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青木秀和 日本の財政が完全に変調 2002-10-08

:Aoki,Hidekazu:

日本の財政が完全に変調をきたし始めました。もう雷鳴とどろかせ、どしゃ降りの大雨を降らし風速も50m超える巨大台風が今にも上陸するという段階です。

まず税収が昨年度比約8割と極端に落ち込んでいます。財務省のウェッブを覗いてみてください。http://www.mof.go.jp/zeisyu/h1408.htm
8月末での主な税目別累計を上げてみましょう

02年度01年度比率 本年度 昨年度  
全体 10兆8833億円 13兆4508億円 80.9%
所得税 5兆4523億円 7兆3971億円 73.7%
法人税 4669億円 9866億円 47.3%
消費税 1兆9451億円 1兆9338億円 100.6%
酒税 4647億円 5010億円 92.8%

どうでしょう。わが国経済は完全に萎縮過程に入ってしまったと思いませんか?
法人税の落ち込みが酷いですね。納税面からみるだけでは去年の半分以下しか企業活動が行われていないと言えます。それで所得も4分の3に減っている。なんとか贅沢を押さえて日常生活の消費レベルは落とさずに頑張っているようなんですが、これはこれから利いてきますよ。これで消費が衰退してくると、もう一巻のオワリ。
勘の良い方はすぐに気づかれたと思われますが、うえの税目は地方交付税の財源税源。これが昨年並みに集まらないとまたまた交付税特会で借金を積み上げなければいけません。
地方自治体の課税は1年遅れですからこれは「来年」の税収に直接響いてきます。つまりこのまま国税が推移すると来年度は今年の8割しか税収を上げられないことが「確定」してしまうんです。とくに法人住民税など法人関連税が基幹税収の都道府県はまさに深刻な事態を迎えることになるでしょう。
年度が開けてからことあるごとに自治体は「来年度の予算編成はできんぞ」と言ってきましたが、それが本当に現実問題となってきました。

それから、国債入札もおかしくなっています。9月20日に行われた10年もの国債入札で「未達(札割れ)」が発生したのです。未達というのは応札額が入札予定額に満たないことをいいます。これが国債入札史上初めて起こったのです。大事件ですよ。国債バブルがついに弾ける時期が確実に近づいています。
税収も上がらず、かといってそれを埋める借金もできないという状況になりつつあるのです。これで今までどおりカネのはる公共事業が出来ると考える方がお目出度い。もう開発型公共事業にうつつを抜かしている時代は完全に去ったのです。
もはや政策の優先順位をきちんとつけて「やるべきこと」から予算を付けていくしかないです。それともお役人は自分たちの「給料を削って」も開発型公共事業に「カネを回す」見上げた「立派」な組織人とでもいうんでしょうか?

これはひとり土建関連部局、開発関連部局の問題ではありません。公務員全体の問題なんですよ。もし開発型公共事業をどうしてもやりたければ土建部局・開発部局の公務員はトップ以下全員が給料を返上して臨むべきです。その人たちのために関係のない部局の公務員が迷惑を被るのはあまりに理不尽ではないですか。そう思いませんか?Aoki,Hidekazu

 

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