参考図書

::泉 留維

 この2年ほどの間に、地域通貨関係の出版物は全国各地で発行されています。その内容は、専門書レベルから入門書レベルまで幅広く、中には地域通貨をあまり扱っていないのもありますが、ここでは基本的に大きい本屋に行けば誰でも入手可能なものを中心に取り上げます。参考リストです。

  1. 室田武・坂上雅治・三俣学・泉留維『環境経済学の新世紀』中央経済社 3000円

    目次
    序章:五人の経済学者の卓見

    Ⅰ 自然環境と資源利用
    第一章:人間の経済-制度、技術と生態系
    第二章:資源利用からみる持続可能な経済の条件
    第三章:自然環境の価値と評価

    Ⅱ 環境問題と経済理論
    第四章:環境経済学の基礎
    第五章:環境資源とコモンズ
    第六章:公共事業と環境

    Ⅲ 国際社会と環境政策
    第七章:環境問題への国際的な取り組み
    第八章:貿易とODAによる環境への影響
    第九章:経済学からの環境問題への接近

    Ⅳ 経済活動と環境保全の融合
    第十章:環境評価の実際
    第十一章:金融面からの環境対応
    第十二章:企業活動と環境評価

  2. 『この世の中に役に立たない人はいない』   エドガー・カーン著
    ヘロン久保田雅子、茂木愛一郎:共訳
    創風社出版/定価(本体2000円+税)

     本書はタイムダラーの創始者エドガー・カーンが生み出したコ・プロダクションという概念をさまざまな角度から解説し、地域通貨タイムダラーの活用について説いたものである。コ・プロダクションを理解する上では、市場経済が健全に機能することを背後から支えるコア経済(非市場経済)が存在することに気づく必要がある。本書では、コア経済を家事、育児、近隣での助け合い、コミュニティなどで、これを社会のオペレーティングシステム(OS)に例えている。つまり、女性の従属、マイノリティや移民たちを搾取することで成り立っていた古いOSがダウンしてしまった今、平等、相互扶助、思いやりによって組み立てられた新しいOSの必要性を米国各地での事例を挙げながら述べている。
     そして、この二つの経済、市場経済とコア経済の関係が上手く機能してこなかったのは、そこに通常の貨幣が介在したからだと指摘している。そこでタイムダラーを介在することで、社会の底辺から信頼を取り戻すこと、コミュニティの再構築が可能になることを明らかにしている。民間と行政のパートナーシップ、協働作業などが問い掛けられている今こそ、本書は地域通貨実践者に限らず、地域の再生を思うすべての人に新しい視点を与えるものであろう。地域に埋もれている人たちにタイムダラーによって新しい価値を与え、地域を支える資源と位置づけることで、「役に立たない人」がいない社会を創ることができる。
    本書は3部から構成されており、第1部では、コ・プロダクションの発見に至るまでの経過をストーリー風に述べている。第2部では経済的な理論を、そして第3部ではタイムダラーを用いてのコ・プロダクションの実践事例を紹介している。

    ☆ 最寄の書店にない場合は、直接創風社出版までお申し込みください(送料無料)。お申し込みには、手数料の安価な郵便振替をご利用ください。
    (郵便振替口座 01630-7-14660)
    TEL:089-953-3153
    FAX:089-953-3103
    H P : http://www.soufusha.jp/

  3. 『マネーの正体:地域通貨は冒険する』デーヴィッド・ボイル著 松藤留美子訳、2002年、2500円 集英社
  4. 『エンデの警鐘:地域通貨の希望と銀行の未来』(2002)坂本龍一・河邑厚徳編纂 1600円 日本放送出版協会
  5. 『美術、市場、地域通貨をめぐって』(2001)白川昌生 水声社 2800円
  6. 『循環の経済学』(1995)室田・多辺田・槌田編 学陽書房 2472円
     東京大学の丸山真人教授が、日本で初めて本格的にLETSを紹介した論文が載っています。
  7. 『地域自立の経済学 第2版』(1998)中村尚司 東洋経済新報社 2200円
  8. 『21世紀の経済システム展望-市民所得・地域貨幣・資源・金融システムの総合構想』(1999)ジェイムズ・ロバートソン 日本経済評論社 1200円
  9. 『エコバンク-貨幣自由化時代への誘い』(1996)金岡良太郎 北斗出版 4120円
  10. 『エコマネー:ビッグバンから人間に優しい社会へ』(1998)加藤敏春  日本経済評論社  2200円 
  11. 『エンデの遺言:根元からお金を問うこと』(2000)河邑厚徳+グループ現代   NHK出版 1500円 
     1999年にNHK-BS1で放送された「エンデの遺言」を本にしたものです。現在世界各地で流通している地域通貨の現状や、1930年代の地域通貨導入の背景・理論など詳しく記されている本です。またケインズも賞賛した経済学者シルビオ・ゲゼルの減価する貨幣の話はも掲載されています。
  12. 『だれでもわかる地域通貨入門-未来をひらく希望のお金』(2000)森野栄一監修/あべよしひろ・泉留維著 北斗出版 1600円 
     世界各地の地域通貨の事例や、日本での地域通貨導入のための情報が詰まっています。地域通貨の1種であるLETSの体験ゲームが載っています。
  13. 『可能なるコミュニズム』(2000)柄谷行人編著 太田出版  1600円 
  14. 『地域支え合いのきっかけづくり-地域通貨』(2000)さわやか福祉財団編 愛媛県保健福祉部 非売品
     おそらく現在の所、日本・世界の事例が一番多く取り上げられています。在庫が少なく、手に入れるのは困難かもしれません。近日、HPで全文公開されます。<問い合わせ先:089-941-2111(愛媛県・県民交流課NPO・ボランティア係)>
  15. 『自由経済研究』(1995~)ゲゼル研究会編著 ぱる出版 不定期雑誌 1冊1000円
     地域通貨及び補完通貨の研究論文や、海外の関係論文の翻訳が載っている雑誌(1995年第1号刊行)です。本屋では取り扱っていないですが、地域通貨を少し掘り下げて考えてみたい方にお薦めです。各号の内容については、以下のURLを参照にしてください。
     http://www.grsj.org/book/index.html
    <雑誌の取り寄せ:ぱる出版 03-3353-2835>
  16. 『タイムダラー:地域を変える助け合いの"通貨"』(1999)ヘロン久保田雅子他 タイムダラー・ネットワーク・ジャパン 300円
     アメリカで誕生した「タイムダラー」の説明書です。愛媛県の関前村で行われているタイムダラー形式の地域通貨「だんだん」の事例が載っています。
    <問い合わせ先:089-976-6644(株式会社バツフォ内:NPO法人タイムダラー・ネットワーク・ジャパン)>
  17. 『市民社会のボランティア:「ふれあい切符」の未来』(1996)田中尚輝 丸善株式会社 740円
     アメリカの「タイムダラー」と、それとよく似たシステムである日本の「ふれあい切符」について紹介がされています。
  18. 『マネー崩壊-新しいコミュニティ通貨の誕生-』(2000)ベルナルド・リエター 日本経済評論社 2300円
     地域通貨の第一人者とも言えるリエターが書いた本の翻訳です。現在の社会経済を陽経済と陰経済にわけて、陰経済の活性化といたものです。
  19. 『エコマネーの世界が始まる』(2000)加藤敏春 講談社 1700円
     エコマネーネットワークの代表者が、これまでの活動をまとめ、今後の展望を書いた物です。
  20. 『アメニティと歴史・自然遺産』(2000) 環境経済・政策学会編 東洋経済新報社 2500円
    同志社大学の室田武教授が書いた「地域・並行通貨による環境保全の可能性」も収められています。コモンズ論の視点から、地域通貨の必要性を書いた論文です。
  21. 『地域通貨ルネサンス―まち起こしマネー戦略』(2001)トーマス・ゴレコ 本の泉社 2800円
     アメリカの地域通貨研究者であるトーマス・グレコが、1994年に書いた本の翻訳本です。地域通貨の総論をまとめた良書です。一部はアップデートされていますが、基本的に5年以上前の本であるため掲載されている情報は若干古いです。
  22. 『NPO研究2001』(2001)日本NPO学会編集委員会編 日本評論社 1800円
     地域通貨に関する論文が、2本掲載されています。
  23. 『ボランティア白書2001-責任を共にする未来社会へのデザイン』(2001)「ボランティア白書2001」編集委員会編 社団法人日本青年奉仕協会 3000円
     地域通貨に関するレポートが、1本掲載されています。
  24. 『平成12年度版 国民生活白書-ボランティアが深める好縁』(2000)経済企画庁編大蔵省印刷局 2000円
    新しい市民の取り組みとして、地域通貨に触れられています。
  25. 『あたたかいお金「エコマネー」-Q&Aでわかるエコマネーの使い方』(2001)加藤敏春・くりやまエコマネー研究会 日本教文社 1300円
  26. 『パン屋のお金とカジノのお金はどう違う?』(2001)広田裕之、子安美智子監修 オーエス出版 1500円
  27. 『なるほど地域通貨ナビ』 (2001)丸山真人・森野栄一編著 北斗出版 1800円
  28. 『地域支えあいのきっかけづくり-地域通貨・手引書』(2001)財団法人さわやか福祉財団編 無料配布(送料のみ)
    連絡先:(財)さわやか福祉財団 TEL(03)5470-7751、FAX(03)5470-7755 e-mail: k01@sawayakazaidan.or.jp
  29. 『貨幣の生態学』 (2001) リチャード・ダウスウェイト(著) 北斗出版 1800円
  30. ボーンセンター ブックレットシリーズ□ シリーズNo.1「地域通貨の可能性:ピーナッツ実践報告」(2001)
    村山和彦・塚田幸三著
    価格1,500円(A5判、2段組み、約60ページ)
  31. シリーズNo.2「ロンドンと地域通貨」(2001)デビット・ボイル著 馬頭忠治・塚田幸三訳
    価格 1,000円(A5判、横書き、約40ページ)
    【問い合わせ先】
    特定非営利活動法人 千葉まちづくりサポートセンター
    TEL&FAX:043-206-7726(担当:原田)
    E-mail:born@jca.apc.org
    http://www.jca.apc.org/born/booklet/

この記事について

この記事は「koichi」の寄稿です。2008年11月13日 20:45.

人間の経済 2008 は以前の記事です。

地域通貨 は以降の記事です。

ホームページ

ホームページ