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地域通貨つながり

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アレ の議論を要約したATTACに寄せられた発言
は下記です。

以下の要約からみると、アレの主張には80
年代のそれから変化はみられません。ちょっと
落胆しましたが、もう高齢ですし仕方のない
ところかもしれません。
その思想的位置の対照性にもかかわらず、国家
に貨幣の発行権と発行利益を与え、他方で、金
融仲介業者の貨幣創造を攻撃する論理は、国家
に過大な期待をする点で、マルクス主義の素養
のある方には意外になじみのよいものです。
80年代の主張を読んだときからそう感じてい
ましたが、ATTACに集まる元マルクス主義者も
ようやく気づいたというところでしょうか。
アレの論理に詳細な意義と問題点については、
詳しい紹介をしながら、別の機会にご提供した
いと思います。

.......................................
トービン・タックスは乗り越えられたか
ジャン・ジロー

このリスト上で、どなたかが一ヶ月以上前に
示唆したように、モーリス・アレの最新の著
作、「現下の世界的危機」(Maurice Allais,
Prix Nobel de Sciences Economiques 1988.
Ed. Clement Juglar 1999.)が刊行された。

「リベラル」であり、そうもいわれている
この著者はトービンのそれよりもはるかに
決定的な世界的な金融システムの改革の提案
をしている。それが「左翼的な」経済学者から
でてくるならば、ユートピア的で風変わりな
ものとさえいわれうるほどのものだ。

われわれの考察にこれを統合することは興味
深いことであるのではないのだろうか。

要約

「急速にかつ並はずれた規模で発展してきたグロー
バリゼイションはその主要な諸困難そのものによっ
て押し流される。潜在的な社会的不安定性がいたる
ところで姿を現し、とりわけ米国においては不平等
を加速させ、西欧においては大量の失業を生み出し
た。」

「国際機関は、こうした投機が引き起こした失業や
貧困以上に(不当にも投資家と呼ばれる)投機家た
ちの損失に没頭させられている。」


現存の金融諸機関の活動に対して著者が提起する
対策

1信用の改革

-あらゆる貨幣創造は国家に、ただ国家にのみ属さ
なければならない。貨幣創造から生じる利益は現行
の所得税をかなりの規模で減少させることができる
であろう。
-期限付きの投資へのどのような融資も少なくとも
同じ期間、借り手によって保証されねばならない。
いかなる長期の借り入れも短期の借り入れ先から
融資を受けてはならない。

諸手段

銀行業務は完全に分離され、以下の区別された独立の
3機関に委譲されねばならない。
-預金銀行。顧客の預金の受け入れ、支払い、保護。
-貸付銀行。貸付総額は借入資金の総額を超過しては
ならない。
-投資銀行。公的機関、あるいは貸付銀行からの借入
資金の企業への投資。

2指数化の改革

あらゆる、諸個人や企業、国家間の、先物、貸借、
賃金等々の契約の指数化。

目的。将来の不確実性に結びついたあらゆる制約から
経済を解放すること。契約の実施における誠実性の原
理の完全な確立。債務者または債権者による詐取に終
止符を打つ。

3資本市場の改革

現行のシステムは基本的に反-経済的で、経済の正確な
作用を妨げている。

-無からの支払い手段の創造による株式取引への融資と
投機を不可能とせよ。
-流動性への担保を増やせ。
-相次ぐ建値を廃止し、各金融市場、各株式につき一日
に一種の建値に置き換えよ。
-自動化されたプログラム売買を廃止せよ。
-インデックス取引やデリバティブへの取引を禁止せよ。

4国際通貨システムの改革

-変動相場制を放棄して、修正可能な固定相場制へ。
-どのような平価切り下げ競争の禁止。
-計算貨幣として、交換手段としての貨幣として、ま
た準備金として、ドルを放棄する。
-国際的な、指数化に適合したシステムによる共通な
計算単位の漸次的確立。
-為替、株式、債券、デリバティブズへの銀行の投機
の禁止。

「問題は根本的な改革で、無数の市民の日々の生活に
関係するものだ。こうした改革が必要不可欠なのだが、
これは経済の効率性を促進することに専念しているリ
ベラル派によっては実行されはしないし、追求されも
しない。また、所得分配の公正さに執着している社会
主義者たちによってもそうなのだ。双方とも、どんな
ことについても疑似-真理をたえず繰り返す盲目さや誤っ
た臆断を放棄しようとしていないのだ。」

「どんな存在であれ専門家を、とりわけ経済学者を信
用すべきであるが、医者のように、彼らが必要不可欠
な存在であるにしても、目をつぶって彼らに従うこと
は警戒すべきでもある。」

**************

(1) 「ヘッジファンドの巨額の利益には巨大なリスク
が含まれている。経済が正常に作用するためにはこうし
た投機は不必要だし、根本的な不安定性を生み出しも
し、その顕著なリスクが経済全体を走り回らせている。
デリバティブズに対する投機を禁止し、ヘッジ・ファン
ドはどれも解散させよ。投機家たちの不確実な利得を維
持するという理由だけで、世界経済の不安定化というリ
スクをとるわけにはいかないのだ。」

「現行の株式市場の機関はこうした新たなツール(訳注、
デリバティブズなどの金融新商品)を手がける者の利害で
のみ形作られている。」

「こうした機関は経済全体にとって基本的に無益なものだ。
それは著しく非安定化的で、市場のボラティリティを極度
に拡大するし、どんな操作を行うのにも適している。それ
は虚偽と無駄なコストを生み出すものなのだ。」

「ただ投機家全体の群をなす行動に投機するプーレヤーを
「投資家」と呼ぶのは困難に思われる。ここでは経済的な
投資の意志決定が問題なのではなく、純粋な投機行動が問
題で、そこではただ玄人だけが効率的に利益を上げること
ができるのである。」

「デリバティブズに対する投機はあらゆる点でばくち場で
の投機や、宝くじに賭けること比べられる。しかし、ばく
ち場や宝くじと異なって、デリバティブズへの投機は重大
な経済的帰結をもたらす。それは経済に実質的ななんの利
益をもたらさず、経済の安定性を危険にさらすだけなのだ。」

(2) 「現行の銀行システムによる貨幣の無からの創造は偽
金作りがカネを作るのと同じである。具体的には、それは同
じ結果になるのだ。唯一の違いは利益を上げるものが違って
いるだけである。」

(3) 「相場での建値は結局プレーヤーが直接に米国の株価
指数に影響を受けて別の株式の価格をも決定すると想定する
ことになってしまう。」「事実こうした力をもつどんなプ
レーヤーも存在しないのだ。株式評価に最新の情報が決定
的な影響を持ち得たのは、たとえば、フランスにおけるプ
ジョー株のケースだが、これは玄人筋の不正を暴露してし
まった。」「ばくち場での次々になされる値付けはどんな
操作でも可能で、金融仲介業者はどんな破廉恥な操作も行
えるのである。そこにはひとつの帰結しかない。貯蓄家を
だまし、奪いとるのだ。」

(4) こうした利得は米国の手にするところだ。モーリス・
アレは、フランスにおいて、ほぼ所得税の額に匹敵するの
ではないかと見積もっている

Attac 82 - Groupe local Attac - Montauban
http+//www.club-internet.fr/perso/jguir

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