその傾向が続いた。1980年代末以降、死亡数は右肩上がりとなり、増加の一途をたどる。高齢化が進むにつれて、死亡数が増加していくのだが、新型コロナ感染が広まり、2021年には前年比6.7万人増、2022年の死亡数は前年比12.9万人増の156.9万人に増加し、それまでの過去最高だった1918年の149.3万人を104年ぶりに更新した。2023年は1月から7月までの死亡数の前年比増加率(2.5%)を適用して通年の死亡数を求めると160.8万人なり、2年連続の過去最高更新となる。このように、2021年以降の死亡数増加は2020年までのトレンドの傾きをさらに強めている。

厚生労働省によれば、新型コロナウイルス感染症死亡者は2020年3,466人、2021年16,766人、2022年47,635人、2023年(1月から7月まで)24,121人となっている。実際の2021年の前年比死亡増加数は67,101人、2022年は同129,194人だった。新型コロナウイルス感染症で亡くなった人数を大幅に超過している。

2020年までの過去20年間の年率の死亡率(1.79%)で2021年以降の死亡数を推計した数値(E)に新型コロナウイルス感染死亡数(D)を加えることによって、2020年までの過去20年間のトレンドにコロナ感染死亡数を加味した死亡数と見做すことができるだろう(これをEEとする)。EEと現実の数値を比較すると、2021年、2022年は2.5万人、9.8万人いずれも後者が多いのである。このトレンドを超過する数値、超過死亡数は何を示唆しているのか、という疑問が湧いてくる。

スペイン風邪のときもそうだが、感染症が広まると爆発的に死亡数は増加するが、終息するのも早いのである。1919年の死亡数は前年よりも21.1万人減少した。だが、今回は3年連続の死亡者増になりそうだ。すでにみたように、2021年のDは2020年の4.83倍、2022年のDは2021年の2.84倍と言う具合に急増している。ワクチン接種に比例するように死亡は増加しているのだ。D以外にもワクチンによる死亡を顧慮しなければ、9.8万人の超過死亡を説明することは不可能である。

ワクチンは、「特例承認」よりもさらに甘い「緊急承認制度」を創設し、2021年2月14日、ファイザーワクチンの製造販売を承認した。同年6月1日から12歳以上に接種を始めた。その結果、2021年には199.5百万回、2022年170.9百万回、2023年(12月12日まで)60.7百万回、累計431.1百万回打った。しかも、ワクチンリスクが高まる3回目接種が86.6百万回、4回目接種以上が136.3百万回に上る。これだけワクチン接種をしているが、Dは減るどころか増加しているのだ。感染者数も直近増加傾向にある。つまり、ワクチンを打てば打つほど、死亡は増加し、感染者も減らないという事実が浮かび上がる。新型コロナ感染から4年も経過していながらこの有り様なのである(村上康文のマウス実験によれば、ワクチンを7、8回打つとすべて死んだとのこと)。人類史上最大の人体実験によるワクチンシンドローム現象が起こっているのかもしれない。

ワクチン接種が始まってすぐに、ワクチンが多くの問題を抱えていることは医学雑誌に掲載されていたそうだ(村上康文のマウス実験の結果は2021年9月に発表)。スパイク蛋白の毒性、免疫の低下等が指摘されていたが、日本では今もって首相官邸のホームページで「ワクチン接種の推進」が注目情報として掲げられているのだ。ワクチン接種等に関連する膨大なデータを国は保有しながら、それらを有効活用することなく、国民にすべてを開示もせず、国はワクチン接種を推進しているのである。

NYダウは過去最高値を更新したが、ファイザー(PFE.N)の株価は26.63ドル(12月15日終値)と2021年12月のピークの半値以下に下落、約10年ぶりの安値なのだ。モデルナ(MRNA)の株価はもっと酷い。先週末、86.01ドルで、ピーク(449.38ドル、2021年9月10日)から約8割も下落、これら株価の急落は、ワクチンは危険で欠陥品であり、これから訴訟などさまざまな問題が持ち上がってくることを示唆している。

世界初のメッセンジャーワクチンを突貫工事のようにつくり、形だけの臨床試験で済まし、「緊急承認」といういかがわしい方法でワクチン接種の壁を乗り越え、国民に接種を推進してきた付が回ってきた。

日本人は相変わらず集団主義的であり、周りの様子を窺いながら、みなが打っているようなので打とうか、という感じでどんどん接種が進んだようである。100人当たりの接種は世界でも日本がトップと言えるほど打った国なのである。日本人の多くは政府の言うことを素直に受け入れ、ワクチンの本質を見抜くことができなかった。大学進学率は56.6%(2022年度)に上昇したけれども、物を見抜く力や判断力はまったく養われていず、依然、個が埋没してしまっている社会なのだ。

曽我 純

そが じゅん
1949年、岡山県生まれ。
国学院大学大学院経済学研究科博士課程終了。
87年以降証券会社で経済・企業調査に従事。
「30年代の米資産減価と経済の長期停滞」、「景気に反応しない日本株」(『人間の経済』掲載)など多数