甘い汁を吸う日米の金融機関

曽我 純:

11月の機械受注のうち船舶・電力を除く民需が前月比11.3%も減少し、過去最低を更新したが、外人買いは持続し、日経平均株価は1万1,000円近くまで上昇した。前回でも指摘したが、外人が強気に転じたのは米雇用統計が改善傾向を示しているからだ。雇用が増加すれば、米国経済の主力エンジンである個人消費が回復し、民間設備投資も力を取り戻すことができる。ほぼゼロの政策金利は、中間選挙を控えているなどで、今年いっぱいは据え置かれるだろう。09年末の米商業銀行の預金は前年比6.1%増加したが、貸出は前年を7.4%も下回っており、マネーは有価証券等へ向っている。超低コストの資金が溢れているため、日本にもホットマネーが流入してきているのだ。

ただ、先週末の日経平均株価は前年比36.9%増とNYダウやFT100等よりも上昇率が高くなってきた。日経平均株価の伸びを上回っているのはナスダック総合(51.4%)くらいで、株価の下落リスクは非常に高くなってきている。リスクは高くなっているが、ヘッジファンド等の運用成績が向上していることから、リスクを取る余裕が生まれていることも、日本株を買う要因になっていると思う。

OECDの景気先行指数は09年11月、前年比8.6%も伸び、1976年5月以来、33年半ぶりの高い上昇率となった。前年が大きく落ち込んでいることの反動ともとれるが、それでも先行指数の急上昇は、株価との相関性が高いだけに、株価回復を裏付ける材料になる。今回の先行指数の急落急騰は第1次石油危機の時の変動に類似している。第1次石油危機後の不況では先行指数は1974年11月に底を付け、76年2月のピークまで15ヵ月上昇した。今回は09年2月に前年比-9.6%まで沈んだ後、11月まで9ヵ月連続で改善している。不況の原因は違うけれども、ショックという観点からは、先行指数は同じ様なパターンを辿る可能性がある。今年の春頃には先行指数の前年比伸び率はピークを付けるだろう。
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この記事は「編集者」の寄稿です。2010年1月17日 19:16.

上昇余地乏しく下落リスク高まる日本株 は以前の記事です。

米「新金融規制」の実現を願う は以降の記事です。

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