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Bracteates
「貨幣操作の最も興味深い事例の一つが、中央ヨーロッパで1150年から1350年にかけて行われた貨幣改鋳(Bracteates)の中に見いだせる。
・・・統治者は一年間に二度、三度と発行硬貨の全量を回収し、約25%の貨幣鋳造税を控除した後で新しい硬貨と引き替えた。
国民のこうした貨幣改鋳から逃れようとする熱意が手工業や芸術に刺激を与えた・・・」
「貨幣の流通速度管理に似た最初の事例は、興味深いことに通貨の安定化の歴史のなかにある。
貨幣改鋳が1350年頃に姿を消してから、この原理は、シルビオ・ゲゼルの著作の中で再度、決定的な形で現れるまで忘れ去られていた。
彼の死後、ほどなくして貨幣の流通速度の管理は1931年から33年にかけて、スタンプ貨幣の形で適用された。」
(アーヴィング・フィッシャー、『安定通貨』、1934年)