GRSJ HOME < ライブラリー
マイナスの利子の真の意味

:: Morino,Eiichi

未来を利子で割り引いて使おうとすると控除された割引分は厚化粧にまわされます。
しかし皺が刻まれる実質的な富は実に息の長い成果としても存在しえます。
たとえばエジプトのピラミッドは観光資源として役立ち続けています。
ここではかつてのエジプト人によって未来は割り引かれていません。
それはエジプトがマイナス利子の経済システムをもっていたからでしょうね。
彼らは実質的な富をもとうとしたのです。
ローマがエジプトを征服して導入された正の利子システムはナイル川を穀倉地帯から砂漠に変え、いまも灌漑に苦労する負の遺産を残しています。
ローマが導入したカネのシステムで当時のエジプト人は実質資本に投資せず、カネの運用で正のプレミアムを得たり、短期的な投資誘因を成立させたわけです。
短期的考慮では利益を上げたのでしょう。
しかし1000年、2000年という時間の間隔で計算をたてなおせば、彼らは莫大なツケを後世に残しました。
砂漠化したナイル川流域がそれを語っていますね。
現代は同じことをしています。
杉ばかり植林された日本の山もその一例です。
投資のリスイッチングを発生させるのは、別の計算が立つ、負の利子率を容認する通貨システムによってでしょうね。
いつでも、誰でも個人的レベルでは損をしないように行動するでしょう。
それが自然です。
しかし、そう行動することが、結果的に山を生き返らせ、海を蘇生させ、ひとが再びはぐくまれる環境が作られる、そうしたシステムが必要ですね。
地域通貨が負の利子率の意義に気づくほどに、ひとは永遠の若さを自分のものにしえるのだという虚構からさえ自由になると思います。
ゼロ利子という若さは人の協同の関わりが提供している協同関係がもたらしている増分なんですね。
それは私的に領有されるべきものではなく、若さへのこだわりを未来に託すものとして、共同の倉に入れるべきでしょうね。
それがマイナスの利子の真の意味だと・・

GRSJ HOME < ライブラリー

2002 Gesell Research Society Japan: All Rights Reserved