2011年1月 Archives

曽我 純 :

NYダウは9週ぶりに下げた。エジプト情勢の緊迫が株式に影響を与えたと言われているが、独裁体制崩壊へと進んでいるのであれば、市場としては歓迎すべきことではないか。混乱に伴いオイルなどが高騰するかもしれないが、長続きはしない。NYダウの下落は相場が過熱していたからだ。過去2年弱で8割も上昇した強気相場が、最終段階に差し掛かっていることを示唆しているように思える。

これまで株高を支えてきたのは、FRBの実体経済にそぐわない金融緩和政策である。昨年10-12月期の名目GDPは前年比4.2%増と5四半期連続のプラスである。これだけプラス成長していながら、ゼロ金利を継続していれば、ゼロ金利の弊害が生じることは間違いない。

マネーを供給すれば、自動的に経済は拡大し、良くなるというマネタリズムの信奉者が金融政策の中枢を占め、実践している。だが、マネーは金融セクターの内部を循環するだけで、非金融部門にはなかなか出て行かない。金融部門というマネーを動かすところにだけとどまり、その金が世界中の株式、債券、商品、為替などの市場で貪欲な利鞘稼ぎに使われている。

FRBや日銀の金融緩和が、再び、金融市場でバブルを作り出している。中央銀行は物価の番人といわれているが、今はデフレの時代であり、物価の問題ではなく、金融市場のそれぞれの商品の高騰に目を向けなければならない。過去の株式や不動産バブルはいずれも、超金融緩和、緩和の長期化、緩和しなくてもよい時に緩和したことがバブル発生に結びついており、中央銀行の金融政策がバブルの主な原因になっている。中央銀行は一般物価よりも金融商品の番人の役割を果たす必要性がますます高まっている。
株高などにより、米消費者マインドは改善しているが、住宅価格は下落している。昨年11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(10都市)は前月比0.4%低下し、これで5ヵ月連続のマイナスである。昨年12月の新築住宅販売戸数は前月比17.5%増の32.9万戸に改善したが、前年比では依然マイナスであり、新設住宅着工件数などを勘案してみると、米不動産市場は引き続き底を這っている状態といえる。

昨年10-12月期の米GDPによると、住宅(名目)は前月比1.4%と2四半期ぶりのプラスになったが、ピーク(06年1-3月期)の約4割の水準にとどまり、住宅・GDP比率は前期と同じ2.2%と過去最低の水準にあり、住宅部門の回復は取り残されたままである。

名目GDPは前期比0.8%増と6四半期連続のプラスになったが、不動産バブル崩壊による景気後退以前(08年第3四半期)からは2.7%伸びているだけだ。前年比伸び率は4.2%と前期よりも0.3ポイント低下し、伸び率は今後低下するだろう。実質でも前期比0.8%増加したが、不況以前のピーク(07年第4四半期)を0.1%上回っているにすぎない。回復力が弱いのは主力の個人消費支出の伸びが低いことに加えて、設備投資と住宅が不況前の水準を大幅に下回っているからだ。他方、貿易赤字の減少と政府支出の拡大が成長を支えているが、2010年10-12月期の政府支出は前期比0.2%減少した。財政が悪化している州・地方が支出削減を余儀なくされ、連邦政府も軍事支出の頭打ちにより前期をわずかに下回った。GDPに占める政府支出の比率は10-12月期、19.3%と前期比0.2ポイント低下し、不況を乗り切るために政府支出を拡大した09年7-9月期に比べれば0.6ポイントの低下である。

名目のGDP・政府支出比率は1990年代後半、急速に低下したが、2000年頃を底に、再び上昇、現在約20%の水準にある。この比率の下降・上昇の変化は非軍事と軍事支出にわけてみると、軍事支出の動向がこうした変化を引き起こしていることがわかる。1969年以降の約40年間のGDPに占めるそれぞれの比率は、非軍事支出の13.0%~15.5%に対して、軍事支出は3.8%~9.0%と変化が大きく、政府支出・名目GDP比率の変化は軍事支出の動向により変化していることがわかる。市場万能主義や小さな政府を標榜しているけれども、米国の非軍事・GDP比率は住宅バブルで沸いていたときも上昇しており、市場主義とは異なる政策を実施していたのである。

***

2010年までの10年間の米実質GDP成長率は年率1.7%となり、1930年代以降の8回のなかで最低となった。これまでの最低は1930年代の2.7%だったが、これを1ポイントも下回ってしまった。実質成長率は60年代の年率4%台から70年代には3%台に低下し、80年代、90年代は引き続き3%台を維持していたが、00年代、実質成長率は一気に1%台に落ち込んでしまった。こうしてみれば、日本ほど顕著ではないが、米国の経済成長率も1940年代の5.6%をピークにはっきりと鈍化していることがわかる。情報革命が成長を高くするなどといわれているが、そのような姿はGDP統計からは読み取ることができない。

00年代のダウは年率0.7%(値上りだけで配当は無視)となり、90年代の15.1%から急低下した。1910年以降では1910年台のマイナス1.2%に次ぐ下から3番目に悪い数値である。最悪のパフォーマンスは大恐慌に陥った30年代のマイナス2.2%であり、GDP物価指数(マイナス1.6%)以上に落ち込んだ。

2010年までの過去80年間の成長率はダウが年率5.5%と名目GDPの6.6%を下回っている。GDP物価指数は3%なので、実質的には年率2.5%の値上がり益が確保された。米国でさえも実質的な値上り率はこのように低く、長期投資といえども高い利益を出すことの難しさを心に銘記すべきである。

全文をPDFで読む↓

 曽我 純 :

日経平均株価は2日連続の値下がりとなり、昨年末以来の低い水準に後戻りした。いつものことだが、下げるときのスピードは速い。11営業日を要した上げがたった2営業日の下げで吹き飛ぶのだから。こうした変化をうまく捉えて、利益を出すことは至難の業だ。たいていはやられてしまうのが落ちである。相場の加熱状態が続いていたので、いつ下げても不思議ではないと思いながらも、ついつい油断して決断を遅らせていたら、あっと言う間にロスが発生してしまう。

株式売買で稼ぐことがこれほど大変であるのに、多くの個人が為替取引にのめり込んでいる事態は異常である。まさに博打そのものである。金利がゼロなのですこしでも稼ぎたいとの思いは分からないでもないが、これまでの歴史を顧みるまでもなく、博打に関わる悲惨な結末の事例は枚挙に遑がない。

毎月分配金型の投資信託も元本を減らしているのが多数ある。日本の国債利回りが1.2%の状態で、これを大幅に上回る運用などを期待してはならない。目先の利益を追求するあまり、元本が損なわれるのでは元も子もない。国債利回り以上を謳った高収益商品は高リスクの危険な商品に間違いない。どこかにからくりを仕組んでおり、詐欺的商品である。それほど良い商品であり、高利回りを得られるのであれば、銀行、証券会社等は自分で購入すればよいではないか。それで十分に収益を確保すればよい。あるいは相場に自信があるのであれば、自己売買で十分な利益をだすことができるだろう。これができないのは、高収益商品は存在せず、相場を正しく読むこともできないからだ。因みに、株式相場が下降しているときの証券会社の業績は軒並み悪い。このことは、証券会社が株式相場を的確に捉えていないことの証左である。

株式や為替の変動を予測することができず、どのように動くかだれもわからないのである。分かれば短期間で巨額の富を手に入れることができる。そのような証券会社など出現したためしがない。株価や為替相場を当てることは所詮無理なのだ。無駄なことをしているといってもよい。もともとできないことを、あたかもできるかのように吹聴し、そこにマンパワーを注ぐ。個人投資家をパソコンに釘付けにし、取り引きに熱中させる。それで手数料や運用管理費等を稼ぐ。損が発生してもそれは自己責任だと、取り合わない。製造業ではあってはならないことが、金融業では罷り通るのである。

アメリカ人は予測好きな国民であり、それがウォール街という博打場を育ててきたのである。国民性の所産といってもよいだろう。米金融機関の急速な拡大に伴って、米国流の金融システムが日本やヨーロッパに伝播していった。

しかし、金融部門自体はなんら付加価値を生産せず、非金融部門に寄生しているため、金融部門の拡大は社会にとって決して好ましいことではない。株式や為替の取り引きをしても付加価値は発生しない。単に名義が変わるだけで、手数料というコストが発生するだけなのだ。金融機関は手数料等を稼ぐためになるべく頻繁に取り引きするように仕向ける。だから、取り引き回数を極力減らすことは非金融部門のコストを低下させ、金融機関の収益を減らすことになる。付加価値がでてこない取り引きをいくら繰り返しても経済に活力は生まれてこない。また、金融部門の経済に占める割合が高くなれば、それだけ、経済に及ぼす影響も大きくなり、不安定化要因になる。

日本の80年代のように金融機関が巨額の株式を保有し、不動産貸出を急拡大させたように、預金を投機資産に投入し、金融部門は肥大化した。米国の金融機関は返済が不確かな住宅ローンへの驀進や焦げ付く可能性の高い住宅ローンなどを組み込んだ証券への投資でバランスシートが著しく拡大した。両国ともに「大きすぎて潰せない」の一言で、損失は非金融部門に押し付け、金融機関は存続している。荒療治でないので、金融機関の体調はいつまでもすぐれず、非金融部門からの補給をうけなければならない。非金融部門の犠牲の上に金融部門は成り立っているのである。

Bank of America、JP Morgan Chase、 Citigroupの総資産は昨年末、それぞれ2兆ドル前後と引き続き巨額であり、これらの金融機関が危機に陥ると、米国経済は只では済まないことになる。金融規制を推進していた経済再生諮問会議のボルカー氏の後任に、オバマ大統領はGEのCEOであるジェフ・イメルト氏を起用したので、昨年7月に成立した金融規制改革法が金融機関寄りに修正される恐れが出てきた。

***

昨年の東証1部の売買代金は1.44兆円(1日当たり)と前年より4.6%減少し、これで3年連続減だ。だが、減少したとはいえ、21年前の株式バブルのピークを10.6%上回っている。1992年には売買代金は2,000億円台に落ち込み、その後、長い低迷が続いていたが、日銀のゼロ金利、手数料自由化、インターネット取引等により売買代金は急増し、07年には3兆円を突破した。まさにバブルの再来である。

売買代金を名目GDPで割った数値は07年、1.42倍となり、3年連続で過去最高を更新した。昨年は0.72倍と3年連続で低下したが、それでも89年を0.07ポイント下回っているだけである。昨年の売買回転率(東証1部、2部、マザーズ、株数)は133.2%と07年のピークに比べれば25.6ポイント低下したが、株式バブル期の88年(98.1%)を大きく上回っており、日本の株式流通市場が異常な状態にあることに変わりはない。

流通市場は活況を呈しているが、資金調達を担う発行市場の規模は昨年、4兆円に満たなかった。企業は十分な資金を保有しており、株式市場で調達する必要がないからだ。株式市場といっても、その本来の機能をほとんど果たすことなく、短期的な鞘を求めた遊戯場と体たらくしているのが実情なのである。

04年以降の異常な株式売買にもかかわらず、日本経済は浮上するどころか、縮小の道をはっきり進んでいる。株式市場の活況は経済の拡大に結びつかないばかりか、徒に経済を撹乱し、実体経済の妨げになっている。金融取引はコスト高になるだけで、経済に利益をもたらさないからだ。株式取引に課税し、譲渡益課税は早く元に戻すなどこれまでの政策を180度変える必要がある。このまま株式市場を放置し続けることになれば、日本経済の遊戯場化はさらに進行するだろう。

全文をPDFで読む↓


曽我 純 :

NYDOWは7週連続高となり、週末比では08年6月第3週以来の高い水準に上昇した。09年3月第1週の底値から78%も上昇し、米株式は住宅バブルで高騰した高値の領域に踏み出したといえる。DOWの株価収益率は約15倍と昨年の11月初めに比べると1ポイント上昇しており、利益よりも期待で値上りしていることがわかる。信用の行過ぎた緩和が株式をファンダメンタルズから離れさせようとしている。

鉱工業生産指数は昨年12月、前月比0.8%伸び、08年8月以来の生産水準を回復し、小売売上高も0.6%上昇するなど、実体経済が回復傾向にあることも、株価を後押ししている。しかも、12月の消費者物価指数のコアは前月比0.1%、前年比でも0.8%ときわめて安定しており、理想的な物価環境にある。

実体経済が好調に推移しているともいえる状況下において、FRBがマネーを金融機関にばら撒かざるを得ないのは、金融部門に依然大きな穴があいた状態にあるからだ。米商業銀行の商工業貸付は12月、前年比5.5%減と09年5月以降20ヵ月連続の前年割れだし、不動産貸付も4.5%減と15ヵ月連続のマイナスとなり回復の兆しはみえない。FRBは金融機関に湯水のように資金供給しているにもかかわらず、主要な貸出はプラスにならないのである。それは商業銀行の総貸付に占める不動産貸付の割合が12月、53.4%とピークからは低下したとはいえ長期の水準からみれば異常に高いことに関係している。金額でも3.61兆ドルとピークの09年5月(3.87兆ドル)から6.7%しか減少していない。このことは、商業銀行の不動産貸付が不良化しており、まだ多くの不良債権を抱えたままだということを示唆している。資金需要が乏しいところに、銀行が多額の焦げ付き債権を保有していることも、貸付が伸びない要因である。

国の管理下にあるファニーメイ、フレディマックがいつまで爆弾を抱え込んだままでいられるのだろうか。これら政府支援企業の資産は09年末の3.01兆ドルから2010年3月末には6.88兆ドルに急拡大、9月末でも6.65兆ドルと巨額である。資産の大半を占めるモーゲージ(9月末5.03兆ドル)は恐らくかなりの部分が不良化しているはずだ。

ファニーメイ、フレディマックは昨年7月、上場廃止(NYSE)となり、政府丸抱えになった。政府はなんとしても、不良モーゲージを封じ込め、長期戦略で少しずつ悪いところを処理していこうという方針のようだ。

政府支援企業は支援企業債を発行して資金調達しているが、その規模は9月末、6.44兆ドルである。支援企業モーゲージプール等を入れると企業支援債は総額7.59兆ドルとなる。支援債の保有者としては商業銀行(1.31兆ドル)、FRB(1.23兆ドル)、海外(1.2兆ドル)、投資信託(0.75兆ドル)といったところが大所だ。これだけの債務を抱えている支援企業が行き詰まると、そのショックは南欧などの比ではない。いま政府支援企業の問題は表立ってはいないが、地価の一段の下落などをきっかけにいつ爆発するとも限らない。

政府支援企業を支えるために、FRBはゼロ金利に加え6,000億ドルの買いオペを実施しているが、FRBの総資産の半分以上を支援企業債で占めていることは、いかにも異常だ。ベースマネーが増加するといっても、マネーは政府支援企業に行くだけである。そこから先に回るマネーは僅かなものだと思う。いうなればマネーをブラックボックスに注ぎ込んでいるようなものである。

経済指標の改善も一時的なものに終わるかもしれない。米国経済は不動産バブル崩壊の傷を深く負ったままの状態にあるからだ。政府支援企業を中心にした金融機関の不良債権が概ね処理されるまでは、米国経済の本格回復は期待できない。

米国経済が爆弾を抱えていることが、対ドルで円を強い水準に釘付けにしているようにも思える。米国同様、欧州も住宅バブル崩壊から立ち直るには程遠い状況にあり、そのことがユーロの上昇を阻んでいる。

全文をPDFで読む↓


曽我 純:

OECD景気先行指数が夏以降頭打ちになり、世界経済の回復力が弱くなっているときに、商品市況が急騰することは、あきらかにバブルが発生していることを示している。先行指数そのものも高水準にあり、現状以上に伸びる可能性は低い。株価が反発する前の08年12月に原油や銅の市況は底を打ち、いままでほぼ右肩上がりできた。この間の値上り率は銅で3.3倍、原油は2.6倍に達している。09年3月を底に反発したNYDOWの75%を大幅に上回っており、投機資金が商品市場に雪崩れ込んでいることがわかる。

商品価格の上昇は原材料価格を引き上げ、企業収益に影響してくる。日米とも生産財価格が消費財価格の上昇率を上回っており、企業利益を圧迫している様子が窺える。さらに上昇すると、インフレに繋がることになり、金融当局は金融引き締めに踏み出さざるを得なくなる。そうなれば短期金利は急上昇し、資金コストが増加、設備投資マインドは冷やされ、景気は後退するだろう。

米国や日本はGDP成長率がプラスでありながら、ゼロ金利を続けていることが、商品相場を高騰に導いているのだ。自然災害ではなく人災なのである。実需が伴わないのに巨額の買いオペを実施し、金融機関に資金供給していることも、投機を助長している。ゼロ金利が長引き、商品相場がさらに高騰すれば、短期金利上昇懸念から長期金利もいままで以上に上昇することになる。そのような過程で、商品相場も腰折れとなり、一気に値が崩れることになるかもしれない。

商品市況の暴落は資産価値の激減となり、負債との齟齬が生じることになる。住宅価格崩落のような規模ではないが、それでも景気にある程度のインパクトはあるはずだし、景気の撹乱要因になることは間違いない。商品市況急落が株式市場へと波及する恐れもあり、そのような事態になれば景気に及ぼす影響はさらに大きくなる。

米国のように住宅市場がいまだ病んでいる状態では、商品投機の破綻は信用の問題を再燃させることになる。信用不安が出てくれば、資金の流通は途絶えがちになり、当然ものの動きも悪くなる。商品市況が暴落すれば、デフレにある日本経済はデフレが一段深刻になり、家計も企業も支出をさらに絞るだろう。

ゼロ金利の恩恵を最も受けているのは金融セクターである。金融危機を引き起こした張本人が気づいてみれば、最大の利益享受者になっているのだ。米国などは長短金利差が3%もあるので、金融機関の収益は大幅に拡大するはずだ。非金融セクターは被害者だが、ゼロ金利による直接的な便益はない。

日本のようにデフレではマネーは自動的に増価するので、家計も企業も現・預金等の流動資産を厚くすることでデフレに対処している。逆に、借金は重くなるので、極力減らす。借金を返済し、現・預金を増やすことがデフレ経済を乗り切る最良の方法なので、日本経済はこのような資金の動きが今年も続くことになる。


米非農業部門雇用者数は12月まで3ヵ月連続の前月比増だが、春頃のような増勢ではなく、回復は緩やかである。米鉱工業生産指数を四半期でみると、7-9月期の前期比1.5%から10月、11月の平均は0.1%の微増にとどまっており、09年7-9月期以降の回復過程で10-12月期の伸びは最低になりそうだ。10-12月期の全産業設備稼働率は75.0%と前期比1.1ポイント上昇したが、ハイテク産業は73.2%、0.7ポイント低下した。PMIの非製造業は春の数値を越えたけれども、製造業は依然したまわっており、景気が全体的に良くなっているわけではない。

『短観』(12月調査)によると、日本の大企業経常利益は今年度下期、前年比-1.0%の減益になる見通しだ。前回調査から下方修正されており、収益は企業の思い通りに進んでいない。機械セクターの利益は大幅増益を維持しているけれども、電気や輸送は2桁減益になりそうである。しかも前回の9月調査から大幅な下方修正となり、予想以上に業績は悪化している。
11月の鉱工業生産指数は前月比1.0%と6ヵ月ぶりのプラスになり、12月、1月は大幅に伸びると予測されている(新車販売が前年を約3割下回り、薄型テレビなどの家電の売上が激減していながら鉱工業生産が伸びるほど他の分野が強いとは考え難い)。12月が予測通りに伸びても、10-12月期の鉱工業生産は前期比1.5%減少する。製造業の総実労働時間も10月、11月では7-9月期比1.0%減、全産業でも0.8%減少している。10-12月期の業績は製造業だけでなく、全産業で減益になるかもしれない。浮かれている株式は収益を直視せざるを得なくなる。

全文をPDFで読む↓

このアーカイブについて