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地域通貨つながり

:: Morino,Eiichi

電子マネーの時代になって大きな問題
になってくるのが、貨幣の匿名性の維持
の問題です。通常の貨幣も、それを使う
ときに住所や名前などを聞かれることは
ありません。その貨幣という情報システム
に参加しているということが、ひとの信認
しあうことに係る情報コストを減らしてい
ますし、同時にひとの自立と自律の基礎を
提供しています。これは貨幣の登場によっ
て販売と購買が分離したことによって可能
となります。
貨幣が提供するこうした側面は、わたした
ちが自由で個人の自律を侵害しない社会を
維持したければ、どうしても必要なもので
す。地域貨幣を考えてみてもは、これはひと
を連帯させる特質をもっていますが、しかし
それは個人の匿名性と自由を侵害するタイプ
の貨幣ではありません。紙券に名前の記入が
必要ではないわけです。
昔から貨幣廃止論がいろいろ存在しました。
それが結局は圧制的な共同体の優位で終わる
ことは暗示的です。
カリフォルニアイデオロギーはこの貨幣の匿名
性を維持するための闘いの先頭に立ってきた感
がありますが、わたしたちからするとそこから先
が問題なわけです。しかし、常に、これを侵害し
ようとする勢力の攻勢はやむことがありませんの
で、彼らの精力的な取組が常に必要とされていま
す。
そして彼ら以外にも貨幣の匿名性を侵害することに
対する反対を表明し取り組むところが多く存在しま
す。これはわたしたちの直接のテーマではないので
すが、忘れてならない一問題であると考えています。

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