通貨(currency) 

貨幣(貨幣の交換媒介物であることに力点をおく表現)
価値下落 (depreciation)
減価 (devaluation) と同義。ある通貨の、他の通貨あるいは標準でみた、またときを経るなかでの、価値における低下をいう。

貨幣の流通速度 velocity of money

1930年代にアーヴィング・フッシャーが作った用語で、通貨が流通する速度を指す。例えば額面5ドルの紙券が月に50回流通するとすると、このことは5ドル紙券が月に50回取引されることで、総計250ドルの取引を発生させたことになる。

利子 interest

貨幣保有者にとって時間に関連した利得、あるいは貨幣の借り手にとって時間に関連した料金。利子を課すことは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のような主要な宗教で禁じられているが、今日、イスラム教のみがこの規律を実施している(それゆえ、「イスラム銀行」は利子料金が別のタイプの料金に置き換えられている)。利子は、先物の割引を行わせる割引キャッシュ・フローの主要な構成要素の一つである。

国際表示通貨 GRC (Global Reference Currency)

際貿易向けに設計された通貨として提起されている。これを表示し担保するものとして12種の財の固定バスケットを使用する。担保された財の保蔵コストは持参人に属するものとして流通し、それゆえ、滞り料が組み込まれた貨幣として機能する。その特質は先物が割り引かれる傾向を逆転させ、金融業者の利害を長期の持続維持可能性のほうへと向けなおす。

バーター(物々交換) barter

かなるタイプの通貨によっても仲介されない財やサービスの直接交換
コモディティ・バックド・カレンシー (commodity-backed currency)
(財で担保された通貨) その価値が財やサービスと直接に一致することで保証された通貨(すなわち、19世紀の米国ドルの金本位制やバーター)。 通貨システムを設計するには3つの方法しか存在しない。  #フィアット(無担保、fiat)か、すなわち、なにものをも参照しないか、 #財による価値付けか、貨幣の価値が財の価値で表現される(財で兌換される、例えばブレトン・ウッズ体制下の金ドル本位制とか、航空会社の航続距離とか) #財で担保されるか(コモディティ・バックド)、通貨は事実上、所定の財の量に対する請求権であり、手元  にこうした要求に応えうる財のストックをもつ必要がある。

抵当 mortgage

モーゲージという言葉はフランス語に由来しmortは死、gageはギャンブルを意味する。財産を抵当に入れて借り入れることは死のギャンブルを意味していたわけ。銀行は融資をすることで新規に貨幣供給を作り出しているが、生産者は生産コストを賄うためにこれ(元本)を借り入れることでギャンブルを強いられる。製品の販売を通して元本(P)と利子(I)を回収するための額が膨らんでいくからだ。なぜならP+I分の財の総価格は、消費者はPの分だけの使いうる貨幣しかもっていないのだから、決して全部売れることで実現されるわけではない。財のうちの最小限の額が売れ残らざるを得ないし、少数の生産者は破産し、差し押さえの危機に直面せざるをえないのだ。ケインズはこの「死のギャンブル」を椅子取りゲームにたとえている。全員には足りない椅子を巡って、音楽にあわせデス・ギャンブルの生き残りゲームが展開されるわけだ。ちょうどそれと同じように、世の中には、P+Iを賄うのに足りない貨幣しかなく、デス・ギャンブルが行われる。生き残れる可能性は常に利子率によって決定されている。

利子 interest

お金はいつまでもっていたって減りはしないね。お金が金や銀であったころは、金や銀が錆付いて値打ちが減るなんてこともなかった。実はこれがお金を持っている者とそうでない者との間に不平等を作り出してきたんだ。小さな会社も大企業も、事業をするには投資が必要だし、事業資金が要るもんだ。つまりお金が必要なわけ。ところで、お金を持ってる人間はお金を持ち続けても費用がかからないだろ。対照的に、例えば、農民は種をまくのを延期できるかい。できないんだ。だから、種を蒔く資金を借りるのを急かされているんだ。これじゃあ、取引をしようにも、立場が違いすぎるというもんだ。不平等だよ。片方は、自分に有利になるまでいつまでも待てるんだ。もう片方はとにかく急かされてるんだから。金貸しが農民に金を貸す場合は、利子を請求する。いやだとはいえない。とにかく資金がいま要るんだから。そうして農民はこの資金を借り入れるさいの利子という費用を自分が作った穀物を売るさいに、その価格に乗せなきゃならい。この穀物をパン屋が仕入れたとすれば、穀物の値段に入っている利息の分は当然、パン屋の売るパンの値段に入っていくんだ。結局、金貸しが上げる利益は社会が支払うことになるんだ。なるほど、働きもしないのに、金貸しの利益はうまい具合に増えていくもんだ。なぜって、どんな会社も利子の重荷と付き合わなくちゃならないからね。それに、このことが、富と権力の集中が続いていくことにもなるわけさ、だって、こうしたやり方で、事業が上げる利益の多くの部分が社会の一部の者たちの懐に入っちゃうからだよ。

信用 credit

信用という言葉でなにを意味してるか考え始めると、すぐ気づくのは、信頼に基づく何かだろうということ。何かを成し遂げることについて信頼されたある人のもつ能力への信頼かな。例えば銀行は商人が借り越すことを認める、これは別なふうにいえば信用を与えるというわけだけど、決められた日に、商人が利息付きで借り越し分を返済するって信じていること。だから信頼は信用の大事な本質なんだ。 ところが信用には二種類あるね、実質的な信用と金融上の信用。実質的な信用は、あるひとが、商品やサービスを求められる時に、求められる場所に提供できる能力を持っていると評価されていること。このあるひとが製造業者ならよくわかるね、製造設備や、これまでの在庫をもっていて、商品を引き渡す能力があるって他のひとに信頼されていること、これが実質的信用さ。 じゃあ、金融上の信用ってなにかというと、ことはお金に関係するんだ。あるひとが、求められるとき、求められる場所にお金を提供できる能力を、銀行やそのほかの資金供給者が信頼しているってこと、その信頼をお金で表現してるのが金融上の信用なわけ。だから、お金と引き替えに自分の商品やサービスを処分できる能力について他人が下している評価なんだ。 例えば、製造業者Aがいる。在庫があるからといって、これを保証に、銀行に貸し越しを頼むとする。銀行はAに貸し越しを認める前に、Aの在庫の市場価値を値踏みするんだ、そうしてある額の貸し越しを認めるんだけど、その額は値踏みした在庫の値打ち以上ではないよ。それ以下しか貸してくんないんだ。言い換えると貸し手は借り手の実質的信用を検討しているわけ。これが不十分だとお金の信用も不十分になるってこと。 でもこれだけじゃあない。貸し手は借り手が需要がある在庫をたくさんもってるからといって、それだけで金を貸しはしないんだ。借り手の在庫がちゃんと売れて、貸した金が返せるかどうか、それが信じられるときだけ金融上の信用を与えるってわけ。
信用 credit (続き)
さっき銀行なんかの貸し手は借り手の商品やサービスが実際に売れるかどうかまで判断して金融上の信用を与えるっていったけど、このことにどんな意味があるんだろうか。 実際、金融上の信用は借り手の実質的な信用力にだけ基づいているばかりでなく、もうひとつの売れるかどうかという事情にも依存してる。これは売り手からみれば自分の商品が売れるかどうかだけど、その買い手からみれば、買い手はコミュニティ全体だから、コミュニティが借り手の商品やサービスに代価を支払って購入し、吸収できるかどうか、その能力にかかってくるわけ。商人はすばらしい品質の商品を持っているかもしれないけど、市場がなければ、金融上の融資が受けられないってこと。 これってどこにでもある基本的なことじゃない。いまの経済のシステムでは、購買力が不足してると商人や製造業者にカネ、つまり資金が不足するってこと。すばらしい生産能力をもち、倉庫に商品があふれかえっていても、そーいう意味で実質的信用がまったく問題なくても、商品の市場がね、十分なコミュニティの購買力がね、不足してるんだ。銀行はそう判断すると、新規の融資、つまり金融上の信用を与えようとしないし、場合によったら、これまで付与してきた信用を引き上げようとまでするんだ。当然、事業は資金不足に陥るし、賃金も払えなくなるし、そーなると、賃金もコミュニティの購買力のかなりな部分をしめるから、よけいに購買力は減るし、これ悪循環ってもんだよね。 でもこの悪循環、どこかがいけないからそーなってるんだよ。 ひとの信用力がカネの信用力に支配されてるからなんだ。信用のシステムがどっかおかしいのさ。

複利(ふくり)

 借りたお金(元本:がんぽん)には利息が付きます。月利といえば、1か月借りた ときいくら利息が付くか、年利といえば1年間借りたときどれくらい利息がつくかを 示していますね。複利というのは、利息の元本への組み入れという考えに基づいてま す(単利はこの組み入れをしません)。  1000円を年利10%で貸し付けたとします。第一年の終わりに単利で100円 つきますね。そこで、第二年の始まりには、当初資金が1100円になるというわけ です。第二年の終わりに単利で計算しますと、利率は10%ですから、利息分は11 0円ですね。これが元本に組み入れられますから、第三年の始まりには資金額は12 10円となります。  同様にして、1210円+121円=1321円、 1321円+132.1円=1453.1円・・・・  つまり、
  第一年      第二年    第三年    第四年  ・・・・・
  1100    1210   1321   1453.1
(単利の場合は)
1000+1000*10*3/100=1300円 (ここで*は掛けるの意味、/は割るの意味です)  つまり複利の基本は毎年の利子の元本組み入れにあるわけです。  そこで
C を円で表現した貸付額
n を貸付期間で、年で表現する
i を一年間の円でみた利子率(例えば、年利8%はi = 0.08)
そうすると(^は続く文字が上付き添え字、_は下付添え字の意味です)
年   年初資本額   年利   年末の年利分の元本  組み入れ後の価額
1        C     Ci     C+Ci
2      C(1+i)   C(1+i)i    C(1+i) + C(1+i)i = C(1+i)^2
3     C(1+i)^2  C(1+i)^2i    C(1+i)^2 + C(1+i)^2i = C(1+i)^3
n-1   C(1+i)^n-2   C(1+i)^n-2 i  C(1+i)^n-2 + C(1+i)^n-2 i = C(1+i)^n-1
n   C(1+i)^n-1 C(1+i)^n-1 i  C(1+i)^n-1 + C(1+i)^n-1 i = C(1+i)^n
したがって複利で貸付けた額Cのn年後の価額C_nは
C_n = C(1+i)^n
ということになるわけです。
 ところでここに4点ほど注目すべきことがあります。  1、複利での利付き貸付でカネがどれだけ増えるかC_n = C(1 + i)^nで表しました が、これ年利で考えてました。もちろん年利以外もあります。  例えば月利なら、毎月末に、利息の元本組み込み(利子の資本への合体)が起こり ます。借金はすごい勢いで増えていきます。  2、上記右辺は幾何級数的に増加する。  3、利子も年々、幾何級数的に増加する。  4、貸し付けることで手に入った価値は  C_n – C = C[(1 + i)^n – 1]で、これが利子総額です。  利息が元本に組み入れられていく仕組みとは借り入れた者からみると実に過酷で す。複利の計算でいかに利息部分がふくらむか考えてみてください。これは私たちの 社会で実際に立っている計算なのです。  えっ、こういう式は難しいですか。では、実際の計算練習をしてみましょう。 <問題>5万円を年利9%複利で7年間貸し付けたとすると7年後にいくらカネがは いるか・・・
C_7 = 50000 * (1 + 0.09)^7
= 50000 * 1.09^7
= 50000 *1828039 = 91401.95
やりましたね。9万円を超えました。
 でも、ここで、91401.95 – 50000.00 = 41401.95の41401.95円は社会から取り去ら れているんです。つまりだれかが負担させられてます。C_nのnを50年とか100年 にしてみてください。手で計算しないでくださいよ、日が暮れてしまいます。利息と いうものが社会にどれだけ負担を与えているかがわかります。私たちの社会は、誰か が苦労して作りだした値打ちが、利息というかたちで、お金を持っている人の懐に 入っていってしまう仕組みになっていることにも注意しておきたいものです。 Morino,Eiichi

指数

 私たちが目にする経済のデータは消費財や工業製品、労働、金融の各市場で売り手 と買い手が行う無数の取引を表しています。これらをとらえるためには、グループに わけ、それぞれ総計し、分析していくことになります。そのさい、指数を活用するこ とがよく行われます。これは経済活動の動向や水準、そしてその変化をとらえるのを 容易にしてくれます。経済では、指数は、工業生産や物価、その他の経済活動を指し 示すものとして重要です。  指数を算出するには、まず基準となる期間が必要です。通常、ある1年間や連続し た数年の平均が選ばれます。基準となる期間はおおむね(常にそうではありません) 100に等しいものと定義されます。そして、この基準期間の前や後のあらゆる経済 活動の水準が基準期間と比較した数値でしめされ、百分比で表現されていくことにな ります。  例えば100を基準にして、ある期間の数値が95であれば、この期間(1ヶ月や 四半期や1年)の数値が基準となる期間よりも5%低いことを意味しているわけで す。また、128であれば、28%高いことを指し示します。  こうした数値をはじきだすことで、二つの異なった期間の変化割合をみることもで きるようになります。  つまり、
<期間2>/<期間1>−1.0*100
具体的に計算例を示しますと、
128/95=1.347−1.0=0.347*100=34.78%
期間1の数値95と期間2の数値128の間の変化割合が34.7%となるわけで す。 経済の数字にはこうした指数が頻用されています。 Morino,Eiichi