2008年12月 Archives

輸出に翻弄される日本経済

曽我 純:

生産活動は過去にない収縮過程にある。四半期ベースの鉱工業生産指数は7−9月期まで3四半期連続の前期比減と低下していたが、ここに来て、生産の低下は加速してきた。生産指数は10月の前月比-3.1%から11月には-8.1%の94.5(2005年=100)へと経験したことのない激しい減産となった。経済産業省の予測によれば、12月は前月比8.0%、09年1月は2.1%それぞれ低下する。予測通りになれば、09年1月の生産指数は84.7となり、08年2月(110.2)のピークから23.1%も落ち込むことになる。PDFファイルを読む

quote of the day 081225 流動性の罠

深まるばかりの金融・経済危機のなか、各国中銀は競って政策金利を引き下げている。

しかしこれによって経済刺激の効果があるかはギモン。

いわゆる流動性の罠だが、「貨幣当局が利子率に対する効果的支配力を失っている」状況下、あらためてケインズの指摘の該当部分を振り返って確認しておくことも必要か。

『一般理論』、第15章、流動性への心理的および営業的誘因のなかで、こう述べられていた。

「利子率がある水準にまで低下した後では、ほとんどすべての人が、きわめて低い率の利子しか生まない債権を保有するよりも現金の方を選好するという意味において、流動性選好が事実上絶対的となる可能性がある。この場合には、貨幣当局は利子率に対する効果的支配力を失っているであろう。しかし、この極限的な場合は将来実際に重要になるかもしれないが、現在までのところでは私はその例を知らない。」(GT,p.207.)

私たちはケインズが見たことがなく、予測した事態を眼前にしているわけだ。

バランスシート調整下では金融政策は効かない

曽我 純:

19日、日銀は政策金利を0.3%から0.1%に引き下げた。FRBが16日、1%から0.0%〜0.25%へ下げたため、それに同調したのであろうか。0.2%の利下げが、どのような効果をもたらすかは、だれが考えても期待できるものではない。茶番である。貸出金利が0.2%低下したからといって、経済が急激に悪化しているときに、積極的に資金を借りて、事業を拡大したり、新規に設備投資などをしないからだ。PDFファイルを読む

曽我 純:

米上院で「自動車産業融資・リストラ法案」の協議が決裂したことから、12日の東京外国為替市場で、円ドルレートは一時88円10銭と1995年8月2日以来、約13年4ヵ月ぶりの円高ドル安となった。その後、米政府の「金融安定化法の活用も検討する」との報道を受け、12日のニューヨーク市場終値は91円台に戻し、NYダウも前日比プラスで引けた。PDFファイルを読むPDFファイルを読む

人間の経済 通巻231号

  • 週刊マーケットレター(08年12月8日週号、No.258) ・米3ヵ月物金利ゼロの示唆する世界経済 :/曽我 純
  • 週刊マーケットレター(08年12月1日週号、No.257) ・米住宅・資源高バブル破裂が日本の生産を直撃 ・屑証券の疎開に励む米政府とFRB :/曽我 純
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米3ヵ月物金利ゼロの示唆する世界経済

米財務省証券3ヵ月物の金利はゼロとなり、1941年以来67年ぶりの記録を付けた。リ ーマン・ブラザーズ破綻後、一気に1%未満に急低下し、9月17日には売りレートは0.03% とゼロに接近した。10月20日以降、4日間は1%台を回復したが、その後、再び低下し、 12月3、4日の売りレートはゼロとなった。住宅ローンの延滞率上昇や急増しつつある不 動産の差し押さえ、金融機関の経営不安、小売業や新車販売の記録的な減少、米自動車産 業の救済の行方等が、資金をより安全な財務省証券に向かわせている。PDFファイルを読む

人間の経済 通巻230号

  • 金に従革せず :/森野 榮一 
  • 週刊マーケットレター(08年11月24日週号、No.256)・2四半期で約9兆円減少した名目GDP ・米大不況が日本経済を揺さぶる :/曽我 純
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週末の経済統計が消費や生産の悪化を示したにもかかわらず、株価は2日連続して上昇 した。11月第3週までの『投資部門別売買状況』によると、外人は大幅に売り越している が、信託銀行の買い越しが目立ち、公的資金が介入していることが見て取れる。9月の信 託銀行の買い越し額(東証1部)は717億円と8月を58億円上回っただけだが、10月は 1兆1,814億円と突然増えた。11月も第3週までに9,377億円を買い越しており、先週の 株価上昇も公的資金によって作為的に形成された可能性が高い。PDFレポートをダウンロード

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