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政府紙券を自由貨幣の手法でだしたらどうですか

:: Morino,Eiichi

月末( 99年7月)となり、前月の完全失業率の数字がでましたね。
失業率4.9%、男性のそれは5.1%。すごい数字
です。その中身も悪いですね、常雇いが前年同月比で
100万人以上減少、臨時雇いの増加がわずかにこれ
を埋めていますが、それとて27万人増、これなぞ、
増えたところで不安定な仕事。生活を維持しうる職で
はない。結局、329万人もが失業している。そして
その特徴は非自発的失業の多さです。118万人もが
リストラなどで離職に追い込まれている。前年同月と
比べて27万人も増加してるんです。

景気はすでに底をうった、失業率は遅行指数だとはいっ
ても、ほんとにそうですかね。過剰債務、過剰設備の
問題は解決できてないでしょう。政府がサイプライサ
イドに軸足を移して過剰設備の整理を促したところで、
効果がでるのはずっと先。貨幣供給量をばかすか増や
しても、ちっともカネが回らない。なぜなら、債権債
務関係の解消に使われてしまうから。過剰債務の深刻
さがあるわけ。雇用も過剰というが、その過剰感がリ
ストラ競争に拍車をかける。雇用創出のための政府の
奨励金などたかが知れている。あとは長期の構造政策
による労働力の移動を容易にするような政策しかない。
であれば、たったただいま、死ぬか生きるかの人間に
なにもしないということだ。ケインズの、結局われわ
れは死ぬのである、という言葉はなんどもかみしめる
必要があるのではないか。必要なのは短期の実効ある
政策ですよ。

それも、官僚好みの調整インフレじゃあなくて、もっ
と画期的なもの。政府紙券を自由貨幣の手法でだした
らどうですか。これなら課税貨幣ですから、貨幣単位
における減価なわけで、財やサービスに比して貨幣の
価格が減価するインフレを回避しながら、つまり貨幣
の購買力を維持しながら、景気の回復が可能ですよ。
カネが回らず、貨幣乗数値がきわめて低い状態では、
政府が現ナマをだすべきですよ。失業者に直接給付す
るのがいやなら、かつてカナダ・アルバータ州でやっ
たように、売り上げにかかる税をマイナスにする形で
給付すればよい。つまり、消費税のような結構な税が
あるのだから、これをマイナス5%にする。消費者は
店で買い物をしたレシートをためて、税務署などの政
府機関に持参すると総額の5%の政府自由紙券を給付
される(つまりマイナスの消費税を納めるわけ)。も
ちろんこの紙券は自由貨幣だから持ち越し費用がかか
るので、月に額面の1%程度減価する(その方式はス
タンプ方式でも計表自由貨幣方式でも、とにかく方式
はいろいろある)。

こうした課税貨幣方式であれば、貨幣の流通を通して
徴収される、その保有コストに当たる税額が税収とな
り国家財政も傷めないんですけどね。荒唐無稽な政策
ですか、でもヴェルグルではやったんですよ、「エン
デの遺言」みたでしょ。 Morino,Eiichi

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