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「安心して暮らせる生き生きした地域社会に!」(1)

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日時2000年5月13日(土)
午後1:30〜4:30(1時開場)
講師森野栄一さん(経済アナリスト・ゲゼル研究会代表)
会場高根町農村環境改善センター多目的ホール
参加費無料(資料代+カンパ歓迎)
主催八ヶ岳地域通貨連絡会
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(C)2000EiichiMorino&YuujiUrashima,Allrightsreserved.

  1. 格差の広がる世界
  2. 失業に苦しむ
  3. 生活の安全網
  4. 信頼が安全ネットを作る

ウラシマ:地域通貨に関する専門家、森野栄一さんをお呼びして講演会をするということで動きだしました。地域通貨についてまだよくわからないという方も多分いらっしゃると思います。きょうは昨年5月にNHKのBSで放送された「エンデの遺言」という番組をピックアップして見ていただいて、ミヒャエル・エンデ、児童文学で有名ですが、彼の経済学、お金に関する問題、地域通貨とはどういうものか、まず概観を知っていただきたいと思います。ちらしや資料などがありますが、日本各地でお金を使わない交換、取引の仕組みが広がっています。そういうこともお話の中に出てくると思います。今月の16日にも高根町の金野さんを中心に高根町で20〜30人のグループが地域通貨の会を立ち上げるようです。そんなこんなでゲゼル研究会の代表をされている森野さんに来ていただいて、この地域で地域通貨を何とか成功させたいと考えています。森野さんを御紹介します。プロフィールは散らしをゆっくり御覧になってください。時間も押し迫っていますので資料を見ていただくということで、よろしくお願いします。私は八ヶ岳地域通貨連絡会の世話人をしていますウラシマといいます。よろしくお願いします。ビデオを30分、その後続けて講演に入りまして1時間半から2時間ぐらい、その後、質疑応答ということで5時ごろまでになると思います。

−−ビデオ放映−−

ウラシマ:見ていただいたのはNHKの放送ですけれども、この番組の内容はNHK出版から出ています「エンデの遺言」に詳しく書いてあります。森野さんはこの中の第3章と第5章を御担当されて、シルビオ・ゲゼルのことについて詳しく書かれました。会場の入口にこの本がありますので休憩時間にでもお買い求めください。

それでは森野さんを御紹介します。森野栄一さん、1949年神奈川県生まれ。国学院大学大学院経済学研究博士課程を終了後、経済アナリストに。現在、ゲゼル研究会を主宰していらっしゃいます。論文としては、「情報資本主義と金利生活者の繁栄」など多数です、ちょっと難しいですけれども。ホームページを開設されていまして研究論文のほとんどを公開されていますので、資料のホームページのアドレスにアクセスしてみてください。現在、ゲゼルメーリングリストという地域通貨・ゲゼルの研究をしている方々のメールをインターネット上でやりとりするグループがあるんですが、そこで全国各地の地域通貨についていろいろ話し合っています。これも資料の中にありますから後で見ておいてください。では大体4時ごろまで講演をしていただいて、それから休憩をして質疑応答ということでお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

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格差の広がる世界

森野:はじめまして、森野といいます。2時間くらいお話をさせていただきます。今御覧になっていただいた「エンデの遺言」は昨年の連休に放送されましたが、ちょうど1年ぐらいたちます。日本でも各地で地域通貨の試みがいろいろなスタイルで行われ始めてきました。東海テレビが日本の各地の地域通貨の実際の場面を番組にしていまして、そちらの方がよかったかとは思うんですが、ウラシマさんに渡していなくて「エンデの遺言」の方になってしまいました。

この地域通貨の実践の歴史はとても長いです。1930年代にはもう各地で行われていました。それが何故今、また世界各地で浮上してきたのでしょうか。第2次世界大戦後、冷戦が続いていた時期は忘れられていました。そのころは東西が経済競争をしていましたが、西側の資本主義国ではかなりの経済発展が見られました。一方で社会主義国はだんだんうまくいかなくなりました。ところが資本主義国が規制緩和やグローバリズムという形で80年代から90年代にかけて世界的に発展する中で、世界全体で見ても1つの国の中で見ても、社会的な貧富の差がどんどん目立ってきました。同時に80年代のアメリカは経済がひどい状態でした、今はいいですけれども。日本はそのころバブルを謳歌していて凄く自信を持っていましたが、今から9年前ぐらいにバブルが崩壊しました。今、アメリカもバブルが崩壊するような状況に来ています。

1970年から2000年までの30年間にアメリカは世界中の富を集めました。豊かな国がもっと豊かになって今はもう凄いです。ところがアメリカの国内を見てみると豊かな人というのはほんの一握りなんです。1970年から今日までアメリカの低・中所得者層の所得はほとんど変わっていません。収入は横ばいです。ところがその30年間にかなりの富がアメリカに入っていきました。その富はどこに行ったかというと一部の高所得者層、アメリカの全人口の5%に入っています。これは地球全体で見てもそうです。1970年から今日まで30年間、世界じゅうで作られる物の量、富の量は90%増えたんです。ほぼ倍になったぐらいの状態です。ところが1人当たり年間いくらぐらい実質所得があるのか見てみると、例えばアフリカ諸国は1970年ごろの方が所得が高いんです。今はかえって低くなっています。ほかの発展途上国はどうかというと少しは増えました。しかし生活状況が改善されるような所得ではほとんどありません。

そして今言ったように一部の先進国であるアメリカの5%の層に富が集中しました。30年間、資本主義が社会主義と競争して勝ちましたけれども、どういう結果を生み出したかというと物凄い格差がある社会です。1970年に世界の人口は35億人でした。今は60億人といわれています。全地球上でいうとこの60億人の半分は栄養失調で死ぬか死なないかというレベルの生活をしています。ほとんどの途上国ではかなりたくさんの人が1日1ドル以下で生活しているという状態です。そしてアメリカのようなバブルでずっとうまくいっている一部の国を除いて、ほとんどの国がデフレ、不況です。日本が典型例です。

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失業に苦しむ

つい最近も私の友達がリストラに遭って失業しました。東京の飯田橋にハローワークがあります。ハローワークとは何かというと早い話が職安です。朝早く行って並んでいないとダーッと列になってもう凄いんです。ドアが開くとバーッと行って、コンピューターでどういう業種があるかなどと求人を検索するんです。ところが検索するまで並ぶのが大変です。職安の人は物凄く忙しいんです。かつて景気のよかったころは、職安に行って失業保険をもらうには、ちゃんと求職活動をしているかなどいろいろ調べられたりして、なかなか大変で窮屈なものでした。それが今はすぐくれます。忙しくてしょうがないんです。それで私の友達が、こんなに職安が忙しいなら職安が人を雇えばいいじゃないか、こんなに仕事がない人がいるのに何でこんなに待たせるんだと言ったそうです。そんな状況です。

日本もこれからまだ失業は増えてきます。失業率の計算の仕方にはいろいろあって国によって違うんですけれども、例えば軍隊なら日本は自衛隊に行っている人は全部勤めているから就業の計算に入ります。ところが諸外国の中には、軍隊に行っている人は失業という計算をする国もあります。あと日本の場合には仕事を探したけれども無い、もういいと諦めてしまうと失業率の計算に入りません。そんな方式で計算していても、それでも増えているでしょ。これからさらに増えてくるのは確実です。景気が今度よくなるといっても企業は人を増やしたくないです。こんなにリストラし過ぎてしまって、かえって会社の業務が滞ってしまったという感じのところまで人を減らそうとしています。それでもまだ日本の企業のほとんどは自分の会社に人を過剰に抱え過ぎていると感じているそうです。だから景気が少し持ち直したとしても、失業率は増えるでしょう。中でも1番大事な一家の大黒柱になっているお父さんたちの失業が増えています。そういう現実です。

さらに日本の場合、失業保険の制度はもう危なくなってきているといわれています。さらに諸外国に比べて一足早く高齢化が進んでいき、年金制度も危なくなるというのは皆さん御存じのとおりです。そして経済もこれからもよくなる可能性は低いでしょう。政府の発表ではすぐによくなると言っていましたが、あれは大本営発表です。そんなに状況は改善されていないと私たちは言ってきたんですが、ようやく最近化けの皮がはがれて、株価が暴落しています。来月選挙だそうですが、景気が悪くなって、果たしてどの政党に有利なのかはわかりません。最近、3月の家計調査の結果が出ました。どれだけ消費しているかという調査なんですが、勤労世帯の消費も下がっています。1番目を引いたのは非勤労世帯、もう働いていない世帯の消費が何と10%以上落ちていることです。そうするとこれから先も景気はよくならないでしょう。景気の波に翻弄されて

もちろん日本銀行は景気がよくなるように、たくさんお金を出しています。ミニバブルといわれるほど、昨年からお金をジャブジャブ出してきました。ところがそれでもお金は回っていません。どこかに消えてしまっているんです。それはバブルのころにたくさんの貸し借りの関係を作っているので、お金をたくさん出してもその貸し借りを精算するために使われているからです。誰も損をしないんですけれども、精算するために使われるとお金はそこで消えてしまうんです。

例えば銀行が100円を持っていてあなたに100円を貸したとします。銀行は100円を貸したんだから100円の債権を持っています。借りた方は100円を借りたんだから手元に100円を持っています。そうすると世の中全体で見ると200円分のお金があるという計算をします。ところが契約を解消しようとすると100円を返します。借りた方は借りた金額を返すのだから0円になって、ごく当たり前です。貸した方は返したのだから返した金額が返ってきて100円あります。世の中全体で見ると200円あったものが100円になります。こういうことがバブルのころ盛んに行われました。日本の土地の値段が上がって、日本列島でアメリカが幾つも買えるというばかな話をしていました。その後、バブルがつぶれて日本列島の値段は下がりました。実際はバブルのころとバブルがつぶれてからの日本列島の土地の大きさを比べてみても1cmも変わっていません。同じものなんです。土地に幾らという値段をつけて、踊っていたんです。

今、不況なのはバブルがつぶれて景気が悪くなってもバブルのころに貸し借りをした契約関係が続いているからです。バブルがつぶれたから私が1,000万円を借りていたことが消えてなくなるということはありません。日本全体で見るとバブルがつぶれて太平洋戦争で受けた損失以上の価値が失われたといわれています。それは貸し借りを通して増えたお金、バブルがなくなっただけなんです。ところが貸し借りの約束は消えない、当事者が死んだり会社ならつぶれたりしない限り解消されないんです。だから不良債権は土地が下がればもっと増えます。担保価値が下がれば不良化するわけです。バブルのころに株式市場で行われていたことが今アメリカで盛んに行われています。証券担保融資というものです。株を買うと株が値上がりします。その株を担保に入れて、その値打ちの分だけのお金を借りるわけです。それでまた株を買います。その株の値打ちが上がって、それをまた担保に入れてお金を借りて株を買うんです。そういうことがずっと繰り返されていきます。だからアメリカでは、少し下がったりして調整していますけれども、株の値打ちが凄い水準にまで上がっています。

これは右肩上がりといいますが、物事が常に上がり続けていくのなら、この手品は永久に種がばれません。けれどもマーケットですから必ずある時に何かのきっかけで下がるんです。株の値打ちが下がると担保に入っている株券が担保割れします。要するに足りなくなってしまいます。そうすると追加のお金を入れなければならないんです。株を売って都合をつけます。株を売る人が増えれば値は下がります。そうするとさらに追加の担保を入れなければならない、そのためにまた株を売る、また株が下がります。そういう時期が必ず来ます。いつ来るのかよく聞かれるんですけれども、そう遠くない将来に来ると思います。何のきっかけで起こるかわかりませんが、おおかたのところ、2005年ぐらいまでに来ると見ています。もっと早く来るかもしれません。

それは何故かというと、2005年というのはアメリカで1番のお金を持ち、たくさん株や土地を買ったりしている層、ベビーブーマーといわれますけれども、そういう人たちが仕事を辞めてリタイアする時期だからです。もう財産を持っていてもしょうがない、それを売って若いうちは働いていて出来なかったことをしよう、世界旅行に行こう、豊かな老後を過ごそうというわけです。そうするとたくさんの売りが出てきます。下がります。米国国債などの形で財産を持っていた人も下がるでしょう。土地を持っている人も売るでしょう。子供たちも成長しているから夫婦2人で住むにはもっと狭いところでいいと家も売るでしょう。そうすると不動産価格も下がります。証券価格も下がります。そういうことが構造的に予測されます。

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生活の安全網

毎日、世界の動きや経済の動きが連動しています。アメリカはそんなに影響を受けないんですが、日本などはかなり影響を受けると思います。私たちは今、結構危険な世界にいるんです。ヨーロッパなどは不景気の時期が随分続きました。そういう中で地域通貨、昔の記憶がよみがえってきたんです。もちろんそういうことに早く気づいていて、アメリカなどで70年代に実験的にいろいろやっている人もいましたけれども、人々の注目を浴びたのは80年代からです。それは暮らしの安全ネットを作るという考え方です。ネットというのは網のことです。暮らしの安全網です。サーカスで綱渡りや空中ブランコをしている下に網がはってあります。そうでないと落ちた時に地面に激突して死にます。いざという時に助けるための網です。そういうものが世の中にも必要だということに気づき始めたんです。それがいろいろな形の地域通貨の取り組みになって出てきています。日本でもそうです。そういうことを先駆的に行ってきた人が最高裁にいた堀田さんです。「さわやか福祉財団」を作っています。

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信頼が安全ネットを作る

4月から介護保険が始まりました。介護保険で保険を払って、自分が年寄りになった時に全部世話をしてくれるかというとそんなことはありません。今、いろいろな問題が出てきています。結局高齢者は保険料を払っていても、サービスを受ける時にお金を払わなければなりません。1番の問題は介護保険でどう認定されるかわからないことです。例えば家のお嫁さんが犠牲になって努力して年寄りの世話をした、家族介護です。政治家の亀井さんなどは、そういう人は自分でやっているのだから年間10万円ぐらいやったらどうかと言っています。それはどうなるかわかりません。ただ介護保険が始まって分かったのは今私たちが使っているお金がらみだと、ろくな介護やサービスは受けられないということです。

人間というのは、今、目の前にいる等身大の人間です。人間は立派にならなければならないなどという思想も今までいろいろありましたけれども、そういう思想で幾らやっても、人間というのは今ある人間性のままです。残酷なことや悪いことをしたり、つれないそぶりをしたり、人間は幾らでも薄情になることが出来ます。同時に人間は幾らでも親切になり優しくなることも出来ます。両面を持っているんです。どちらの面が出るかは、どういう仕組みや関係の中に自分がいるかということで決まってくるんです。私も年寄りをずっと世話しました。最後はアルツハイマーでぼけてしまい、やむを得ず収容所みたいな老人病院に入れました。最後の最後まで家で面倒を見ましたけれども、このままだともう家族が死んでしまうという感じになるんです。老人病院に入れてみて分かったのですが、実態はひどいです。詳しくは言いませんが、人間扱いではありません。ただ、そこで働いている人もよくこんな仕事を毎日やっているなと思うぐらいひどいんです。当然物凄い暴力行為などが出ます。そうなってしまうんです。それでも一生懸命毎日働いてサービスしてくれています。それは誰でもこんなサービスは受けたくないと思うようなものです。

それは普通の円でやっているからです。お金が絡むと人間の関係がまずくなるといいますが、今の日本円を使っている関係には、そういう面があります。普通の政府のお金というのは持っていると得です。誰もが日本円を欲しがります。それは何故かというと何でも買えますし、取っておいてもいつでも使えるからです。どこかに預けておいたり投資したりすればお金がさらにもうかります。お金が欲しいから競争をする、お金が欲しいからこんな嫌な仕事をしているということになってしまうんです。例えば介護はもともとはお金でやりとりするものではありませんでした。家族がみていました。そういう習慣があった時代はいいです。けれどもそういう時代にも家庭の中では、実際に世話をしていた女性たちが苦労させられていました。今度、国が介護保険の制度を作って世話をしようといった時でも、そのサービスを提供する人は、やはり幾らというお金をもらってするわけです。もちろんしてもらわないよりはいいです。けれども、こういうふうにしてくれて本当にありがとうという感謝の気持ちが出るような介護が、どれだけ実現出来るかというと甚だ疑問なんです。大きな市場ですから民間企業が介護サービスに結構参入しています。ヘルパーさんをやれる人をどんどん集めています。そういう中で、実際に話している話を聞いて御覧なさい。耳を疑いますよ。どうせ年寄りで見えないんだから、掃除しなくてもしたって言っておけばいいのよ。あんたそんなに真面目にやっているの、そんなことすることないわよ。そういう実態です。

介護保険が立ち上がる前に、自治体によってはヘルパーさんを派遣するような高齢者を支援するサービスをやっていたところがあります。そういうところで、大きな問題になったのは盗みが多いということです。例えばお年寄りが目がちょっと見えない、財布がどこにいったのかなと言うと、おじいちゃんどこにやったのなんて。目の前にあってもお年寄りには見えないわけです。財布はこれかなんてお金を抜いて取ってしまいます。わしの財布にお金がないんだけれども。何を言っているの、おじいちゃん、本当にそこにお金を入れておいたのなどということになるわけです。特に一人住まいの老人などはそうです。何か問題になっても誰も年寄りの言うことは聞いてくれません。少しぼけてきたのかしらぐらいにね。世話をしている人間の方がまだ若い、若い人間の方が頭もしっかりしているし、ちゃんとしたことを言っているに違いないと思うわけです。そういう形の問題が多く起こっていました。これからもっと出てくるでしょう。

さらに今懸念されているのは、介護保険でサービスに来てもらうと、お年寄りはこの人にもっとよくしてもらいたいからといって、介護サービスをしてくれる人の言うことに逆らえなくなるということです。そういう逆らえなくなるお年寄りが若い人と違っているところが1つあります。どこでしょうか。日本円をたくさん持っているところです。世の中というのは信頼出来ないし結局頼りはお金だと、自分の人生をかけてお金をためてきました。お金を持っているんです。かなり前にお年寄りをだまして投資話をした豊田商事事件というのがありました。お年寄りは何故こんなばかな話にだまされるのでしょう。普通、若い人が私なんかを相手にしてくれないのに、優しい親切なお兄さんが来て話し相手になってくれる、この人の言っていることなら信頼できる、あるいはもっと来て話し相手をしてもらいたいと思ってしまうからです。介護サービスに民間企業がどんどん入ってきていますが、当然そういうことをやりますよ。ある会社が派遣するヘルパーにこれも売ってこいよと物を持たせるんです。おじいちゃん、こんないいのがあるのよ、欲しかったら売ってあげるわと。お年寄りは買います。もっと優しくしてもらいたいからです。そういうことも起こるでしょう。何で人間はそういうふうに変わってしまうかというと、円です。日本円でつながる関係だからです。

高齢者になってくると介護保険でカバー出来るサービス以外の要求も多いでしょ。例えば1人住まいでずっと電話もかかって来なければ近所の人も誰も話しに来ないというお年寄りは多いです。介護サービスの認定では別に何もしてくれません。話し相手が欲しいなら探せばいいで終わりです。あるいはちょっと具合が悪い、1週間に3日病院に行きたい。けれども足が弱ってきたから自分で行くのは心配だ。介護保険の認定では自分で立てて生活が出来れば別に何もしてくれるわけではないので、ちょっと病院に出かけるのに不自由だ。なかなか病院まで行けない。そういう時に何とかサポートしてくれるシステムというのがどこにあるでしょうか。円を払ってそういうサービスを会社に頼めばやってくれるでしょう。始めているところもあります。けれども本当にその人にとっていいサービスを提供してくれるかというとそうではありません。

(続く)

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