09年1−3月期の米名目GDP、半世紀ぶりの前年割れに

曽我 純:

米国経済の70%以上を占める個人消費は戦後最大の不振に見舞われている。昨年12月の個人消費支出は前月比-1.0%と昨年7月以降、6ヵ月連続のマイナスとなった。耐久消費財の購入減に加え、非耐久消費財も8月以降、前月を下回る状態が続いており、しかも12月は前月比-3.5%と耐久消費財を上回る大幅な下落となった。サービス支出も0.2%と微増にとどまり、米国の消費マインドは極度に冷え込んでいる。個人消費は米国経済のエンジンであるばかりでなく、世界経済をも牽引しているため、米個人消費(08年の米個人消費支出、10.05兆ドル)の悪化は、世界を不安定にさせる最大の要因といえる。PDFを読む

米景気後退の長期化で日本の製造業苦境に喘ぐ

曽我 純:

鉱工業生産指数は昨年10月に前月比3.1%減少した後、マイナス幅は過去最大に拡大し、
12月は9.6%も落ち込んでしまった。12月を9月と比較すると、生産は3ヵ月で19.9%も
急低下した。経済産業省の予測によると、09年1月は9.1%、2月は4.7%それぞれ大幅に
低下する。このように生産が推移すれば、2月の生産指数は73.3と1983年12月以来、約
25年ぶりの低水準となる。10-12月期の生産は前年比14.7%低下したが、09年1−3月期
は前年を3割近く下回ることになり、製造業は一段厳しい状態に陥ることになる。PDFを読む

企業の存続が危ぶまれるなかでも異常な商いが続く日本の株式市場

曽我 純:

日経平均株価は8,000円を下回り、週末ベースでは昨年10月第4週以来の低い水準に沈
んだ。だが、この株価水準でも株価収益率(PER)は16倍を超えており、欧米に比べて高
く、割高である。日経によれば、PER算定の基になる、今期の1株当たり利益は482円、
前期比55.1%の減益を想定している。12月調査の『短観』によると、大企業全産業の今下
期の当期純利益は前年比15.1%減少する見通しだが、日経の減益予想はこれをはるかに上
回る。『短観』では今上期は21.3%減であるから、日経並みに通期の利益が落ち込むので
あれば、下期は80%を越える減益になる。『法人企業統計』によると、昨年7−9月期の
大企業全産業の営業利益は前年比21.8%減少したが、10-12月期は50%を上回る減益とな
り、09年1−3月期はほとんど利益がでないのではないか。PDFを読む

シティの解体、市場経済を機能させるひとつの手立て

曽我 純:

昨年11月23日、米政府はシティの救済策として200億ドルの資本再注入、不良資産の
政府負担を発表したが、それでも事業継続は危ぶまれ、16日、シティグループは事業の解
体へと進まざるを得なくなった。同時に、昨年10-12月期の業績を発表したが、82.9億ド
ルの最終損失を計上し、不良資産は底なし沼の様相を呈している。事業の分割を発表した
ものの、株価は下げ止まらず、シティの行方は混迷度を深めている。中核部門の総資産は
1.1兆ドルと約半分に縮小したが、それでも依然巨大であり、さらに規模を小さくしなけ
ればならない。090119.pdf

住宅バブル破裂による凹みと政府・FRBの膨張

曽我 純:

昨年10月の米住宅価格(S&P/Case-Shiller Home Price Indices,Composite-10)は前年比19.1%減となりマイナス幅は前月よりも0.6ポイント拡大した。英国の住宅価格(Halifax House Price Index)は昨年12月、前年を18.9%下回り、米国とほぼ同じ下落率だが、米国は07年1月に前年割れしたのに対して、英国は昨年3月からであり、10ヵ月という短期間で米国並みに落ち込み、住宅価格下落のショックは英国のほうが大きいように思う。ちなみに、日本の地価も反落傾向を強めている。六大都市商業地(日本不動産研究所)は07年3月末の前年比19.6%をピークに伸び率は鈍化し、08年9月末には-1.2%と3年半ぶりに前年を下回った。PDFファイルを読む

輸出に翻弄される日本経済

曽我 純:

生産活動は過去にない収縮過程にある。四半期ベースの鉱工業生産指数は7−9月期まで3四半期連続の前期比減と低下していたが、ここに来て、生産の低下は加速してきた。生産指数は10月の前月比-3.1%から11月には-8.1%の94.5(2005年=100)へと経験したことのない激しい減産となった。経済産業省の予測によれば、12月は前月比8.0%、09年1月は2.1%それぞれ低下する。予測通りになれば、09年1月の生産指数は84.7となり、08年2月(110.2)のピークから23.1%も落ち込むことになる。PDFファイルを読む

バランスシート調整下では金融政策は効かない

曽我 純:

19日、日銀は政策金利を0.3%から0.1%に引き下げた。FRBが16日、1%から0.0%〜0.25%へ下げたため、それに同調したのであろうか。0.2%の利下げが、どのような効果をもたらすかは、だれが考えても期待できるものではない。茶番である。貸出金利が0.2%低下したからといって、経済が急激に悪化しているときに、積極的に資金を借りて、事業を拡大したり、新規に設備投資などをしないからだ。PDFファイルを読む

FRBへ7,776億ドル積み上げ貸出を放棄した米金融機関

曽我 純:

米上院で「自動車産業融資・リストラ法案」の協議が決裂したことから、12日の東京外国為替市場で、円ドルレートは一時88円10銭と1995年8月2日以来、約13年4ヵ月ぶりの円高ドル安となった。その後、米政府の「金融安定化法の活用も検討する」との報道を受け、12日のニューヨーク市場終値は91円台に戻し、NYダウも前日比プラスで引けた。PDFファイルを読むPDFファイルを読む

米3ヵ月物金利ゼロの示唆する世界経済

米財務省証券3ヵ月物の金利はゼロとなり、1941年以来67年ぶりの記録を付けた。リ
ーマン・ブラザーズ破綻後、一気に1%未満に急低下し、9月17日には売りレートは0.03%
とゼロに接近した。10月20日以降、4日間は1%台を回復したが、その後、再び低下し、
12月3、4日の売りレートはゼロとなった。住宅ローンの延滞率上昇や急増しつつある不
動産の差し押さえ、金融機関の経営不安、小売業や新車販売の記録的な減少、米自動車産
業の救済の行方等が、資金をより安全な財務省証券に向かわせている。PDFファイルを読む

米住宅・資源高バブル破裂が日本の生産を直撃

週末の経済統計が消費や生産の悪化を示したにもかかわらず、株価は2日連続して上昇 した。11月第3週までの『投資部門別売買状況』によると、外人は大幅に売り越している が、信託銀行の買い越しが目立ち、公的資金が介入していることが見て取れる。9月の信 託銀行の買い越し額(東証1部)は717億円と8月を58億円上回っただけだが、10月は 1兆1,814億円と突然増えた。11月も第3週までに9,377億円を買い越しており、先週の 株価上昇も公的資金によって作為的に形成された可能性が高い。PDFレポートをダウンロード