Home

Quote of the dayの最新記事

アジアタイムスの金融危機に関する一文を読んだ。金融パニックがドル崩壊の予兆かもしれないとの議論が目にとまった。

「現在の危機と1929年のクラッシュとの間には平行するものが多くあるが、主要な相違は米ドルのグローバルな様相である。1929年には、ドルは上り坂で、まもなく世界の準備通貨として英国ポンドの影を薄いものにしていった。さらに米国経済は基本的にはたいへん強力であったので、1934年に米国は通貨を金に結びつけることができた唯一の大国であった。

以来、米ドルの特権化された「リザーブ通貨」の地位は米国の持続的な繁栄の主要な要因であった。このドルの難攻不落の地位が、米国の富の枯渇をごまかし、いまや公表された債務がGDPの100%近くにのぼるところまで米国国債を首尾良く増やすための米国の支配を成功させてきたのである。米国政府の債務の総量は、IOUや一時借り入れを含め、いまや驚異的な50兆ドル、GDPの5倍にもなっている。ドルがたんに別の通貨であったなら、このことはけっして可能ではなかったであろう。

しかし今日の危機で、ドルはグローバルな金融のドラマのなかで、おそらく主演俳優として最後の主役を演じている。別の、より強く、債務を背負い込んでいない通貨が舞台の袖で老いた紳士が最後の役目を終えるのを待っている。

ドルの崩壊は連邦政府が無視することで促進されている。米国経済を再構築し、生産性を取り戻し、インフレによらずに富を創造する政策を実行するのでなく、議会は単に、古くさい崩壊している建物にファイナンスしている。」(ジョン・ブラウン)

いま、昨秋の金融・経済危機を歴史の一こまにするかのような期待が、オバマの大統領就任の日に向けてふくらんでいる。噂では7000億ドルにものぼる経済刺激策が発表され、これが本年下期には経済を危機から脱出させるにちがいないという期待だ。

しかし、昨秋来経験している信用崩壊の現実は、より根本的な私たちの金融システムへの懐疑をもたらしているはずだ。

部分準備の金融システムが債務マネーをふくらませてきたことへの反省が、かつての大恐慌後提起された100%リザーブのシカゴプランへの関心を喚起している。

そんな折、「金融資本が産業資本を麻痺さる仕方:部分準備銀行業の役割」という一文を読んだ。文中に、ジョン・ホットソンからの引用を見かけたので、ちょっとご紹介。

「100%リザーブプランが・・・債務マネーを終わらせるだろう。・・・政府貨幣[法定通貨]が「良貨」である。なぜなら利子や債務とは無縁に流通に投ぜられるからだ。そうして改革の後、比較的僅かな置き換えの費用で貨幣の有用な機能が紙幣や鋳貨を歓迎されないものとする。・・・商業銀行が作り出す貨幣は「悪貨」である。なぜなら利付きで流通に投ぜられるからだ。そして誰かが利子の支払いを受け入れ、銀行が貸し付けを続ける意思がある限りでのみ存在するものにすぎないからだ。」(ジョン・ホットソン、「債務マネーシステムの終焉」[Hotson, J. "Ending the Debt Money System", Challenge, March-April 1985, pp.48-50.])

quote of the day 090104

|
イスラエル軍地上部隊、ガザ侵攻。

第一次世界大戦に反対して暗殺されたジャン・ジョレスの言。

「雲が嵐をもたらすように資本主義は戦争をもたらす。」

ということなのかもしれない。

金融・経済危機で昨年、1バレル140ドル台から30ドル台まで急落していた原油価格は反転上昇の兆し。この2日には、WTIは46.34ドルをつけた。これにつられてか、コモディティ市場はどれも上昇に向かう気配だ。投機マネーが再びコモディティ市場に戻ってくるようなことがあれば、世界経済の不安定性は増すばかりだろう。
「現在、人々はふだんと違っていっそう根本的な診断を待望しており、それを受け入れようとする気持ちはとくに強く、それが少なくとももっともらしいものであれば、それを試みてみることを熱望している。しかし、このような現在の機運は別としても、経済学者や政治哲学者の思想は、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えられているよりもはるかに強力である。事実、世界を支配するものはそれ以外にはないのである。どのような知的影響とも無縁であるとみずから信じている実践家たちも、過去のある経済学者の奴隷であるのが普通である。権力の座にあって天声聞くと称する狂人たちも、数年前のある三文学者から彼らの気違いじみた考えを引き出しているのである。私は、既得権益の力は思想の漸次的な浸透に比べて著しく誇張されていると思う。もちろん、思想の浸透はただちにではなく、ある時間をおいた後に行われるものである。なぜなら、経済哲学および政治哲学の分野では、二五歳ないし三十歳以後になって新しい理論の影響を受ける人は多くはなく、したがって官僚や政治家やさらには扇動家でさえも、現在の事態に適用する思想はおそらく最新のものではないからである。しかし、遅かれ早かれ、良かれ悪しかれ危険なものは、既得権益ではなくて思想である。」

いま、根本的診断が必要なときではないのか。
深まるばかりの金融・経済危機のなか、各国中銀は競って政策金利を引き下げている。

しかしこれによって経済刺激の効果があるかはギモン。

いわゆる流動性の罠だが、「貨幣当局が利子率に対する効果的支配力を失っている」状況下、あらためてケインズの指摘の該当部分を振り返って確認しておくことも必要か。

『一般理論』、第15章、流動性への心理的および営業的誘因のなかで、こう述べられていた。

「利子率がある水準にまで低下した後では、ほとんどすべての人が、きわめて低い率の利子しか生まない債権を保有するよりも現金の方を選好するという意味において、流動性選好が事実上絶対的となる可能性がある。この場合には、貨幣当局は利子率に対する効果的支配力を失っているであろう。しかし、この極限的な場合は将来実際に重要になるかもしれないが、現在までのところでは私はその例を知らない。」(GT,p.207.)

私たちはケインズが見たことがなく、予測した事態を眼前にしているわけだ。

このページについて

Quote of the day
のアーカイブです。

最新の記事は
インデックスページ
過去の記事は
アーカイブのページ