日本の輸出増はいつまで持続するか

曽我 純:

輸出の回復で生産も続伸している。輸出の割合が高い製造業は息を吹き返しているが、内需依存型の企業は苦境から脱するにはほど遠いところにいる。昨年12月の輸出は前年比12.0%と08年9月以来、15ヵ月ぶりのプラスだ。対米輸出は前年割れだが、対EUは1.4%、対アジアは31.1%とアジア主導で回復している。このまま輸出が拡大を持続できれば、輸出依存型企業の業績は拡大が期待できるが、輸出が頓挫するようなことになれば、日本経済はたちまち路頭に迷うことになる。輸出依存型企業が内需型企業の業績にまで影響を及ぼすには至らず、自律的回復軌道に乗っていないからだ。

昨年12月の輸出(季節調整値)は前月比+2.4%と昨年2月を底に10ヵ月連続増と伸びてはいるが、08年1月のピーク比では68%と7割弱の水準でしかない。輸出は底から30.3%増加したが、内需の低迷により輸入の底は輸出よりも4ヵ月遅れの昨年6月がボトムだが、12月はそれを15.1%上回っているに過ぎない。

輸出がどの程度まで戻るかが、日本経済と企業業績の回復の鍵を握る。輸出はアジア主導で回復しているが、アジアで生産したものは日本、米国、欧州に輸出される。いままでは急激に減少した生産・在庫の回復のための生産だったが、米国や欧州の景気が回復しなければ、そうした在庫調整終了後の本格的な需要増に基づく生産の拡大には至らないかもしれない。

米国の輸入(財)は昨年12月、1,509億ドルと4ヵ月連続の前月比プラスとなり回復しつつある。昨年5月のボトムに比べると26.6%増加しており、米国経済の回復を裏付けている。ただ、住宅というストックが傷んでいるだけに、政府のこれまでの厚い支援策が途切れたときに、自力で成長していくことができるかが問題である。

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この記事は「編集者」の寄稿です。2010年2月14日 19:24.

米「新金融規制」の実現を願う は以前の記事です。

4月頃にはFRBはFFレートを引き上げるべきだ は以降の記事です。

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