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:「地域通貨への批判に対して」

::泉留維(ゲゼル研究会)Rui Izumi : rizumi@poppy.ocn.ne.jp

「地域通貨への批判に対して」

「地域通貨ってそんなにいいの?」http://www.hotwired.co.jp/altbiz/yamagata/010918/

○金利がつかない→地域通貨は、金利がつかないのではなく、ゼロ利子なのであ
り、時にはマイナスの利子を導入しています。

○地域通貨の基礎理論は、エンデではありません。広田さんは、基礎理論を情緒的
に説明し、多くの人に知ってもらおうとしました。

オーウェン、プルードン、シルビオ・ゲゼル、アービング・フィッシャー、メー
ジャー・ダグラス、ポランニー、ハイエク、フリードマン、マンデルなど、様々な人
が、様々な立場で優れた理論(今の地域通貨とは当てはまらないものもありますが、
歴史的流れを見れば重要な人ばかりです)を提示していて、それを読まないで批判す
るし、特定の経済理論に基づき議論するクルーグマンだけを取り上げて意見するの
は、おかしな話です。

○「パン屋さんの生産が等差級数的にしか増えないというのは、ホントのようで実
はウソだからだ。」これも、この本を読んでの批判でしょう。地域に目指したパン屋
なのか、チェーン店化したパン屋なのかを分けて議論しないとナンセンスですし(も
ちろんパン屋だけではありませんが、どこを見てビジネスするのかが違いますよ
ね。)、常に生産力の挙げることを第一目標にするのでしょうか?

○なぜ宗教で、利子を取るのが禁止になっていたのかが、まったくわかっていない
と思われます。まずコーランや、中世のスコラ哲学などの議論を読んでから、利子の
問題を取り上げるべきでしょう。

○香港はカレンシーボード制で、金融政策を放棄しているので、日本のような中央
銀行がないだけです。実際は、中央銀行的組織(カレンシーボード)があります。同
様の仕組みは、アルゼンチンにもありますし、イギリスのスコットランド紙幣も同様
と言えるでしょう。

○クルーグマンの議論を、地域通貨に当てはめるのは大きな誤解です。彼が前提に
置く市場と、地域通貨が前提に置く市場には大きな違いがある。市場の構成要因は、
万国共通なのか、そして市場は地域の中で常に1つなのか?

○通貨量の調整が必要になると言うが、
現在の中央銀行がそれを完全に行えているのか
調整を行う必要がない地域通貨のシステムも存在するのです。
第一、経済全体の生産力にあわせた通貨量など、実際には経験的にしかわかりません。
生産力はどうやって計算するのですか?

そもそもこの山形さんが、まったく「情緒的」に地域通貨を批判し、その破壊を高
みの見物で楽しみたい、と平気で発言すること自身、悪意に満ちていて、低劣なマス
メディアと同列のレベルのものです。
人のこの厳しい経済社会状況の中で、必死に生きようとしています。政府の様々な
施策もなかなか機能せず、市民が自ら動いて問題解決しようとしているのではないで
しょうか。その中の方法の1つとして、地域通貨に可能性を見いだし、その活動を、
規模は小さいですが、始めているのです。彼は、本当にジャーナリストであるなら、
それを、理論的でなく、そして悪意で批判するのではなく、問題点を、現場!を見
て、理論をひもといて指摘し、なにか建設的な提案をすべきでしょう。

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