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森野 栄一
政府の借金がすごいっていうだろー、国民が政府を作ってる、だからその借金は国民ひとりあたまいくらになるとか新聞がいってた、ぼくが借りたわけじゃないのに、ぼくにも借金があるらしいんだ。これってどー考えたらいいの。昔、カナダでこんな話をしてたひとがいた、参考になるかもねー
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政府はお金を作ってるわけじゃあない。世の中にお金が足りなくて、もう税金を増やすことも、国民ひとりひとりに借金の証文(国債)を買ってもらって都合をつけようにもできないとき、政府は銀行から借りるんだ。
これはぼくが借りるときとまったく同じだよ。保証はなにかって?国全体だよ。返済の約束は債務証書ってわけ。お金の借り入れはペンで書き入れた口座にある金額さ。
こうやって、1939年に連邦政府は戦費を調達しなくちゃならなくて、銀行に80,000,000ドル貸してくれるように頼んだ。そこで銀行は口座に80百万ドルを振り込んだ、これ、誰かからこの金額を引き上げて振り込んだんじゃあないよ。そしてだ、政府は小切手で80百万ドルを受け取ったわけ。
だけど、1941年の10月に、政府は銀行に83,200,000ドルを返済したんだ。もちろん利子の分も含めてだよ。
税金を使って80百万ドルを集めて、その上、3百万ドル分も集めなくちゃならない。これって銀行が作ったお金かい。誰かが作ったお金かい?
政府はいまあるお金のなかからこの分も調達しなきゃならないけど、その分のお金は世の中にないんだ、どうやって集めるっていうの?
政府は集めることができないだろ、だから実際のところ、単純なことだけど、政府の借金を増やすわけよ。
国の発展が新しいお金を必要とするところではどこでも、政府の借金が規則的なリズムで大きくなっていくのは、なぁーんだ、こーいうことなんだ。新規のお金はみな、銀行家が提供するけど、それを欲している者の債務のかたちで提供されるんだ。そうして、提供さ
れた以上のお金が請求されることになるんだ、まったく。
そうして、流通しているお金は3百万ドルしかないのに、政府の借金は8百万ドルにもなってる。
だから政府の借金は実は存在しないお金の請求からできあがっているんだ。これって決して払うことができないお金だよ。世界中のどこの国のひとだって少しずつわかってくると思うよ。だってこうした不条理なシステムが文明国を覆ってきているからさ。