町工場の現場から(一七)--調達-- 杉浦 明巳

去年の年末、仕事上でお付き合いのあるKさんのお通夜に行った。突然の死だった。心臓に持病があるという話だったが、顔を合わせる時はいつも元気で、しゃべりだすと止まらない、楽しい人だった。持病の具合が悪くなったというわけでなく、定期検査のために入院したのに、なぜか麻酔から覚めることなく、そのまま帰らぬ人となってしまった。

Kさんは、長年、大手メーカーで、下請け会社の部品納入や、交渉をする調達という仕事をしていた。大企業の徹底した生産管理や品質管理は、当然、部品を納入する子会社や下請け会社にも及んでいく。調達や改善チーム、計測管理、化学物質管理など、さまざまな分野から下請けへの管理体制は強化される。その中で、調達は、担当する下請けの工場現場に入ったり、コストダウンを迫ったりと、よくも悪くも、取引先会社の内部に入り込んで指導する教師のようなポジションを担っているように思う。教師なら、当たりはずれはあるわけで、大企業の威光をかさに、自分の流儀で小さな取引先を振り回す調達もいれば、親身になって下請けの世話を焼く調達もいるわけだ。そこで、信用を得られれば、定年後も引き続き、そうした下請け会社の顧問やアドバイザーとして、慰留されることもある。Kさんもそうした面倒見のいい調達の、一人だった。(もっと読む→)sugiura17.pdf

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この記事は「koichi」の寄稿です。2009年4月27日 00:53.

1-3月期の米鉱工業生産、前期比5.5%減とマイナス幅拡大--曽我純 は以前の記事です。

暴落のエネルギーを溜める政府の証券対策 は以降の記事です。

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