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ゲゼル主義は最終的には、母性性の原理に立つ、支配のない共同社会を目指しています。

:: Morino,Eiichi

ゲゼル主義は最終的には、母性性の原理に立つ、
支配のない共同社会を目指しています。その意味
でアナルコ・フェミニズムanarchofeminismusと呼ば
れることもあります。

ひとが集合し、社会生活を送る、そのこと自体が社会
のメンバーにもたらす利益は多いですが、例えば、
土地についていうなら、間違った土地所有のあり方で
特定の人間の懐にだけ土地地代が入りこみます。土地
所有者は地面を創造したわけではないのに、ただそれ
をもっているというだけで、社会という集合のもたらす利
益にたいする請求権を付与されています。純粋に、もっ
ているという事実だけが根拠なのです。しかし、その土地
にひとが集合しなくなれば、一切の社会活動も経済活動
も行われなくなれば、誰がわざわざ土地を借り、地代を払っ
てまでそこに住もうとしたり、事業をしたりしようとするでしょ
うか。そして、この集合を維持し、継続させているものは
なんでしょうか。それは、ひとが子供として生まれ、母親や
周囲にはぐくまれ、育ち、というような社会生活の基本が
そこで遂行されているからです。それが社会という集合の
もたらす利益の根源にあるわけです。しかし、こうした営為
に集合の利益が配分されているでしょうか。
そしてまたひとの作る社会や経済の関係は金、カネの拝金
主義の神が支配する貨幣の無秩序という状態に置かれて
います。母親もわずかの収入をうるためにパートにでるで
しょう。社会が母親に、薄情な母親Rabenmuetterであること
を強いているのです。なぜなら母親には家事労働に賃金が
社会から支払われていないからです。母性労賃Mutterlohn
をよこせ、です。さらには子をはぐくむ母性そのものへの支給
(母親年金)Mutterrenteはあるでしょうか。そしてさらに将来に
わたる社会の維持存続を保証する子供の子供年金Kinderrente
はあるでしょうか。こうしたすべてに対して土地地代の収益が
再配分されなければならないのです。それがないがゆえに、女性
も子供も、例えば、アル中で暴力的な夫に従属しなければなりま
せん。また女性の自律を縛るものからの解放を困難にしています。
問題は、女性や子供の権利を確保すればいいという次元に止まる
だけでは解決されません。女権拡張論がなにをもたらしたか想像
してください。実際に、この課題を達成する経済プログラムが必
要なのです。それが自由土地と自由貨幣です。この二つを実に経
済学的な議論でゲゼル主義が深めようとするのはこうした目的が
あるわけです。いま自由貨幣は地域通貨という入り口を得ました。
自由土地論の現実性なども、取り上げていきたいと思っています。

自由土地の基本スローガンは、これまた、シンプルです。

# すべての子供と母親に土地地代を再配分しろ #、です。

その細かな、詳細な理論をこれから順次説明していければと
思っています。

それにしても戦前のドイツでは、ゲゼル主義者の新聞、「自由な女性」誌
がでていました。女性解放にかんする著作も多いです。そーいうのに関心
をもってくれるひとが輩出するといいな、と思っています。

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