趣旨書
このサイトはキャリアも違い、おそらくは見解も異なる数人が交流し異見を交わすなかで生まれた。世界の動きは速く、社会経済の変化は無数の情報を生成している。情報の特質には種々あるにしても、その一つにその多くが自身で確かめることができないという性質がある。 個々人は限られた時間のなか、また自身を置く狭い空間のなかで、無数の情報を浴びているが、確度の高い情報から無視して大過ないものまで、否応なく判断して接しなければならない。
頼りは比較的多くが間違いがないと信じている情報源ならば信頼しうるというもの だろう。しかしこれとてどこまで信じうるのか。人によってはそれまでの情報を持ち来した人々についての自分なりの信頼度に応じて情報を受け取るかもしれな い。だが情報が自分のあずかり知らぬところで生成されていることに違いはない。
できうるならば、あまり流通しない情報も得たい、そうして判断材料を膨らましたいという欲求も出てこよう。私たちは早耳筋でも企業筋でもないし、ポジショントークをもてあそぶものでもない。
情報の大河のなかを、より間違いのない判断をするべく努力しながら泳いできた。そのなかからの発言は濁流に一滴の水を加えるにすぎないかもしれぬが、なにかのお役にたつかもしれないと考えた。それはなによりも自分たち自身の情報スキルを上げていくことにもつながる。
よ り多くの異説や異議申し立てにも目配りし、通説に容易に雷同せぬ姿勢をもちたい。判断するのは当人であり、その結果を引き受けるのも当事者である。情報時代、私たちはメディアが伝えることを知っている。政治家や政策当局者が何を考えているかも知っている。しかしリスクは個人が引き受けるものである。なるたけ多くのもう一つの知性を磨きたいと考えている。それが間違いのない行動につながる。