抵当

英語ではモーゲージといいますが、この言葉はフランス語に由来しmortは死、gageは ギャンブルを意味します。財産を抵当に入れて借り入れることは死のギャンブルを意 味していたわけです。銀行は融資をすることで新規に貨幣を供給しますが、生産者は 生産コストを賄うために貨幣(元本)を借り入れることでギャンブルを強いられるわ けです。製品の販売を通して元本(P)と利子(I)を回収しなければなりませんか ら、販売額は膨らみます。なぜならP+I分の財の総価格は、消費者はPの分だけの使い うる貨幣しかもっていないのですから、決して全部売れることで実現されるわけであ りません。財のうちの最小限の額が売れ残らざるを得ないし、少数の生産者は破産 し、差し押さえの危機に直面せざるをえないのです。ケインズはこの「死のギャンブ ル」を椅子取りゲームにたとえています。全員には足りない椅子を巡って、音楽にあ わせデス・ギャンブルの生き残りゲームが展開されるわけです。ちょうどそれと同じ ように、世の中には、P+Iを賄うのに足りない貨幣しかなく、デス・ギャンブルが行 われるのです。生き残れる可能性は常に利子率によって決定されています。 Morino,Eiichi

計算単位 unit of account

多くの貨幣システムにおいて貨幣の諸機能の一つです。この単位を使って価値が計算 され、比較されます。例えば、豚肉が1グラム当たり3円で、りんごが1グラム当た り2円であるとすると、ここで共通の単位、円で二つの品物の価格や価値を容易に比 較することができます。 Morino,Eiichi

価値の保蔵 store of value

貨幣は価値の保蔵つまり価値を蓄積する方法としても使用することができます。しか し歴史的にみると、貨幣を価値の保蔵手段として使用しなかった多くの事例が存在し ます。産業社会以前には、主要な価値の保蔵手段は土地と土地の改良でしたし、ま た、家畜でした。今日、人は、時の経過のなかで価値を維持したり、あるいは増やそ うとして資産を株式に投資したりして、価値を維持しようとします。貨幣を価値の保 蔵手段として利用することには社会的なコストが発生します。なぜなら、他の人々の 取引を不可能にしてしまうからです。人々をして価値の保蔵手段としてではなく、た だ交換の媒介物として貨幣を利用するように促すには、貨幣保有に持ち越し税を課す 方法などがあります。 Morino,Eiichi

貨幣の流通速度 velocity of money

1930年代に米国の経済学者アーヴィング・フィッシャーが作った用語で、通貨が 流通する速度を指します。例えば額面1000円の紙券が月に50回流通するとする と、このことは1000円券が月に50回取引されることで、総計5万円の取引を発 生させたことになります。ふつう貨幣の数量方程式でVで表されます。 Morino,Eiichi

固定相場制 fixed exchange rate

外国為替市場で、ある通貨が他の通貨と交換されうる比率が当局によって決定されて いることをいいます。ブレトン・ウッズ協定は、1945年から1971年まで、固 定相場を制度化し、この協定が無効となってからは「変動相場制」に移行しました。 Morino,Eiichi

インフレーション inflation

時間が経過していくなかで、財やサービスで尺度した通貨価値が減価していくことを インフレといいます。貨幣供給の超過がインフレを作り出す傾向があるといわれてい ます。 Morino,Eiichi

マイクロ・クレジット microcredit

おもに途上国で、小規模な企業への小額の融資を指します。バングラディシュでモハ ムド・ユヌスが創設したグラミン銀行はこうした活動の成功した一事例といわれてい ます。グラミンとは「農村」の意味です。 Morino,Eiichi

アンリンカビリティ unlinkability

unlinkabilityとは、銀行や事業家たちの悪意ある行為さえ、二種類の支払いが同じ ユーザーによって行われたことを決定できないことをさす。このことを理解するため に、反対のケースを考えてみる。クレジットカードの毎月の支払いをだ。このような 場合には、ユーザーのクレジットカドのアカウントナンバーという共通の要素によっ て完全にリンクされた一組の取引が含まれてしまっている。これらの支払いがリンク されてしまっているために、これはユーザーの行動や行為、パターン化した習慣の一 定限の姿を指し示している。ユーザーの個人的行動は潜在的に公的な情報のかたちを とっている。それゆえ、リンクされざる状態は匿名性の一様相である。二種類の支払 いが同一人物によって行われていることを識別しうるのはどの程度ありそうなことで あろうか。リンクされていなければ、このような蓋然性は存在しなかろう。 Morino,Eiichi

アントレーサビリティ untraceabilty

untraceabiltyとは銀行がディジタルキャッシュの引出とその後の支払いを突き合わ せることができないことをさす。untraceabilityを維持するためには、支払いをする ことで個人が自分自身に関して明らかにする情報が引出をすることで自分自身に関し て暴露してしまう情報から統計的に独立していなければならない。もちろん銀行が、 商人と共謀している場合でさえ、個人の取引を関連づけたり追跡したりしえない場合 には、追跡可能性はない。したがって、匿名性とプライバシーはつまるところ、銀行 自身からこうしたタイプの情報を覆い隠せるかどうかによる。 Morino,Eiichi