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青木秀和 講演録/自治体が破産するってホント?

::Aoki,HidekazuUrashima,Yuuji

青木秀和 講演録/自治体が破産するってホント?(1)

はっきりいって財政の話は滅茶苦茶難しいです。私の話を一度聞いて理解するのはたぶん、無理でしょう。後で資料を読むなどして、じっくり勉強していくとだんだん恐くなってきます。しかし、自治体が破産してもそれで終わりではない。財政が破綻しても人間は生きていかねばならないですから。政府のせいで私達は死ぬわけにはいかない。

では、そこから、どうしたらいいんだ?という話をこれからしたい。2002-09-13

青木秀和 講演録/自治体が破産するってホント?(2)

プライマリーバランス(=PB)借金が増えるのは基本的には収入より支出が多いから。実入りより支払いが多いということ。(図)この状況なら当然借金が増えていくのはわかる。これが現金で支出が多いから借金が増えていく。これに対して収支とんとんなら借金は増えていかないとふつうは考える。これは財務省の図なんですが、ところが、そうはならない。(図)プライマリーバランスが黒字の時は、ちょうどこのバブルの6年間。この間は黒字だった。でもこの時期でも国債が増えるスピードは鈍ったがやはり増えている。財政は黒字だったにもかかわらず、借金の残高はじわじわ増えている。これはなぜか?こういうことなんです。2002-09-16

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青木秀和 講演録/自治体が破産するってホント?(3)

1933年、オーストリアで人口4300人のヴェルグルという町でとんでもない実験をやった。その時の町長ウンターグッゲンベルガーが公務員の給料を「労働証明書」という債券で払った。公共事業にもこれを使った。この紙券は月末に額面の1%のスタンプ(シール)を貼らないと使えない。100円の券だったら1円のスタンプを貼らないと99円としか認めない。持ってれば持ってるほど価値が減っていくので、お金よりそれから先に使おうとする。(持越し費用がかかる)ということで月に12回人の手に渡った。逆に言うとその地域で12倍になっているということ。例えば、1万円があって、2回人の手に渡ると2万円使ったことになる。お金が何回転かするということはその町で財とサービスが余計に回ったということで、失業解消・経済復興・財政再建を同時に解決した。税金もこれで払えるようにした。1930年代は世界恐慌の真っただ中。この町は財政破綻していた。住民の2人に1人は失業者だった。2002-09-17

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青木秀和 講演録/自治体が破産するってホント?(4)最終回

そして社会資本の寿命を耐用年数を超えるくらい長くもたせる。資産価値とは本当はそういうことだと思う。その資産にたいする保有コストより、利用価値のほうが上回るのが資産であって、それが逆だったら資産とは言えない。例えば、昔は山を持っている人は資産家と呼ばれたが、今では山にある木を切り出すコストすら出ないので、山を持っている人は金食い虫を持っているに等しくなった。山の材木がもたらす利益が、木を切り出したり維持したりするコストよりうんと高かったので資産家と言われた。それを社会全体で考えてみる。そのためには、今ある壊れそうなものはできるだけ修理して使い続ける。で、ちょっと利用にそぐわなくなったものは、改良を加えて使う。また別のものとして転用して使い続ける。例えば、先ほどのクリチバでは、治水についてレルネルさんが出る前までは日本と同じようにダムを作ったり、堤防を強化したりハードの治水対策をやっていた。これはお金がかかる割にはあまり効果がないので、じゃどうしようかということになった。じゃ、あふれさせればいい、溢れたときに危険のないように遊水地を作ろうということになった。常にあふれているわけではないので、普段は公園を作ろう。水の近くだから水を利用した公園がいい。河川敷も水が来なければ建物も使い続けることができるから、スポーツセンターにしようか。さっきの簡単、迅速、楽しく、安い、に合っている。2002-09-18

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