大企業の増益率は09年度下期でピークに達する

曽我 純:

週間で2円超の円安ドル高となり、円ドル相場は09年8月以来の円安ドル高となった。3月の米経済指標が発表されつつあるが、景気回復を示す指標が相次ぎ、資金はドルに回帰している。3ヵ月物のドル金利は上昇している半面、円金利は低下しつつある。米10年債の利回りは3.93%と08年10月以来の高い水準に上昇し、金利差からもドルが選好されている。ただ、景気回復の初期段階では、普通、短期金利の上昇速度は速くなるが、今回は極めて緩やかであり、短期金利の変化からも、米景気回復の速度は緩慢であることがわかる。

円安ドル高になれば、国内輸出企業の業績改善は一層促進されることになり、株式が買われることになる。ただ、1月、2月の輸出超過額は合計7,138億円と回復に向かっているが、年間10兆円を超えていたときに比べれば、半分に満たない規模である。原油をはじめ資源が再び高騰しているため、円高ドル安がさらに進行しても、貿易黒字をそれほど増やしはしないだろう。

2月の輸出が前月比で減少すると、鉱工業生産指数も0.9%低下した。米国経済が回復力を強めれば、それが世界経済に波及し、日本の輸出も拡大傾向を持続することになる。日本(2月)とドイツ(1月)の鉱工業生産指数のピークからの回復力は82.9%、82.4%と似ているが、米国は89.9%まで戻しており、ダメージが強かったわりには、回復力は日本、ドイツを上回っている。米国経済は輸入依存度が高いため、景気回復が本格化すれば、輸入は大幅に拡大するだろう。

3月の米消費者信頼感指数が前月を大幅に上回り、米国経済の約7割を占める消費の回復期待が強まり、製造業景況感指数も前月比プラスになるなど、マインドは明るくなってきた。3月の非農業部門雇用者は前月比16.2万人と07年3月以来3年ぶりの増加だ。国勢調査により政府部門が3.9万人増加したが、製造業も1.7万人と微増だが2ヵ月連続増となり、緩やかに雇用は改善しているようだ。

その一方、1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要10都市)は前月比0.2%減と4ヵ月連続の低下となり、地価の回復は遅れている。3月の米新車販売は、自動車ローンのゼロ金利などの優遇策により底上げされており、反動減に見舞われる恐れがある。個人消費支出は前月比0.3%増加したが、賃金・俸給、可処分所得は横ばいになるなど、景況感と実際の数値とは隔たりがでてきており、株式の回復などが、実態以上に景況指数などを引き上げているように思う。

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この記事は「編集者」の寄稿です。2010年4月 4日 21:03.

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ピーク近い景気先行指数 は以降の記事です。

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