4月頃にはFRBはFFレートを引き上げるべきだ

曽我 純:

バーナンキFRB議長は2月10日の議会証言で利上げを示唆していたが、その翌週の18日、公定歩合を0.25%引き上げ年0.75%とすると発表した。ただ、FFレートは0.0%~0.25%に据え置いた。FRBは金融政策を徐々に正常な状態に戻す方針だが、インパクトの大きいFFレートについては、実体経済をみながら慎重に判断するのではないか。

17日、FRBは2010年の経済見通しを公表したが、それによると、実質GDP成長率は2.8%~3.5%(第4四半期の前年比)と前回予想よりも下限を0.3ポイント引き上げ、米国経済は正常な姿に戻ると想定している。米国経済がFRBのシナリオ通りに回復するならば、FFレートは第2四半期には引き上げられるであろう。

09年の実質成長率は-2.4%と1946年以来63年ぶりの大幅なマイナス成長になったが、その翌年には約3%程度の成長を達成できるとのシナリオは楽観的すぎると思う。米国経済は住宅バブルの後始末の最中であり、成長を左右する家計の支出が本格化するとは考えられない。住宅着工件数は最悪期を脱したとはいえ、1月も50万戸台と昨年の夏以降ほぼ横ばいである。銀行貸出も前年を大幅に下回っており、これでFFレートが上昇すると、短期金利も上昇し、貸出はますます難しくなる。

とはいえ、昨年10-12月期の米GDPは名目・実質ともに前年比0.8%、0.1%とプラスに浮上した。おそらく今年の1-3月期以降のプラス幅は大きくなるはずだ。力強い回復は望めないが、たどたどしくも前年を上回る成長は持続できるように思う。そうであれば、ほぼゼロという異常な金利を正常化することは必要である。いつまでも異常な金融政策を続けていると、資金コストゼロの恩恵を受ける金融部門を利することになり、金融恐慌を起こした張本人でありながら、非金融部門を凌ぐ成長をみせ、資本・株式市場が実体経済から遊離、バブル化しかねないからである。

昨年10-12月期の米GDP物価指数は前年比0.7%と2四半期連続の1%未満の低い伸びである。09年は1.2%であったが、2010年の上昇率は1%以下に収まるであろう。名目成長率は3%台にとどまると予想され、FFレートが1%に引き上げられたとしても、米10年債利回りは現状の水準から大きく上昇することはない。1-3月期のGDP速報値が公表される頃には、FRBはFFレートを引き上げるべきだ。

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この記事は「編集者」の寄稿です。2010年2月21日 19:15.

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